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DMM GAMESによって、6月23日より遂に日本語版の正式サービスが開始した、ベセスダ・ソフトワークスのファンタジーMMORPG『エルダー・スクロールズ・オンライン』。Game*Sparkとインサイド編集部は、本作のローカライズでプロデューサーを務める松本卓也氏、Bethesda SoftworksのエグゼクティブプロデューサーColin Mack氏、そしてZenimax Online StudiosのエンジニアScott Malone氏の3名にミニインタビューを実施、あらためて本作の魅力や発売にかける想いを語ってもらいました。
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――日本にも『The Elder Scrolls IV: Oblivion』や『The Elder Scrolls V: Skyrim』を遊んできたファンはたくさんいますが、これまでソロプレイの『TES』シリーズに親しんできたゲーマーも自然に『エルダー・スクロールズ・オンライン』を楽しめるのでしょうか。
松本卓也氏(以下、松本): 『スカイリム』などのコンソール版とはスキルスロットなどの扱い方が変わってきますが、それでも過去作を意識したゲームコントローラのコンフィグになっているように感じられますね。まったく同じという訳ではありませんが、ぜひコントローラーを使って遊んでみていただきたいなと。世界観やビジュアルについても若干カジュアルになってきていますし、キャラの見た目なんかも全体的に親しみ易くなって、ハードコアな印象が和らいでいます。もちろんプレイ感についても安心してもらっていいと思います。
――今作は『TES』シリーズ初のMMORPGであり、これまでのファンの中には躊躇する人もいるかもしれませんが、ソロプレイで黙々と遊び続けることはできるのでしょうか。
Colin Mack氏(以下、Colin): MMORPGなのでいろいろな遊び方がありますよね。みんなと一緒に楽しんだり、一人でちょっと悪役っぽくなってみたり。
松本: ソロ要素は残ってるとは言え、例えば10レベルになれば同盟戦のお誘いがゲーム内から届きます。その他にはグループダンジョンだとか、トライアルだとか。それも別に強制ではなく、ソロでも遊び続けたいと思えばできますね。そういった強制力は非常に弱い設計になっていて、『ESO』ならではの「ユーザーの選択」が尊重されているな、という印象です。MMORPG的なPvP/PvE要素をプレイヤーに「提案」することはありますが、それを押し付けることはありません。
――トレードシステムやクラフティングのようなシステムについても教えてください。
松本: 正直自分は他人に作ってもらってばっかりで(笑)。あまり追求してなかったんですけれど、最初からクラフトを極めたい方はそうしてみると良いと思います。自分なんかは「どんどん戦っちゃおうぜ!シロディール行こうぜ!」なんて言って。Colinはどう?
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Bethesda SoftworksのエグゼクティブプロデューサーColin Mack氏
Colin: 僕は基本的にいろいろ試してみたいほう。レベル上げで言えば効率は良くないかもしれないけど、使ったことのないものを作ったり、人と戦って「楽しい!」とか「失敗したな…」とか、いろいろなことを感じて遊んでた。とにかく様々な遊び方に挑戦してたよ。
――今回初めて日本版を遊ぶプレイヤーは、ギルドシステムを利用したほうがいいのでしょうか。
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日本語ローカライズのプロデューサーを務める松本卓也氏
松本: 実のところ、私は英語版でプレイしてるときギルドには入ってなかったんですよ。日本人の方も積極的にギルドを建てられてたと思うんですけど、『ESO』はどうもソロで遊ぶケースのほうが多かったですね。SNSなどを見てるとコミュニティーも出来上がってるみたいですし、新しく始まるMMORPGでギルド要素を楽しむのは良い機会だと思いますよ。個人的にも“TESシリーズは一人で遊ぶもの!”と思ってる部分がありましたが、今回の日本語版はぜひ良いきっかけとしていだたきたいです。
Colin: プレイヤーの性格によりますね。すぐギルドに入って勉強になるなーとかいろいろ手伝ってもらったりとか。
