人狼とは、プレイヤーが村人と村人に化けた人狼となり、正体がバレないようにやりとりをしながら、他プレイヤーの正体を推理していくゲームです。一般的なルールでは、人狼を投票で処刑する昼と人狼が村人を食い殺す夜を交互に行い、人狼を全員処刑すれば村人プレイヤーの勝利、村人が食べられたり誤って処刑されたりして人狼と同じ人数になったら人狼プレイヤーの勝利となります。
シンプルなルールで、サクッと説明して大人数とスリリングな探り合いが楽しめるのが魅力。また、基本的に司会進行役が必要とはなりますが、ルールさえ知っていれば特殊な道具なしで遊べるパーティーゲームであり、場所や形式にとらわれず様々な遊び方がされています。
欧米ではルールとしては古くから存在していたのですが、当初は人狼vs村人ではなく、マフィアの抗争をテーマにしたものであり、90年代に入って人狼がテーマとして流行し、製品化されていきました。日本では欧米で製品化された物をボードゲーム/TRPGのゲーム会で遊ばれるようになった他に、MMO『Ultima Online』内でチャットを使って遊ぶことが流行りネットゲーマーの間でも遊ばれていたので、読者の中には人狼はUOで知ったという方も多いのではないでしょうか。
その後、日本では司会進行を代わりにやってくれる携帯アプリが登場したりした後、TVでも取り上げられるようになり、大きな流行へと繋がりました。
ルールがわかっていれば、ペンとメモ用紙でも遊べるのですが、より遊びやすくするためのカードセットが販売されており、村人側に新たな役職を追加したり、大胆なアレンジを加えているものがたくさん登場しています。今回はその一部をご紹介いたします。
■タブラの人狼 日本語版
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・プレイ人数: 8人~24人
・プレイ時間:20~40分
・対象年齢:8歳以上
・デザイナー:ドメニコ ディ ジョルジオ
・販売:ホビージャパン
・価格:2400円(+税)
人狼の定番タイトル。現在発売されている第4版では一般的な村人、人狼、占い師(相手が人狼か人間かを判定できる)に加え様々な役職の他、死んでも投票できる幽霊のルールや、司会進行役なしでも遊べるルールが追加されています。
■究極の人狼 第2版 完全日本語版
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・プレイ人数: 3~6人
・プレイ時間:60分
・対象年齢:12歳以上
・デザイナー:テッド アルスパッチ
・販売:アークライトゲームズ
・価格:3200円(+税)
基本的な人狼と同じスタイルで遊べ、特殊な勝利条件を持つ第三勢力の「バンパイア」の追加ルールなど、合計44種の役職を収録。さらに、最大74人という超大人数プレイに対応しているので、参加者が多い日でも安心。
■ワンナイト人狼
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・プレイ人数: 3~7人
・プレイ時間:10分
・対象年齢:10歳以上
・デザイナー:奥井晶久
・価格:1500円(+税)
一夜(1ターン)で終了し、10分ほどの超短時間で遊べる日本生まれのお手軽人狼。また、少人数でも楽しめ、司会進行なしで遊べるようになっているのも特徴。短時間で遊べる=死んでゲームから退場した人が暇してる時間が減るという点でも良いゲーム。
現在、ブラウザ版やiOSアプリ版などデジタル方面での展開も行われています>
■レジスタンス 日本語版
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・プレイ人数: 5~10人
・プレイ時間:30分
・対象年齢:13歳以上
・デザイナー:ドン エスクリッジ
・販売:ホビージャパン
・価格:1800円(+税)
政府転覆を図るレジスタンスと、そのレジスタンスに紛れて彼らの邪魔をするスパイに分かれて対戦するわり種の人狼系ゲーム。プレイヤーの中から選ばれたメンバーで投票で成否が決まる(誰か一人でも失敗に票を投じたら失敗となる)ミッションがあり、レジスタンスはこのミッションに3つ成功させれば勝利、スパイはそのミッションを3つ失敗させれば勝利というルールで遊びます。
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チーム戦色が強いゲームで、一般的な人狼とは一味違う探り合いが楽しめます。また、司会進行なしで遊べ、殺しあうゲームではないので途中退場が存在しないのも特徴。
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また、『レジスタンス』の舞台をアーサー王伝説の時代に置き換えた『レジスタンス:アヴァロン』も発売中。『レジスタンス』にはなかった役職のルールが追加され、マーリンやモードレッドといったアーサー王伝説でお馴染みのキャラも登場して、雰囲気たっぷり。
アナログゲームのデジタル版としての人狼系ゲームはたくさん出ていますが、ここでは変わり種のデジタルゲームをご紹介しますよ!
