本作のようにアメコミ映画化作品は通常、アクションが目玉となることが多いが、本編でデッドプール自らが観客に語りかけるように「ラブストーリー」としての側面が支持を集めているようだ。今回、デートにもオススメとTVスポットか公開された。
『デッドプール』の主人公は元傭兵のミュータント。しかも、不治の病を克服するために“ヒーリングファクター”(再生能力)という特別な能力を身につけ、撃たれても回復する不死身の肉体を手に入れるが、その代償として顔はおろか、全身がボロボロになるというハードな境遇に置かれる。
しかも、このデッドプールの自身もかなりの曲者だ。第四の壁を破って、映画の主人公がスクリーンの方を向いて観客に語りかけてくる。このトークの中身は、思いっきり下品で、その饒舌はマシンガンのように繰り出される。おおよそ女性から支持されなそうなキャラクターだ。
しかし、実はこんなデッドプールだが、女性に対しては一途で愛が深い一面もある。最愛の彼女であるヴァネッサと結婚を誓った矢先、末期ガンの宣告を受けて、危険なミュータント実験を受けたのだ。彼がコスチュームを身にまとい、戦っている理由も宿敵を追い、自分の顔を治して彼女と再会するためなのだ。
このような物語展開は実はラブストーリー『ロミオとジュリエット』『オセロ』など、狂おしい悲恋を描いたシェイクスピアの作品や、何度も映画化された『美女と野獣』や『オペラ座の怪人』などの古典的な名作同様、素顔を見せられない怪物のような存在が、か弱くも美しい女性に一途な愛を捧げる古典的な恋愛映画と同じ文脈で制作されているのだ。
ともすれば早口、饒舌、毒舌と身勝手なデッドプールだが、実はシャイで愛に一途。こんなヒーローを時代は求めているのかもしれない。映画館に行く際にはぜひハンカチをお忘れなく。
(C) 2016 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.
「デッドプール」は実はラブストーリー? 大ヒットの影には女性あり
《尾花浩介》編集部おすすめの記事
その他 アクセスランキング
-
「ちいかわ」かまぼこチップは、食べるのがもったいないほど可愛い!キラキラシール入り「ちいかわまぜごはんの素」が期間限定発売
-
『FE 風花雪月』最推しコンビorカップリング投票結果発表─第3位の“ヒルマリ”を制した第2位、第1位は…!
-
トヨタが本気で「ミライドン」を作ったら…ポケモン監修による「トヨタミライドンプロジェクト」始動
-
「FFXIV 光のお父さん」原作者・マイディーさんの父親こと「インディ」さんが死去
-
『モンハン』以外の“狩りゲー”も面白い!『ワイルズ』発売前だけど現行機で遊べるハンティングアクションシリーズをまとめてみた
-
これがアメリカのガンダムベース!ガンプラ無料配布や巨大立像の展示など、家族で楽しめる“体験”を重視した内容に【フォトレポ】
-
Netflixアニメ「ポケモンコンシェルジュ」新エピソードが9月に配信決定!人形のポケモンたちが南の島で生活【Pokémon Presents】
-
『ポケカ』新弾「Pokémon GO」に驚きの仕掛け―表面のシールを剥がせば…「メタモン」だー!
-
にじさんじ・葉山舞鈴の『ELDEN RING』実況がストイックすぎる…マレニアも“短剣パリィ”で突破
-
『ポケモン』マリルの体臭を巡るネタが回収される!?衝撃グッズの販売にファンも驚き