松本: システム的にもギルドやコミュニティーに入るメリットはありますが、ゲーム内のヘルプやチュートリアルを越えた遊び方を見つけていく部分が非常に大きいですね。
――海外でのローンチから2年が経過していますが、エンドゲームコンテンツとしてはどのようなものが用意されているのでしょうか。
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松本: 私から言うのも憚られる部分ですけど、「最大レベルになったら何々をする」みたいなものは特に確定していないんです。例の一つで言えば、皇帝になってみるのも面白いと思います。次のアップデートで予定している新要素の“Barber Shop”ではキャラの容姿を変えられるようになるんですよね。これは開発側が「ひとつのキャラをずっと使わせたい」ということだと思うんですよ。当初は「ひとつの同盟をある程度楽しみ尽くしたら、ニューゲームで別の楽しみ方を見つけていく」というタイプのゲームだったんですけどね。とりあえず日本版展開に当っては、まずは初心者ユーザーをより大事にしていきたいなと考えてます。
――日本版では「闇の一党(Dark Brotherhood)」までの拡張コンテンツが収録されているとのことですが、その内容や魅力について教えてください。
松本: スキルはとても面白いですね。暗殺系のアサシン系スキルは見た目も魅力的ですし。日本版を遊ぶユーザーにとってはすべてのコンテンツが新しいものだと思いますし、いきなり第4弾までドンと出されてもすごく先の話をされてるように感じるかもしれませんけど。でも、低レベルキャラが「闇の一党」に入ってスキルを覚えたりするのも悪くない遊び方ですよ。初心者に難しい、ということもありませんから。『オブリビオン』など過去作を遊んできた人にとっては知った名前もあるでしょうし、入りやすいきっかけになると思いますね。
――今回の『ESO』には膨大な作業量を注ぎ込んできたと思いますが、開発やローカライズに当って特に強くこだわった点は?
Colin: ローカライズに関して言えば、とにかくボリュームが凄かった。作業ペースもかなり早かったです。でも東京と米国東海岸の時差は思った以上だった。ミーティングするときだってまったく営業時間が被らないんだから。ローンチ直前にはみんな集まらないといけないし、結構大変でしたよ。
松本: あと、やはり日本語は大変ですよね。漢字もあるし、吹き替えもそう。あんな量これまでにやったことないよ、というくらいのボリュームでした。
――日本語の吹き替え音声は、コリンさんやスコットさんはどういう印象を受けましたか?
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ZeniMax Online StudiosエンジニアScott Malone氏(左)
Colin: まずは「よく出来てる!」という感じでしたね。人数が多くて作業時間が短いときは、「とりあえず出来た…」なんてローカライズになってしまうこともあるのですが、『ESO』はよく仕上がってます。
松本: 他の印象はないの?「アニメっぽく聞こえる!」とかはなかった?
Colin: いやいや、全然アニメ声じゃあないよ(笑)。
松本: 配役を担当させていただいた私は日本人だし、『TES』シリーズや海外ゲーム、海外ドラマも好きだから、洋画などの吹き替えを意識してました。「日本の吹き替え声優」と「海外のボイスアクター」ってポジションとしても若干違うところがあるので、そういう意味では日本っぽくなってるのかな、とは思います。
Colin: 確かにゲームローカライズって言うより、テレビ番組の吹き替えみたいだった。
松本: コリンにそう言ってもらえるのは嬉しい(笑)。それなら狙い通りだ。スコットはどう思いました?
Scott: 言葉の意味が分からなくてもアクが強かったりテンションが高かったり、そういう感情は伝わってきましたね。全体的にとても良かったと思います。
――最後に、日本語版をこれから始めるユーザーに向けてメッセージをお願いします。
Colin: 本作は『TES』でもありMMORPGでもあります。海外プレイヤーを相手に緊張したりしないで、自分の好きな遊び方で『エルダー・スクロールズ・オンライン』をぜひプレイしていただきたいなと思います。
――本日はありがとうございました。
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