人生にゲームをプラスするメディア

【レポート】『ヴァリアントナイツ』「ハッカドール」「シドニアの騎士」の関係者が語る“成長のノウハウ”とは

8月26日、代官山シアターサイバードにて、アマナが開催するamana tech night vol.4 「エンタメ系サービスのグロースハックを学ぶ~amana otaku night vol.1~」が開催された。

その他 アニメ
8月26日、東京・代官山シアターサイバードにて、株式会社アマナが開催するamana tech night vol.4 「エンタメ系サービスのグロースハックを学ぶ~amana otaku night vol.1~」が開催された。エンタメ系サービスにおける成長のノウハウを紹介するものだ。
登壇者はサイバードでファンタジーRPG「ヴァリアントナイツ」をプロデュースする河崎伸明氏、ディー・エヌ・エー「ハッカドール」プロデューサーの岩朝暁彦氏、そしてポリゴン・ピクチュアズ代表取締役社長の 塩田周三氏である。ポリゴン・ピクチャアズは、アニメ関係者にとっては『シドニアの騎士』の制作、現在はアニメ『亜人』3部作を手がけていると言ったほうが馴染み深いかもしれない。

イベント前半は3人がそれぞれ現在手がけるプロジェクトにどう関わり、どのようなコンセプト、戦略で取り組んでいるかを説明するものだった。通常は外には出さない資料も豊富に交えながらのトークは、参加者にとってかなり貴重な知識になったのではないだろうか。
後半は、アマナの新居祐介氏をMCに3人のクロストークとなった。それぞれが互いに質問をぶつけ合うかたちだ。ここでは「キャラクターづくりの極意」「アイディアのインプットの方法」「効果的なプロモーション」「嫌なことは何」といったランダムな質問、その答えがそれぞれの個性を反映して興味深いものになっていた。

今回イベントでテーマに掲げたのは、“グロースハック”=“ITやウェブと結びついたサービスや製品の成長”である。しかし、塩田氏がこれまで“グロースハック”の言葉を聞いたことがなかったと話し、河崎氏、岩朝氏も、これが“グロースハック”なのか分かりませんがとコメントしながらのトークとなった。
一方で、今回語られたコンセプトや戦略はビジネスの成長戦略であった。さらに分野は違えども、いずれもITやウェブと密接に関わっている。終わってみれば、今回のトークこそがやや定義が曖昧な“グロースハック”だと思わせるのに十分だ。

トークで印象的だったのは、3人の取り組むジャンルがゲームアプリ、ニュースキュレーションアプリ、アニメの企画・制作と異なるにも関わらず、ジャンルを超えた共通点も垣間見えたことだ。
それは華やかなエンタテイメントの外見とは裏腹に、いずれも確かな論理的な戦略が採られていることだ。クリエイティブ分野では天才的なアイディアや感性、パーソナリティに牽引されていると思われがちだ。しかし、リスクが高いエンタメ分野だからこそ、綿密な戦略が練られている。

これらは3人のキャリアも影響しているかもしれない。河崎氏はかつてSEとしてデータベースの基幹システムの構築、岩朝氏はコンサルティングファームでお堅いメーカーや団体を担当していたという。塩田氏のキャリアのスタートは新日鉄である。
塩田氏は「アニメも既存ビジネスと同じ」と説明する。特殊とされるアニメビジネスも、根本で考えるべきことは同じだという。岩朝氏も同様だ。アニメ・マンガ・ゲーム関連ニュースのキュレーションアプリ、そのキャラクター化、さらにアニメ化と意表をつくマーケティングを繰り出すが、「ハッカドール」の仕組みはかなりハイテクであると話す。むしろハイテクであるからこそ、遊びの要素を盛り込むことでユーザーにより分かりやすくアプローチしているかのようだ。

トークは全体にビジネスが中心となったが、最後はやや緩めの質問で締めくくられた。好きなアニメとの質問に、河崎氏が『七つの大罪』、岩朝氏は『魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語」』、塩田氏は『シドニアの騎士』を挙げた。
河崎氏は『七つの大罪』でエリザベス役の声優を担当する雨宮天さんが自身のプロデュースする『ヴァリアントナイツ』の主題歌を歌っているからと説明する。岩朝氏は『新編]叛逆の物語』の同人っぽさ、その大ヒットに着目する。塩田氏の『シドニアの騎士』は説明するまでもないだろう。
[数土直志]

[アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.bizより転載記事]

アニメ、ゲーム、キュレーションアプリまで 人気コンテンツを仕掛ける3人が語った成長の極意

《アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.biz》
【注目の記事】[PR]
コメント欄を非表示
※一度コメントを投稿した後は約120秒間投稿することができません
※コメントを投稿する際は「利用規約」を必ずご確認ください

    編集部おすすめの記事

    その他 アクセスランキング

    1. 「ガンダム ジークアクス」キャラデザ・竹さんによる「シイコ」の特別イラストが切ない…「仏花か」「指輪の存在が悲しみを増幅させる」

      「ガンダム ジークアクス」キャラデザ・竹さんによる「シイコ」の特別イラストが切ない…「仏花か」「指輪の存在が悲しみを増幅させる」

    2. 「ガンダム ジークアクス」アニメーター陣による「シイコ」の特別イラストに阿鼻叫喚…「人の心!」「あの後にコレはきつい」

      「ガンダム ジークアクス」アニメーター陣による「シイコ」の特別イラストに阿鼻叫喚…「人の心!」「あの後にコレはきつい」

    3. “黒い三連星”が駆る「リック・ドム」は大推力スラスターを搭載!「ガンダム ジークアクス」第5話で活躍したメカ・キャラたちを一挙紹介

      “黒い三連星”が駆る「リック・ドム」は大推力スラスターを搭載!「ガンダム ジークアクス」第5話で活躍したメカ・キャラたちを一挙紹介

    4. 「ガンダム ジークアクス」のクランバトル、「競技だから命までは取らない」は間違い!?「頭部破壊で勝ち」の安全ルールも疑問視

    5. ジム…ではなくゲルググ!?「ガンダム ジークアクス」第4話で活躍したメカ・キャラたちを一挙紹介

    6. 【特集】広大なフィールドを駆け回ろう!今注目のオープンワールド5選―爽快アクションから発売間近の超ビッグタイトルまで

    7. 「あれ?いつもとなんかちがう??」マクドナルドが映画「マイクラ」コラボを示唆?ハッピーセットのロゴが“四角く”表現

    8. 「ガンダム」大阪・関西万博の新機体「ジオング タイプMA」がお披露目!重厚感アップ、背後には4本の腕を背負う

    9. 『モンハン メゼポルタ開拓記』ハンター図鑑Vol1…50キャラのイラストと設定を一挙公開

    アクセスランキングをもっと見る