『アトム・ザ・ビギニング』は、手塚治虫の名作マンガ『鉄腕アトム』を原作に、アトムが誕生する以前のエピソードを活き活きと描く。若き日の天馬博士とお茶の水博士の登場はアトムファンにはうれしいだろう。
作品を掲載する月刊「ヒーローズ」は、ヒーローをコンセプトにした月刊マンガ誌として人気を集めている。『ULTRAMAN』や『仮面ライダークウガ』『天元突破グレンラガン』など、人気作品をもとにした新たなコミカライズは定評がある。
『アトム・ザ・ビギニング』もそのひとつで、2015年2月号に連載をスタートした。原案・手塚治虫、監修・手塚眞、協力・手塚プロダクションと手塚サイドの全面的なバックアップを受ける。一方で、コンセプトワークスに『機動警察パトレイバー』などのゆうきまさみ、漫画には『RIDEBACK』などのカサハラテツローを起用した。これまでとは異なった感性を作品に持ち込む。
『鉄腕アトム』からは、これまでに浦沢直樹が描いた『PLUTO』といった作品もある。新しい感性を加えることで、より長く愛されるキャラクターとしていく戦略のひとつとも言えそうだ。
物語は『鉄腕アトム』のアトムの誕生前史となっている。主人公となるのは、アトムを製作する天馬博士と、ファンにはお馴染みのお茶の水博士である。二人がまだ大学でロボット開発を研究する若き研究者だった頃の物語で、スピンオフならではのストーリーが展開される。アニメ化についての詳細は明かされておらず、今後公開されるようだ。
『アトム・ザ・ビギニング』で描かれているのは、近未来の日本。原因不明の災害に見舞われた日本は技術革新によって誕生したロボットによる復興が進んでいる。
一方、とある大学にはロボット製作に情熱をかける若き日の天馬博士とお茶の水博士がいた。6月3日に発売される単行本はまだ第3巻と、物語はまだ決して長くはない。それだけに今後の展開が気になるところ。そして本作がどのようなかたちで映像化され、それがどのようなストーリーとなるのか。見逃せない作品になりそうだ。
「アトム・ザ・ビギニング」アニメ化決定 鉄腕アトム誕生前史が映像に
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