「ふんわり妄想マンガシアター」は浅野いにお氏や桜沢エリカ氏、西島大介氏など、数多くの代表作を持つ作家陣が手がけた描き下ろし漫画を掲載しているサイトで、その特徴は“デジタルだからこそ実現できる変化が盛り込まれている”という点です。
浅野氏の作品「ふんわり男」では、会社帰りの女性に、彼女の後輩が声をかけるところから物語が転がり出します。変化し始めた2人の関係を、浅野氏ならではの間合いや空気感で描いており、見る者の目を惹きつけます。
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そしてアクセスし直してみると、今度は「ふんわり男(に、ふんわり女は、何を思う)」とタイトルが変化。漫画の内容も、女性側の心の声が付け加えられています。そのため、30歳が近づいていること、一人でいる覚悟が出来ていることなど、彼女の内面がより深く明確化されています。
後半に展開されるやりとりも、彼女の心の声が加わることで表情の意味などが伝わり、「そうだったのか」と気付くポイントも多々。そんな彼女の片鱗を拾い集めながら辿り着くオチは、一度目と同じコマなのに、更に情緒豊かに感じます。
しかも、これで終わりではありません。3度目のアクセスでは、「ふんわり男(は、何を思う)」と、後輩側の心の声が登場。その意外な視点は、男女の心のすれちがいを描いているとも言えますし、違っているからこそ寄り添っていけるのかもしれません。
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他の作家陣が手がける漫画も、音楽が添えられていたり、シェアすることで続きが読めたりと、様々な趣向が凝らされています。気になる方は、「ふんわり妄想マンガシアター」を直接チェックしてみてはいかがでしょうか。ただし、「ふんわり鏡月」シリーズを告知する展開のひとつなので、その点にはご注意ください。