このイベントには、開場1時間前から長いファンの列ができるほど盛況で、北米でのサンライズ作品の人気の高さをうかがわせた。壇上には、サンライズの萩野あかね氏とバンダイナムコピクチャーズ常務取締役の尾崎雅之氏が登壇。
まず、サンライズとバンダイナムコピクチャーズという会社について大まかに解説した。現在、アメリカのHuluやcrunchyrollといた動画配信サービスで、日本語音声英語字幕のみで展開している『ラブライブ』だが、英語吹き替え版が製作されることが明らかになった。これには会場のファンからから大きな歓声がった。また、「μ's」の楽曲はアメリカのiTunesでも購入できるようになっていることも説明された。
『バディ・コンプレックス』と、日本以外では世界初のとなる『巨神ゴーグ』のパッケージ化をアナウンス。2016年にNHKで放送予定の『クラシカロイド』も紹介され、日本に先駆け「ショパン」のキャラクターデザインが初お披露目された。
続いて、今年11月に『∀ガンダム』『機動戦士ガンダム』のTVシリーズ&劇場版のBlu-ray/DVDが北米で初めてリリースされるのに加え、2016年には『機動戦士Zガンダム』『機動戦士ガンダムZZ』『機動新世紀ガンダムX』『ガンダムビルドファイターズ』『ガンダムビルドファイターズトライ』も北米リリースされることが発表された。
『ガンダム Gのレコンギスタ』『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』はアメリカのHuluで10月から配信が始まっている。『鉄血のオルフェンズ』は日本での放送とほぼ同じタイミングで最新エピソードが配信されており、他の動画サービスでも提供されていくのだそうだ。尾崎氏が会場に『鉄血のオルフェンズ』を見た人はいるか、と問いかけるとかなり多くの来場者が手をあげていた。現在、英語字幕で配信されているが、英語吹き替えバージョンもすでに準備していることも明らかにした。
世界同時配信を行う予定の『機動戦士ガンダム THE ORIGIN II 哀しみのアルテイシア』は、ロサンゼルスで劇場公開も行うのだそうだ。
ガンダム関連の告知が終わると、尾崎氏は「とてもスペシャルなアナウンスがある」と口にした。続けて上映した映像では、『ダ・ヴィンチ・コード』や『アポロ13』、『ビューティフル・マインド』を手掛けた映画監督ロン・ハワード氏が出演し、『TIGER & BUNNY』の実写映画を手掛けることを明らかにした。会場では、アカデミー賞監督による映画化に大きな歓声が巻き起こった。
映像では、ロン・ハワード氏率いるImagin Entertainmentのメンバーらのほかに、『TIGER & BUNNY』TVシリーズの監督を務めたさとうけいいち氏、劇場版監督の米たにヨシトモ氏、シリーズ構成の西田征史氏、キャラクター原案・ヒーローデザインを手がけた桂正和氏によるハリウッド映画化へのコメントが寄せられていた。
尾崎氏は、『TIGER & BUNNY』の舞台となっている都市シュテルンビルトはマンハッタンをモデルとしているため、ハリウッド映画化を故郷のようなニューヨークで発表できたことはとても光栄であると述べた。
そして、壇上にはハリウッド版『TIGER & BUNNY』の製作に関わるANEWのSandy Climan氏とAnnmaria Bailey氏、Imagine EntertainmentのAlexandre Dauman氏が登場。
Climan氏とBailey氏は、ANEWのLAチームと東京チームで今回の発表に至れるよう準備を進めてきたことや、プロジェクトに関われたことへの喜びを語った。
「夢が叶った」というDauman氏は、3年前に今作に関わり始めたときは5年は実写化はあり得ないと考えていたそうだ。しかし、壇上のメンバーと出会えたことで、ファンのための素晴らしい作品が作れると確信し考えを改めたと述べた。
3年前に今作に一目ぼれしたというBailey氏は、洗練されたキャラクターデザインから興味を持ち、そこからシリーズを追っていく中で虎徹に恋をしていったのだという。ハートがありユーモラスなキャラクターに魅了されたほか、ストーリーも普遍的なテーマが盛り込まれていることが実写に向いていると感じた部分であったとのことだ。
Imagine Entertainmentがどういうポイントに絞って実写化をしようとしているのか、という質問に対しDauman氏は、ビジュアル的にも多くのポテンシャルを感じているが、虎徹とバーナビーの感情的でユーモラスな人間関係が一番の重要なポイントであると語った。
名匠ロン・ハワード氏が今作にどのように関わってくるのかについては、Imagineの共同設立者であるブライアン・グレイザー氏と共にプロデューサーとして関わるのだと説明。現在は、Imagine社員総出で最高の脚本家を探している段階だとしている。
アカデミー賞を何度も受賞しているチームで製作されるが、『TIGER & BUNNY』は原作アニメのチームやファンがいなければ成立しなかったものであると述べ、今回の実写化はファンを含めた全員がパートナーだと考えているとDauman氏は語った。
最後に、これまでアニメやコミックを実写化した作品は必ずしもファンの望む形になっていなかったケースがあるため、今回の実写映画化を聞いて不安に感じている人は多いと思う、と尾崎氏。今回のハリウッド実写化に関しては「我々を信じてください」と力強くアピールし、興奮に包まれたままの今パネルは幕を閉じた。
[Daisuke Sato]
ハリウッド版「TIGER & BUNNY」やサンライズ作品の北米展開が明らかに NYコミコンパネルレポート
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