『シン・ゴジラ』は、『エヴァ』シリーズの庵野秀明が総監督・脚本を務めることで注目を集めた「ゴジラ」シリーズの第29作。本作をめぐっては、先週8月15日に声出しやサイリウム、コスプレが許可された「発声可能上映」が実施され大盛況を博しており、このたびの上映イベントはその女性限定版となる。
怪獣映画というと男性ファンが思い描かれがちだが、当公演のチケットは販売開始から3分で売り切れるなど、ファン層の多彩さを伺わせた。
上映後のトークショーでは、尾頭ヒロミ役の市川実日子、泉修一役の松尾諭、間邦夫役の塚本晋也、さらにサプライズゲストとしてベテラン職員役の片桐はいりを加えた4人が、劇中と同じ衣装をまとい登壇。
上映の熱気がいまだ冷めやらぬなか、松尾が「まずは君たちが落ち着け」と劇中の名シーンを思わせる一言を発すると、会場はより一層大きな興奮に包まれた。
「撮影で一番心に残ったシーンは」という質問では、片桐が庵野総監督から「君の笑顔にすべてかかっているから」と言われたエピソードを披露。そこの台本には「絶妙のタイミングでお茶を運ぶ」としか書かれておらず、短いシーンであることで逆にものすごく緊張したと、当時の心境を振り返った。
塚本からは、ゴジラの進化に関する見地を述べるセリフについて、「ものすごく興奮した調子で」とオーダーを受けた話が。練習ではそれに応えるべく懸命に演技したところ、庵野総監督から本番前に「普通にやってください」と言われ、そのことで自然とその狭間の演技に誘導されたと、演技指導の巧みさ語った。
つづく松尾が披露したのは、怒った矢口にペットボトルを渡すシーンの裏話。当初の台本にはあのくだりはなく、当日の差し込みで追加されたことを打ち明けると、会場は驚きの声で包まれた。さらに松尾がアドリブで、ペットボトルを矢口に投げて渡そうとしたところ、矢口の体に当たって余計怒らせてしまったとつけ加ると、一転して会場は笑いで満ち溢れた。
最後には会場からの質疑応答の時間も設けられた。「自分の役について感じることは」という質問に対して、市川は「尾頭はすごく生き物が好きな人なんだなと思った。ゴジラに対してもすごく興味を持ってるんだけど、そういう気持ちは表さない」と、ネットを中心に人気を集める尾頭を独自の視点から語った。さらに劇中の長台詞を早口で言い切るパフォーマンスを披露。会場にはその日一番の拍手と歓声が響き渡り、それに対して市川はガッツポーズで応えた。
『シン・ゴジラ』は2016年7月29日の公開から、イベント当日の発表では累計動員数320万人、興行収入46億円を突破するなど現在も大ヒット上映中。
市川実日子もガッツポーズ! 「シン・ゴジラ」女性限定鑑賞会議
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