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――チャット周りが不便に感じた。
キム・セヨン:チャットの機能やエモーションについては、ご意見を参考に検討します。
――パーティープレイとソロプレイの比重について。
キム・セヨン:開発でソロプレイをしていて、終盤にさしかかったところでプレイが大変だなと思い、結局パーティープレイ中心の調整にしました。個人的にはパーティープレイを楽しんでいただければ……と考えていたのですが、ソロプレイをしたいという意見もあって調整しています。
――グラフィックとBGMが良かった。周りでも映像と音楽に興味を持っている人が多いんです。
キム・セヨン:グラフィックとサウンドに満足していただけたようで、大変嬉しく思います。特にサウンドに関しては、1992年に集めたメンバーが『ToS』をきっかけにして再集結しましたから、満足していただけたようで本当に嬉しい。
――パーティープレイ時のクエスト管理がプレイヤーそれぞれ別々で分かりづらい。デバフなども分かりやすくして欲しい。
キム・セヨン:ミニマップに自分のパーティーメンバーが表示されない事や、各種UIについても調整します。
――同時接続について、人が増えていくとどうするのか?
キム・セヨン:ユーザー数が増えるにつれてチャンネルの割り当てがどうなるかというご質問ですが、接続人数が増えれば(チャンネル数は)自動的に増えるようになっています。
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――PvP(対人戦闘)は実装されますか?
キム・セヨン:5対5のPvPを考えています。PvE以外で味わえる戦略なども楽しめるのでご期待ください。
(ここで、「対人戦に興味のある方は挙手を」という運営からの質問に対して、会場のかなりの人数が挙手。対戦に興味のある人が多くいるようです。)
――ギルドシステムは実装しますか? また、狩りをするのも一つの目的ですが、みんなで倒す大型レイドボスなども実装しますか?
運営:フィールドボスは現状ですでに用意してあります。
キム・セヨン:ギルドについては、テンプラーというクラスだけが設立できます。共同生産、自分だけの拠点、色々なプレイができる拠点になります。ゲーム内でランダムに登場するボスもいますが、ギルドのために現れるボスも存在しています。
――利用度ランキングなどはありますか?
キム・セヨン:「冒険日誌」がありまして、全体ユーザーのランクはあります。たとえばクエストをどれくらいやったのか、アイテムをどれくらい獲得したのかでランクを出します。相手が上位ランカーになると長期集計で追い抜くのは難しいので、週間ランクも入れようと思います。
――ランク上位になると何か報酬はありますか?
キム・セヨン:PvPに関しては、名前の前に何か表示を付けるか、または現状さまざまな特典と交換可能なクーポンなどを配布しようと考えています。
――エンドコンテンツのあり方についてお尋ねします。やれる事を終えた後は何かありますか?
キム・セヨン:カンストユーザーの目標や競い合いの要素として、レイドボスなどを用意することを考えています。
――自分のキャラの見た目をカスタマイズできたら嬉しい、ステータスはそのままで外見は変えられますか?
キム・セヨン:2Dグラフィックを使っているのでアバターは簡単に増やせません。現状ではキャラを生成する時に、髪型、職業、性別くらいしか選択できませんが、転職した後でクラスごとにコスチュームを変えられるシステムになっています。
開発の方向性として、コスチュームの数に力を入れるよりは、「キャラが成長していくうちにカスタマイズのバリエーションが増える点を楽しんで欲しい」という想いがあり、たとえば特定のクエストを介してヘアスタイルを変えたり、プレイ中に獲得した武器などを変えたりできます。プレイをしているうちにどんどん外見が変わり、最後までプレイしたらカスタマイズが完了している…という感覚が味わえるかも知れません。
――なれる人数に制限がある隠しクラスは、コアユーザーが有利になりませんか?
キム・セヨン:隠しクラスについては間違った情報です。人数制限ではなくて、条件が厳しくなっています。転職するために必要なNPCに出会う、探すのが難しい。一箇所に留まっているわけではなく、移動しているためです。やり方さえ分かれば転職はできますが、条件が難しいだけであって人数制限ではありません。
――私はイラストレーターでMAGGIさんのファンです。どうやって抜擢したのですか?
キム・セヨン:MAGGIは私の大切な仲間です。『グラナド・エスパダ』で一緒に仕事をしたのですが、今回再び大きな仕事をする事になりました。彼女はキャラクターなどのイラストだけではなくて、背景などもすべて担当しています。一緒に仕事するのは楽しい、また一緒に仕事をしたいと、お互いによく言っています。
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――クローズドβテストの日程はどれほどを考えていますか?
運営:5日間です。大人数で接続した時の安定性を第一に考えています。
――カードアイテムがありますが、カードバトル的な要素はありますか? アイテムの生産に特化した職業はありますか? ボスの弱点を増やすなど、アクション性を高める事は考えていますか?