■レイトン7
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村人と吸血鬼に分かれて対戦する人狼系オンラインゲーム。ルールは、基本的な人狼系ゲームのものに沿いつつ、肝となる他プレイヤーとのやりとりは、アイコンを選択し発言する形式。また、役職の能力は成功確率が存在するなど、ランダム要素もあるようです。
レイトン教授シリーズであり、おなじみのキャラクターも登場する様子。また、アイテム課金制の基本無料ゲームということで、画像等を見る限りどうやら役職カードにレアリティが設定されているみたいです。
今年の夏から配信予定。以前詳しく紹介した記事はこちら。
■Vamwolf Cross†
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人狼系ゲームをモチーフにした異色の乙女ゲーム。現代を舞台に、人に化けた怪物「吸血狼」を狩る吸血狼ハンターの父を殺された少女が、父の仲間と共に吸血狼狩りをする中で、禁断の愛に燃えていくという物語。
人狼系ゲームでお馴染みの役職にあてはめたイケメンだらけの父の仲間のうち、誰かが吸血狼という設定になっており、人狼系ゲームらしい正体隠匿推理ゲーム的シチュエーションを上手に生み出しているのが面白い。人狼系ゲームの懐の深さも感じますね。
PS Vita向けに2015年夏発売予定。以前詳しく紹介した記事はこちら。
人狼は過去に紹介したボードゲームのプレイスペースを含め、いろんなところで遊べるものですが、最近は人狼に特化したプレイスペースも登場しています。
■人狼ルーム@Shibuya
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ボードゲームをゲームを説明&進行してくれるゲームマスターと一緒に気軽に遊べる個室完全予約制のプレイスペース『ドイツゲームスペース』の人狼専用ルーム。1人での参加から貸し切りまで対応。ルールは既存のものから、お店オリジナルのものも使用。
場所は渋谷駅から5分というアクセスしやすい立地。先日、秋葉原に人狼ルームの2号店が誕生し話題となりました。詳しいアクセス方法や料金等はこちらの公式サイトを御覧ください。
■人狼HOUSE
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こちらも渋谷駅からに5分の位置にある人狼専門のプレイスペース。先述の人狼ルームと同じく様々な人狼系ゲームを説明&司会進行役をゲームマスターと共に楽しめるお店。また、こちらもお店でのオリジナルのルールも用意しているとのこと。予約無しでも気軽に参加できるのが魅力ですね。
詳しいアクセス方法や料金等はこちらの公式サイトを御覧ください。
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日増しに知名度と人気を増していく人狼系ゲーム。果たしてこれからより普及して、トランプやオセロで遊ぶような定番ゲームとなっていくのでしょうか。アナログゲーム業界にも確実に影響を与えているので、今後の展開が気になりますね!
(C)2012 Indie Boards and Cards
(C)2012 Wargames Club Publishing Co. Ltd
(C)daVinci Editrice S.r.l.
【筆者プロフィール】
■傭兵ペンギン
フリーライターとして働く傍ら、時々アナログゲームの翻訳をしております。アナログゲームと筋肉映画が大好物。最近はホビージャパンのテーブルゲームチャンネルでTRPG『ウォーハンマーRPG』のプレイ風景を生配信する番組に出演中。アーカイブ動画もありますので、是非チェックしてみてね!
Twitter:@Sir_Motor