プレイヤーは、それぞれ文明の指導者となって自らの文明の発展を目指すというゲーム。神殿や交易所、軍隊(戦像でも船での建物という扱い)といったものを、山や森、平原、海といった地形のあるマップ上に建設して得られる勝利ポイントをより多く取得したプレイヤーがゲームに勝利します。
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・プレイ時間:60~90分
・対象年齢:14歳以上
・デザイナー:セバスチャン・ドュジャルダン
・製作:Pearl Games
・日本語版販売:ホビージャパン
・価格:8000円(税抜)
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まず、プレイヤーには5枚の建物カードと石や木というような4種類の資源(主に建物の建設に必要)とお金(直接建設に使ったり資源の代わりに使える)が配られます。
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そして、プレイヤーは各ターンに資源やお金を消費して、建物を建て建物カードの効果を発動させます。建物カードには自分が建物をおいているマップの地形に対応して直接勝利ポイントが貰えるものから、資源やお金がもらえるものなど6種類のタイプがあります。
建物は、最初の一手以降は、自分の建物がある場所に隣接してしか建てられない上に、他のプレイヤーの建物がある場所には建てられないため、自分の建物で効率良く稼げる地形を確保しておきたい……という陣取りゲームの要素があります。
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軍隊(これも建物)は他の建物とともにマップ上にある蛮族の村を囲むと、そこに一番多くの軍隊を配置したプレイヤーが勝利ポイントを獲得するので、そこには陣取りゲームっぽさが色濃く出ています。
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さらに、同タイプの建物を新たに立てると以前に使った同タイプの建物カードの効果も合わせて連鎖的に発動するので、こちらでも効率よく資源や勝利ポイントを稼げるカードのコンボを考える必要があります。
また、建物を建てない代わりに、ローマ神話の神々に祈って助力を乞うという行動も行えます。タイトルの『デウス(神)』の要素はここだけなのも、ヨーロッパ系のボードゲームっぽい感じ。
ゲーム的に言えば、手札を神に捧げて(捨てて)、新たな手札(建物カード)に加え、祈りを捧げる神に応じて資源やお金、勝利点などを得ることができるというもの。なかなか強力ではありますが、建物を建てて勝利点を得ていくのが大事なので、先述の陣取りとの兼ね合いも考えながら、ちょうどいいタイミングで祈るのが重要となります。
しかも、手札は神に捧げた(捨てた)枚数に応じて、神の助力の効果が良くなるので、いつ捨てるのか、どれを捨てるのかが本当に悩ましいところです。捨てたカードとコンボを決められそうなカードを引いちゃうととっても悔しい。
先日、一足早く日本語版で遊ばせていただきましたが、これが非常に面白かった! カードゲームとストラテジー・ゲームが好きという方は、コンボや攻略法を研究しようと何度も遊びたくなるタイトルだと思います。
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マップは複数のボードを組み合わせるというスタイルなので、毎回違ったマップで遊べるようになるので、リプレイ性もしっかりあります。
一方で、ランダム要素はカードの引き位で、一発逆転を狙えるような番狂わせなカードもなく、自分の持つカードの効果を把握しながらある程度先の手まで考えなければならないゲームなので、かっちりとしたゲームをじっくり楽しみたい人向け。
というわけで、ボードゲーム未経験者がいきなり遊ぶにはちょっとヘヴィな部類だとは思いますが、各ターンの行動が建設か手札(とおまけ)の補充の2つだけで、自分のターンがテンポよく回ってくるので、ダウンタイム(暇してる時間)をあまり感じないのもいいところ。プレイ時間も90分くらいなので、一日に何回か繰り返し遊べるタイプですね。
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『カタン』や『ドミニオン』といった定番どころでいつも遊んでいるんだけど、次に遊ぶゲームは何にしようかと悩んでいる人にオススメしたい一本です!
『デウス 日本語版』はホビージャパンより7月下旬発売予定です。
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ちなみに先日、ホビージャパンの生放送番組に出演してこの『デウス』で遊んだ時の動画がありますので、詳しい遊び方を知りたいという方はぜひ御覧ください。私の筋肉第一主義文明が勃興しています。
また、7月18日~19日に東京の渋谷でホビージャパン主催のボードゲーム・イベント『ホビージャパン・ゲームフェスティバル』が開催予定で、その会場で『デウス』のデモプレイも行われるようなので、まずは遊んでみたいという方は足を運んでみてはいかがでしょうか(詳しい情報は公式ページからどうぞ)。
■傭兵ペンギン
フリーライターとして働く傍ら、時々アナログゲームの翻訳をしております。アナログゲームと筋肉映画が大好物。最近はホビージャパンのテーブルゲームチャンネルでTRPG『ウォーハンマーRPG』のプレイ風景を生配信する番組に出演中。アーカイブ動画もありますので、是非チェックしてみてね!
Twitter:@Sir_Motor