キム・セヨン:カードの用途としては、NPCを介してコレクションブックを作る事もできるし、特定のクラスに関しては、自分のスキルを使用するのにボスのカードが必要になります。たとえばソーサラーは、悪魔型のカードを使って召喚可能です。カードを集めて一つにすれば、★が増えてスキルの能力も強くなります。また、余ったものについては、街でユーザー同士のカードバトルもできます。ルールは簡単で、モンスターの足の本数と名前の文字数の多さが強さになる。蜘蛛などが有利になりますね(笑)。コレクションシステムに関しては、カード以外にもユニークなアイテムがありますので、そちらも楽しんでください。
ボスに関しては、それぞれの属性があります。先ほどの体験会で残念だったのは、魔法職がサラマンダーに対して火炎を使っていた事。何故かと言うと、火炎属性のモンスターに火炎で攻撃すると、HPが回復してしまうからです。生産職に関しては、アルケミストが生産中心のクラスとなっています。それ以外にも、装備の修理や矢を製造するクラスなども用意しています。
――ソロでやっている人はPvPに参加できないが、そういった場合に参加できるようなシステムはありますか?
キム・セヨン:ソロプレイヤーもフォローします。現状は自由に参加できるシステムに変えました。その反面、前は味方だった人が次は敵になる場合も出てきたので、そこが悩みどころです。
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――生産職は高レベルフィールドへ狩りに行く時に戦闘職へ変える必要があると思うのですが、一つのアカウントで何キャラ作成できますか?
キム・セヨン:調整中ではありますが、転職する課程で戦闘に参加するから、まったく戦えないわけではありません。生産職を5、6ランクに設置したのもそういう理由です。ただ、同クラスの戦闘型クラスよりは戦闘効率は低下します。
運営:現状、一つのアカウントにキャラは最低でも4人以上作成可能です。
――ユーザー発信のイベントをやりたくなると思うんです。かくれんぼや鬼ごっこみたいな。そんな時にモンスターが出てこない場所などは想定していますか?
キム・セヨン:女神像やNPCが居るところにいれば、モンスターが襲って来ません。最初は、自分がログアウトしていても自分のキャラは動いているという設計をしていましたが、今は簡単なスクリプトを入れて自分がNPCになるという機能を入れました。そういう機能を利用すれば、ユーザー主催のイベントもできると思います。アイテムを販売するキャラだけは、初期状態でもNPC化するように変更しました。ユーザーイベントが実施されることは大変喜ばしいことですので、機能に関してはもう少し検討したいと思います。
――課金形態についてはどうなりますか?
運営:課金方式についてはまだ何も決まっていなくて、まず面白いゲームにしようというのが大前提です。運営サイド自らが「お金を出してでもこういうものが欲しい」と思えるような内容に仕上がったら、そこではじめて課金内容を検討します。
――MMOは初動でできるだけ多くのユーザーに触ってもらって、固定ファンを獲得することが大切だと思っています。それに関してどうお考えですか?
運営:個人の考えも入りますが、このゲームに関しては、他の弊社でサービス中のゲームと毛色が違います。『ToS』は完成品のローカライズではなく、もともとゲームとして明確な終わりがなく、開発に合わせて遊びの幅が拡張されていく形になっているのです。最初に多くの人を集めるより、クローズドβやオープンβでじっくり成長させていきたい。その結果、ゲームとして長く続けられるという実感が生まれたら皆さんに提供させていただきます。
――色々な思いがあり、運営がNEXONさんという部分でユーザーとして心配しています。ですから「大丈夫だよ!」と開発側から積極的にアピールして欲しいんです。
運営:昔はPCの性能や環境、技術的な関係でできない事もありました。これまでの経験を踏まえ、現在はサービス会社としてより良い環境に改善してくることができたという実感があります。また、ネットでの生放送的なものやイベントなどを通じて、様々な意見を募りたいとも思っています。
――ずばり、サントラは出ますか!?
運営:ぼくも欲しいです!
キム・セヨン:サウンドには非常に力を入れました。毎年年末に授賞式がありますが、グラフィックなどの賞を逃した事よりも、サウンド関係の賞を逃したのが悔しかったですね。『グラナド・エスパダ』の時は、ライバル社がハリウッドからスタッフを呼んでいたので、そのせいで逃したのかも知れません。『ToS』ではその時の悔しさを込めました。ゲームで流れるものは音質がゲーム用に調整されていますので、いずれ何らかの方法で高いクオリティのものを提供したいと思います。
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いかがでしたでしょうか? 懐古主義だと言われるかも知れませんが、この手の懐かしい、暖かみを感じるグラフィックには、やはり惹かれるものがあります。また、同様に感じられる方も多いのではないでしょうか?
チャット周りを含めてまだまだ改良・進化していく事が予想される本作ですし、開発陣も運営陣も気合が入っていました。ひとまずはCBTに応募して、来年からのサービス開始を待ちましょう。