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カプコンより、8月30日にリリースされたiOS/Androidアプリ『囚われのパルマ』。スマホの画面をガラスに見立て、記憶をなくした青年・ハルトと「ガラス越しのコミュニケーション」を行うという斬新な設定を持つ本作ですが、本稿では、その序盤のプレイインプレッションをお届けします。
本作は、孤島の収容所に囚われた「ハルト(CV:梅原裕一郎)」の記憶と心を紐解いていく体感恋愛アドベンチャー。いわゆる「乙女ゲーム」とは異なり、攻略対象キャラクターに合わせて適切な行動を選ぶというものではなく、スマートフォンの液晶画面を面会室のガラスに見立てた面会シーンなどをはじめ、自分自身の性格や嗜好に沿ったコミュニケーションを図れるのが特徴です。
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それでは、さっそくプレイを通して本作の魅力をお伝えしていきます。見知らぬ場所で目覚めたプレイヤーは、本土から遠く離れた孤島で記憶喪失の青年・ハルトの「相談員」になることが告げられます。
ハルトは1年半ほど前に「ある事件」を起こしたとして収監されており、事件の手がかりとなるのは彼の記憶のみ。突然の出来事に戸惑いながらも、プレイヤーは元の居場所に帰るため彼の記憶を取り戻さなくてはなりません。しかし肝心のハルトは心を閉ざし、面会しても会話らしい会話すら成り立たない始末。そこでまずは、ハルトと信頼関係を築きましょう。
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ここで必要となるのが「話題」と「差し入れ」。孤島には喫茶店や公園などいくつかの施設があり、住人と話す、または何らかの出来事をきっかけにしてハルトと話をするためのネタとなる「話題」を手に入れることができます。手に入れた「話題」は、携帯端末「SABOT(サボット)」のメッセージで送れるので、会えない間もハルトといつでもやりとりできるのは嬉しいですね。
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画面のように「雑貨店」では、日用品を始めとするいろんなアイテムが入手できます。これらをハルトに差し入れると、殺風景だった部屋がどんどん賑やかに。
さらに、卵や小麦粉などを「農園」で貰って「食堂」で作ってもらった料理を差し入れすれば、ハルトの食の好みも分かります。差し入れたアイテムをきっかけに彼からメッセージが来たり、使い心地などの「話題」を監視で入手したりなどコミュニケーションを続けると、美麗なご褒美スチルが手に入ることも。こまめに外出し、ハルトへの贈り物を用意しておきたいですね。
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それからもう1つ、プレイヤーはハルトの部屋にある洗面台・机・ベッドに設置された監視カメラから彼の様子をこっそり「監視」することができます。ちょっと申し訳ないなという気もしますが、ここで差し入れたアイテムの反応を確認できますし、そこから新たな話題に繋がる場合もあるのでチェックは忘れずに。時にはシャワーを浴びた直後、なんていうドキドキのシチュエーションが待っています。
とくに興味深く感じたのは、ハルトに送ったメッセージがすぐに返ってこないところ。彼の日常を監視していると、彼は洗顔や掃除、読書、睡眠など、部屋のなかで色々なことをしながら過ごしています。いつでも端末を見ているわけではなく、気付いたタイミングで返信してくるのがとてもリアル。メッセージにいつ気付いてくれるのか気になって、送ったあとについつい監視カメラを覗いてしまいました。
メッセージや差し入れでハルトとの心の距離を縮めていくと、彼との面会が可能となります。ここは、彼の抱えている思いに触れられる大事なポイント。最初はフードを被り、あまり目も合わせてくれなかったハルトが徐々に打ち解けてくれて、プレイヤーを信じようとしてくれる様子には恋愛感情を抜きにしてもキュンとしてしまうはず。そして、すぐ近くにいるのに触れられない、ガラス越しという状況がもどかしく、より切なさに拍車をかけてきます。
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面会でもメッセージと同様に色々な選択肢を選べますが、冒頭でもご紹介した通り、本作に出てくる選択肢に正解はなく、「ハルトの好みに合わせて、気に入られよう!」と考える必要はありません。むしろ、彼のほうがこちらの言ったことや好きなことなどを覚えていて、それに合わせた反応を返してくれるのです。例えば食事の好き・嫌いなどを聞かれることもありますが、自分自身のことをそのまま返しておいたほうが素直に楽しめるでしょう。
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そして、なかでも気になるのが、ハルトがたびたび口にする「心が見えない」という言葉。どうやらプレイヤーにのみ向けられているようで、どういう意味なのか、これも失われた記憶に関係するのか、非常に気になるところ。それとは別に、プロローグに登場した少年は一体誰なのか、あの美しい風景は一体どこなのか。まったく予測ができないストーリーにも、とても興味を惹かれてしまいます。
筆者としては、最低でも面会時はイヤホンの着用を全力でおすすめします。本来、触れられるような距離にいないハルトですが、イヤホンごしだとものすごく近くにいるような気分を味わえますよ。ピアノの旋律が心地よいBGMも、ぜひじっくり聞いてみてください。BGM・SE・ボイスの音量やミュート、オートプレイやスリープ無効は設定画面で調整できます。
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さて、散々ガラス越しで触れられないと紹介してきましたが、そんな状況を軽く飛び越えるものがあります。それがSABOTに搭載されたミニゲーム「夢アプリ」。寝ているハルトの「気持ちいいと感じる場所」を探し当ててタップし、制限時間内に起こすことができれば寝起きの甘い言葉を聞くことができます。ハルトにさまざまなアイテムを装備させると普段とは違った反応やセリフを聞けるなど、ゲームを進めることでさらに楽しみは広がっていきます。
このほか、ハルトと電話で話しているような体感を得られる「テレフォンイベント」も。疲れて帰って来た時など、特定のシチュエーションで「こんなこと言われたら嬉しいのにな~」と誰もが一度は考えるセリフが満載の会話となっており、何度も聞きたくなること間違いなし。さらに面会時間をちょっとだけ伸ばして交流できるイベントなど、さまざまなDLC(※基本有料)もあります。
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また、SABOTのガイド役であり、サボテンのような見た目のキャラクター「サボちゃん」も見どころの1つ。見た目は可愛らしいのですが、意外とセリフが強引だったり、タップするとユニークな動きをしたりと、その存在感はかなりものも。もちろん、ゲーム内ではきちんとアドバイスやおすすめもしてくれるので、サボちゃんのセリフもちょっと気にしてみてください。
ハルトとのもどかしく、ちょっと照れくさいコミュニケーションや、つい聞き惚れてしまう梅原裕一郎さんのボイス、キャラクターデザインをはじめアート全般を担当した実田千聖さんの手掛けた美しいスチルや背景グラフィック、謎を秘めたストーリーに、自然と自分の心に寄り添ってくれるシステムなど、たくさんの魅力を感じられた『囚われのパルマ』。どれか一つでも「これは!」と思った方は、ぜひ遊んでみてくださいね。
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『囚われのパルマ』は8月30日配信開始。価格は、アプリ本体(プロローグ&エピソード1)が360円(税込)、エピソード2以降(全6話完結)が各360円(税込)です。
※アプリ内課金あり
※エピソード2以降は、毎週火曜配信予定
※本作は、プラットフォームのポリシーの違いによって一部仕様が異なる部分がございます。
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