主演の桐生一馬役の滝川英治は「いかにも」という感じのスーツ姿。神室町(かむろちょう)の高級クラブ「セレナ」のシーンから始まった。それまで和やかだった稽古場は一瞬にして『龍が如く』の世界に。錦山彰役の佐野岳はオールバックでキメている。
極道として力をつけた桐生が回収したみかじめを風間新太郎に手渡すシーン。風間を演じるは名高達男、流石の貫禄で登場。続く桐生が逮捕されるシーンでは緊迫したムードになる。場面が変わり、殺陣のシーンは迫力満点で稽古場に怒号が響く。
最後は桐生がサイの花屋に出会う場面。いつもはコミカルな印象の芋洗坂係長が強面のサイの花屋役だ。これがなかなかのはまりっぷり。かなり稽古が進んだ状態での公開、どのキャストも高水準であった。稽古は一旦終了し、取材陣のための集合写真ではにこやかに、あるいは強面の表情を作るなどとサービス満点。カンパニーのチームワークの良さを感じた。
脚本・演出の田村孝裕氏、舞台『龍が如く』プロデューサー、セガホールディングスの菊地等氏、舞台『龍が如く』スーパーバイザー、セガゲームスの吉田幸司氏が囲み会見に臨んだ。
開口一番、演出の田村氏から「だんだん役者さんの熱が入ってきた」とコメント。公開稽古は短い時間であったが、そのエネルギーは稽古場に充満、かなりのスピード感で仕上がっているのがわかる。スタッフ・キャスト共に手応えを感じているようである。また演出の一部では、ゲームの映像も使っているとのこと。
また、吉田氏からは「ゲームのドラマシーンではゆっくりと間を取っていて、すごく威圧感があるキャラクターたちが、舞台だと生の会話のキャッチボールが行われていて生き生きとキャラクターが描かれています」という言葉が出た。舞台ならではの醍醐味・魅力、といったところだろう。ゲームファンにとっては新しくも嬉しい発見がありそうだ。
また、“舞台とゲームは異なるもの”という考え方のもと、舞台ならではのアレンジが加えられているので、ここも要チェックポイントだろう。「違和感もないし、驚きつつ楽しめるのではないでしょうか」とコメントした。
キャスティングに関しては「キャラクターにハマる方」と菊地プロデューサー。「例えば、滝川さんはなんとなくイメージがつくと思うのですが、佐野さんは普段演じているキャラクターとは違った、むしろ男臭い役を演らせてみたかった。」と語る。佐野岳、最近は舞台『曇天に笑う』の曇空丸(くもう そらまる)が記憶に新しい。稽古場ではオールバックで臨んでいたが、意気込みが伝わる“髪型”。「予想外にハマっている。」と菊地氏は語る。ここは本公演が楽しみなポイントであろう。
吉田氏は稽古の仕上がりに関して「120点」と100点超えの点数をつけた。「桐生が、まさに”そのまんま”です!」と太鼓判を押す。なんと入れ墨もあるそうなので、ここはお楽しみ。田村氏より「ゲームを知らなくても、観終わった後でゲームやりたくなるような作品になれば。」とコメントする。
なお、千秋楽はニコニコで生放送、とのこと。遠方で劇場に足を運べないファンにとっては嬉しい企画。もうすぐ開演を迎える。
『舞台「龍が如く」』
http://ryu-ga-gotoku.com/theater/
2015年4月24日(金)~4月29日(水・祝)
赤坂ACTシアター
舞台「龍が如く」すでにエンジン全開、熱烈稽古中!キャラクタービジュアルに期待値アップ
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