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PS4/PS3で『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』発売、ニンテンドー3DSで『シアトリズム ドラゴンクエスト』発売、そして4月30日にはMMORPG『ドラゴンクエストX いにしえの竜の伝承 オンライン』が発売予定と、生誕30周年に向けてかつてない盛り上がりを見せる『ドラゴンクエスト』シリーズ。しばらくさまざまなイベントや企画が発表・実施されていくと思われるわけですが、ひょっとしたら“コラボレーション”の企画なんかがあるかもしれませんよね。『ドラクエヒーローズ』は、ある意味ではコーエーテクモゲームス開発チーム「ω-Force」とのコラボと言えますし、『ドラクエX』ではスクエニ自社のゲームとのコラボも積極的に展開しています。
・・・まさか・・・いや、まさかとは思いますが・・・。
最近、コーエーテクモゲームスの人気格闘ゲーム『DEAD OR ALIVE 5 Last Round』は、他社とのコラボに積極的な姿勢を見せています。コーエーテクモゲームスは『ドラクエヒーローズ』を開発したメーカーでもあります。少し言い換えてみれば、『ドラクエ』と『DOA』は非常に近しい関係、密な関係であるとも言えなくもなくなくなくなくなくないのです。つまり何が言いたいかというと・・・
――『DEAD OR ALIVE 5 Last Round』と『ドラクエ』がコラボする可能性はゼロじゃない。
しかし!いやしかし!少年・少女が楽しめる健全なゲームという印象も強い『ドラクエ』が、お色気要素たっぷりの『DOA5 LR』とコラボレーションする可能性など万に一つもあるワケがないじゃないか!筆者は頭がおかしいんじゃないのか!?
・・・そう思われるかもしれませんが、実際はどうです?コーエーテクモゲームスの手にかかれば『ドラクエIV』の“アリーナ”さえ、トレードマークとも言える黒タイツを脱ぎ捨てて生足になってしまうのですよ!そう、30周年を迎えようとしている今こそ『ドラクエ』の固定概念を見つめ直すときが来ているのかもしれません・・・。
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というわけで、今回【そそれぽ】総力特集としてプレイするのは、エニックス(現・スクウェア・エニックス)のMSXソフト『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』です。
・・・えっ?ファミコン?なんですかそれ?家族単位で行う最近流行りの新しいスタイルの合コンか何かですかね?『ドラクエII』ってMSXの大ヒットゲームですよね!?
MSXの大ヒット作『ドラクエII』には、近年の『ドラクエ』シリーズでは考えられない、主人公クラスのキャラクターである「ムーンブルクの王女」のとんでもなく過激な描き下ろしグラフィックがゲーム内に用意されているという有名な話があります。そのあまりの過激さに、もし当時「CERO」があったら発売さえ危ぶまれたのではないかと言われるとか言われないとか言われないとか・・・。
しかしながら、今、実機で過激グラフィックを見たことがある人は残念ながら多くはありません。過激な公式『ドラクエ』キャラの存在が明らかになれば、『DOA5 LR』スタッフだって、『ドラクエ』サイドに話を持ちかけざるを得ないはず。ひょっとしたら、過激な姿の「ムーンブルクの王女」に“やわらかエンジン”を適用する可能性だって・・・!!それでは早速、実際にプレイして、その過激グラフィックがどのようなものか確かめていきたいと思います。
※掲載ゲーム画面はデジタルカメラで無理矢理テレビ画面を撮影したものです。
※液晶テレビとMSX実機をPCA端子(いわゆるピンジャック)で接続しているため、画面に滲みがあります。
※この記事には今となってはどうでもいいような内容かもしれませんが、物語の進行に関わる【ネタバレ】が含まれています。MSX『ドラクエII』をこれからまっさらな状態でプレイしたい人は、閲覧注意でお願いします!
■MSXで1988年2月に発売された大ヒットRPG
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ちょうどこの時期、世間では『ドラゴンクエストIII そして伝説へ・・・』なんてゲームも発売されていたらしく、社会現象まで巻き起こしていたそうですが、MSXユーザーはそんな社会現象には一切惑わされません。誰が何と言おうと、例え大きな社会現象になろうと、ニュースや新聞でそのブームや事件が報じられようと、1988年2月はMSXユーザーにとって『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』の発売月なのです。
RPGという概念を日本に定着させた『ドラゴンクエスト』(もちろんMSXで発売してますよ)の第2弾にあたる本作は、シリーズではじめて3人で仲間を組む「パーティーシステム」を採用。複数の敵とチーム対チームで戦いが繰り広げられ、より戦略性が高いバトルを実現しています。フィールドもより広くなり、冒険の舞台も、物語のスケールも大きくなりました。
■細かいことは
たぶん皆さんがご存知の通りですが!!!
