TAAF 2016の開催3日目の3月20日にはテレビ部門ノミネート作品『SHIROBAKO』の上映がTOHOシネマズ 日本橋にて行われた。トークショーには主人公・宮森あおい役の木村珠莉、P.A.WORKS 代表取締役社長の堀川憲司、ワーナー エンターテイメント ジャパンの川瀬浩平、インフィニット 代表取締役の永谷敬之が登壇。放送終了から1年が経過した今だからこそ話せる制作秘話を披露した。
『SHIROBAKO』は14年10月から15年3月まで放送されたテレビアニメシリーズだ。武蔵野アニメーションに所属する新人制作進行・宮森あおいを主人公に、アニメ業界の日常を描いた群像劇として人気を博した。今回は劇場の大スクリーンで鑑賞できる機会とあって、会場は200名を超えるファンで満席になった。
TAAFでは全24話の中から、第12話「えくそだす・クリスマス」、第19話「釣れますか?」、第24話「遠すぎた納品」が上映された。納品にまつわる騒動や、セルアニメ時代の制作現場を描いた郷愁あふれる一幕など、多彩なエピソードを楽しめた。
その上映の余韻も冷めやらぬ中、ゲストの4人が姿を見せると、客席から割れんばかりの拍手が送られた。主演の木村は自宅から持ってきたミムジー&ロロのぬいぐるみを抱えて登場。「作品を観て頂いてありがとうございます」とその拍手に応えた。
まずはオンエア後にそれぞれの環境がどう変化したかについて、木村は「Twitterのフォロワー数がすごく増えました」と笑顔を見せた。今では3万人近くのフォロワーがいるが、『SHIROBAKO』のキャスティングが決まったときはたった9人だったそうだ。
それを受けて川瀬からは、水島努監督が「この9人のフォロワーをオンエアが終わるときには1万人にしたい」と野望を抱いていた裏話が飛び出した。堀川も各話の放送後に木村のフォロワー数がどれだけ増えたのか、スタッフ全員で見守っていたと明かした。
永谷は「『SHIROBAKO』は作品と一緒に皆も育っていこうという雰囲気が必要だったんですよ。木村さんをフォローしてくれた人が楽しめるようなアニメにしたい。そう思うことが僕らのモチベーションにも繋がっていました」とその意図を語る。木村は「まさかそんなことが!」と驚きつつ、3人に感謝の言葉を寄せた。
続編を制作するならどんなエピソードが見たいかという話題では、堀川が「ネタはいくらでもある」と豪語する。その中でも「地元に帰省したあおいが、子供たちに向けてアニメ教室を開くエピソードが描きたい」と構想を述べた。
さらに続編の可能性について、永谷は「『SHIROBAKO』は見てくれた人に色々なことを感じ取って欲しかった。そのテーマが決まれば、またチャンスがあるのかも知れない」、川瀬も「時代を切り取って残したかったという思いから作った作品だが、そういう意味ではまだ切り取れていない部分もあります」と含みを持たせた。
最後に木村が「1年経ってもこれだけ多くのファンがいてくれるということは、5年、10年ずっと見てもらえる作品になったんだと思います。これからも『SHIROBAKO』をどうぞよろしくお願いします」と涙を浮かべながらメッセージを伝えた。イベントは会場全員の「どんどん、ドーナツ、ドーンといこーう!」の掛け声で締められ、特別な一体感に包まれながら幕を降ろした。
[高橋克則]
東京アニメアワードフェスティバル2016
会期: 2016年3月18日(金)~21日(月・祝)
会場: TOHOシネマズ 日本橋
アニメ オブ ザ イヤー受賞「SHIROBAKO」木村珠莉、堀川憲司、川瀬浩平、永谷敬之がトーク 気になる続編の可能性も【TAAF2016】
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