石田将也役の入野自由、西宮硝子の早見沙織、植野直花役の金子有希、佐原みよこ役の石川由依、川井みき役の潘めぐみ、真柴智の豊永利行、小学生時代の石田将也役の松岡茉優、山田尚子監督の8名が登壇し、作品への思いや裏話を語った。
いじめや聴覚障害などのセンセーショナルな要素も持ち合わせる今作だが、入野は監督との打ち合わせの際、今回の映画『聲の形』で核となる部分は “人とのつながり”であると伝えられたという。これを受けて入野は「将也を演じるにあたって迷ったときは“つながりたい”という思いを根底に持って演じることができました。」と語った。
さらに、監督からは「大きな小動物が怯えているような感じ」という含みを持たせたアドバイスを受けたと明かし、自分なりにイメージを大事に膨らませて演じたと話した。
松岡も山田監督から「(小学校時代の将也は)ハンバーグ!っていうかんじ」と一風変わったアドバイスを受けたそう。収録中に「ハンバーグ!」と実際に何度も叫んだというエピソードも披露し、会場の笑いを誘った。
このように独特な例えを出して役者の想像力に任せることが多いという山田監督。その意図を聞かれると「まっすぐな答えを出してしまうと演じる方のイメージを固定してしまうと思うので、なるべくそうしています」とコメントした。
早見は自身の演じた役について「一人の人間として、もがきながら立ち向かって生きている女性です。今回私はあまりアドリブは入れないようにしたのですが、画のすごく細かい部分で硝子がドヤ顔していたりと可愛らしい一面も描かれているので、注目して頂けると嬉しいです」と見どころをアピール。山田監督は早見が演じた西宮硝子について「こんなに本能と理性とが共存できているのはとっても魅力的です。良い硝子が生まれました」と笑顔を見せた。
松岡が演じた小学生時代の石田将也は、聴覚障害を持つ硝子を手ひどくいじめてしまうという難しい役どころ。松岡は将也のいじめを肯定するわけではないと前置きをしつつ、「私も最初は石田将也ってなんて嫌なやつなんだと思いました。でも、彼の行動は見方を変えると面白いものを見つけた小学生の純粋な心の動きなんだと監督が教えて下さって、彼をとことん愛そうと決めました。」と役への心境の変化を語った。
松岡の起用は、過去に松岡が演じたドラマの役を気に入った山田監督の熱烈なオファーによるものだったことが話題に上がると、松岡は声優として経験豊富な役者が多い中、自分が抜擢されたことに戸惑いもあったと吐露。それに対して入野は「苦戦されている部分もあったそうですが、映画『聲の形』のテーマでもある、もどかしくとも伝えたいという思いがシーンにバッチリはまっていました。」と語り、早見も「幼少期の将也と硝子で全てを曝け出して思いを伝えあうシーンで、私の声と松岡さんの声が重なってものすごいハーモニーが生まれたなと思いました」と述べ、太鼓判を押された松岡は胸をなでおろした様子だった。
最後の挨拶では、入野が「全7巻の原作を2時間にするというのはとても不安でしたが、完成した作品を見て、ものすごく素敵な映画になったと感じました。漫画と表現は違うけれど一番大事な“つながりたい”という思いはばっちりフィルムに収まっていると思います」と噛みしめるように語り、初日舞台挨拶を締めくくった。
映画『聲の形』
9月17日より公開中
配給:松竹
(c)大今良時・講談社/映画聲の形製作委員会
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