■ソニー「おかえりなさい」
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あくまでも実機でプレイしたい筆者は、もはや毎年おなじみとなった我が愛機、ソニーのMSX「HiTBiT HB-201」を使用します。サウンドはモノラル出力1本なので、分配プラグを使って無理矢理LRの赤白2本に分けてテレビに接続。いざ、プレイ開始。
■本気で当該のポイントを目指す
筆者の事前の知識では、当該のグラフィックが拝める場所は、物語中盤に登場する「ラダトーム」。そう30周年を迎える『ドラクエ』シリーズのすべてが始まったあの伝説の地「ラダトーム」なのです。ぶっちゃけた話、その気になれば、ネットで適当に「ふっかつのじゅもん」を探し、そこだけプレイして記事を書き起こし、いろいろ誤魔化したネタ記事を作ることも簡単でしょう。しかーし!筆者はそんなセコいマネは一切しません!ゲームの最初から、MSX実機で、しっかりと自分の手でプレイします!せっかくなのでプレイの雑感もちゃんとレポートしていきます!
こうして王子「そそれほ」(濁点とか半濁点が1文字にカウントされて入力できない!)は、祖国「ローレシア」を旅立ちました。
■思っていたよりも『ドラクエII』
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いろいろと覚悟を決めて始めた今回のプレイレポートですが、プレイ開始前の「いやな予感」を完全に払拭する完成度で、素直にビックリしました。MSX、ポテンシャルすごいな!!ハードの性能の都合上、透過処理が難しいのか、表示をスムーズにする工夫なのか、各キャラや各オブジェクトは黒い四角に覆われています。また、BGMやSEの音程が若干低いです。気になったのはそれぐらいで、その気になった部分も慣れれば特に気にならなくなりました。
あとはほとんど、皆さんが知っている『ドラクエII』そのものです。戦闘のバランスなどが多少異なるようですが、今回の趣旨からはずれてくるので特に気にしない方向で(笑)。
■捗る片手プレイ
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決定キーは「Return」(「Enter」じゃない!「Retern」だ!)もしくは「Space」、キャンセルキーは「Shift」、各種移動は方向キーなので、片手でプレイできます。これはラクチン。ただ「HiTBiT HB-201」の「Retern」は連打すると“ポコンポコンポコン!”とかなりうるさい音がするので、戦闘中などは無駄に連打しないことを推奨。
■粛々と「ラダトーム」を目指す
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■時はきた!それだけだ。
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・きんのかぎを入手し、ラダトーム武器屋2階のじいさんの部屋に入る
・「ムーンブルクの王女」にアイテムを一切持たせない(装備をはずしただけではダメ)
・じいさんに話かける
・・・すると!いつもとは違う会話が始まるではありませんか!!ってゆーか「ムーンブルクの王女」はどんな状態でいたんですかね!?
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■はずかしそうに ハイレグのみずぎを みにつけた。
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■はしゃぐ伝説の勇者の子孫とジジイ
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そんな異様な状況に対し「ムーンブルクの王女」は・・・
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◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆
思わず真顔になるグラフィック!
これに「やわらかエンジン」を搭載すればあるいは・・・!
ただし、今日は4月1日!
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『ドラクエII』は難易度が高く「名作だけど上級者向けのドラクエだよ」なんてよく言われてますが、間違いなく「上級者向け」でした。あの真っ青なグラフィック!と同時に流れる教会での「生き返り」のテーマSE!そして「ABUNAI(ハートマーク)MIZUGI」!からの、遠縁の親戚にあたる一行の馬鹿すぎるはしゃぎっぷり!!「上級者」向けコンテンツとして、末代まで語り継がれることでしょう。
【こんな人にオススメ】
・上級者の人
・ちょっと哀愁に浸りたい人
・極度の『ドラクエ』マニア
・自分だけの外人4コマ風4コマを作りたい人
さて、今回のプレイレポートのそもそもの目的は、密な関係を築いたコーエーテクモゲームスと『ドラクエ』において、『DEAD OR ALIVE 5 Last Round』に、“やわらかエンジン”で描画される“あぶないみずぎ”姿の「ムーンブルクの王女」参戦の可能性を考えるというものでした。実際にプレイし、“あぶないみずぎ”姿の「ムーンブルクの王女」を目の当たりにし、こうしてレポートを書き上げ、筆者なひとつ重大な事実に気が付きました。
2Dドット絵を
やわらかエンジンで描写するの
無理だったわ。
【そそれぽ】総力特集、いかがでしたでしょうか?外人4コマオチをやりたかっただけとか、そういった意見は一切受け付けておりません!ご了承ください!4月1日を満喫!筆者が!次回もどうぞお楽しみに!
MSX『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』は、現在生産されていません。価格は6,800円(税抜)です。
(C)1987 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
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津久井箇人 (つくいかずひと) a.k.a. そそそ
作・編曲家・ライター。物心がつく頃にはMSXで『グラディウス』をプレイしていた無類のゲーム好き。ゲームを紹介するブログ記事が評価され、2011年からINSIDEでニュース原稿執筆・ライター活動を開始。レトロゲームから最新ゲーム、戦略シミュレーションゲームから格闘ゲームまで、幅広いジャンルのゲームをプレイ。
Twitter:@sososo291
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