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【特集】『アトム:時空の果て』手塚眞×松山洋×イバイ・アメストイ直撃インタビュー! 彼らが感じる手塚治虫作品の魅力とは

 

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【特集】『アトム:時空の果て』手塚眞×松山洋×イバイ・アメストイ直撃インタビュー! 彼らが感じる手塚治虫作品の魅力とは
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◆本作の魅力から新たなプラットフォームまで!



──現段階で伺える範囲で構わないので、本作の魅力やポイントとなる部分を教えていただけるでしょうか?

イバイ氏:まずは完全オリジナルストーリーであること。展開する物語とゲームプレイは、何の問題もなく進めていけるようになっており、ストーリーで登場するカードのみでもプレイ可能です。なので、ストーリーを楽しみたいという人から、例えば『ハースストーン』に飽き始めて次のゲームを探しているようなコアユーザーの方まで楽しめる、幅広い一作になっています。

──物語とカードゲームの面白さ、それぞれがしっかりしていると。

イバイ氏:はい。両方の要素があるからといって、どちらかを疎かにしているということはなく、ちゃんと両立しています。ストーリーは、グラフィックアドベンチャーに近いところまで持っていけていると思いますし、ゲームプレイのコアな部分もしっかり出来ています。

──本作の舞台として、サイバーパンクを選んだ理由は?

イバイ氏:手塚先生が描かれた数々のストーリーは、三千年前や五千年後など、非常に長い時間軸に広がっているんです。そんなキャラクターたちを、無理なく共存させるには「未来」しかないと考えました。

あと、今現在のカードゲームは、ファンタジーをベースにしたものが主流です。だからこそ、「サイバーパンクで勝負しよう」と初期の頃から決めていました。
──では、サイバーパンクという舞台に手塚治虫作品のキャラクターを結集させる本作で、描きたいものは何でしょうか?

イバイ氏:描きたいこと、とは少し違ってしまいますが、原作を読んだ時に感じるのと同じような気持ちを、本作で感じてもらえたら嬉しいですね。例えば「スターシステム」は、好きなキャラクターとの再会が楽しいじゃないですか。「ブッダ」に、「三つ目がとおる」の写楽が出るとか。その再会でわき上がるハッピーな気持ちにはさせたいと思っています。

だからといって、キャラクターばかり登場させるような作品にはしたくないので、今回特に心がけたのは、無理のないシナリオを作りでした。最初から出したかったキャラも、無理に登場させるようなことはしていません。“手塚治虫の財産”と“ゲームというメディア”をリスペクトしながら、作らせていただいています。

──お祭りソフト的にキャラをどんどん出すのではなく、物語を踏まえて厳選し、後にちゃんと登場する機会を用意するというスタイルなんですね。ではここで、CC2さんが担当されたキャラクターデザインを拝見させていただきます。

松山氏:ウチで担当したのは、まず……こちらのアトラスです。


──(デザイン画を拝見しつつ)かなり格好いいですね。

松山氏:監修、これからなんですけどね(笑)。

──どういったイメージでデザインされたのですか?

松山氏:今回はこちらのアトラスと、あと……このデッドクロスを担当したんですよ。あ、このデザイン画、手塚さんはもう見られましたか?


手塚氏:いえ、初めて見ます(笑)。

松山氏:(イバイ氏に向かって)おい、どういうことだよ!(笑)

イバイ氏:それにはワケがありまして(笑)。このアトラスとデッドクロスのデザイン画を見た時に、「いや、何の問題もないでしょう」と思ったんです。で、眞さんに見ていただくというのは、私なりに大変怖いことでして……例えば松山さんのような方に出していただいたデザインに「これ直せあれ直せ」と言われてしまうと、ちょっと難しいところもあるんですよ。板挟みではありませんが(笑)。

このアトラスは見た瞬間に滅茶苦茶格好いいと思いましたし、ラフの時には松山さんのコメントなども書かれていたんですが、それらを見た限り全く問題ないだろうと考えて、最後まで残してみました。

松山氏:コラー! もうっ!(笑)


──では、今初めて見るこのデザイン画への、率直な生の声をお聞かせください。

手塚氏:まず、世界観にすごく合ってますよね。あと、思っていたよりはと言うと失礼なんですけども、案外忠実だなと感じました。

イバイ氏・松山氏:おおおー!

──忠実というのは、具体的にどういった部分で感じたのでしょうか?

手塚氏:シンプルな話なんですけど、デッドクロスなら被っている帽子や羽織っているマントの形などが、ひとつの記号的な要素として取り入れられており、好きな人が見ればどのキャラかちゃんと分かるようになっているなと。

そして、じゃあ原作のデッドクロスってどうだったっけと思って調べてみると、だいぶ違うっていうね(笑)。

──確かに、比較してみるとその違いは一目瞭然ですね。だけど要所は押さえられているという。

手塚氏:その「だいぶ違う」感がいいんじゃないかなと。

イバイ氏:このデッドクロスも魅力的ですし、アトラスの方も、原作で描かれた“悪いキャラクター”という要素はこの表情にも表れていますし、アトムに匹敵するような強さもしっかりこのデザイン画に反映されていますよね。

松山氏:「どちらもストーリーの大事な部分に関わる重要なキャラなので、そこを是非お願いします」と言われたので、そこのイメージを大事にしつつ、パッと見たときに分かるようなデザインにしました。その上でディティールは、本作の世界観に合わせる形で、デザインを進めさせていただきました。

あとは、アトラスはアトムと機能面で近いところがあり、例えばお尻からマシンガンが出るんですが、本作の世界観で「お尻からマシンガンを出す」とさすがに可愛くなりすぎちゃうじゃないですか。だから私の方で少しカラクリを考えさせてもらって、お尻からアーム状に太股の方に展開し、そこからマシンガンが出てきて射出するという形にしてみました。


──原作を踏まえつつ、本作の世界観にすり合わせる。その見極めの成果なんですね。

松山氏:そうですね。原作のテイストを活かしつつ、世界観に合わせて出来るだけ格好良く、を意識しました。ここに至るまでに、春から何度も何度もやってますから。なのに、まさか見せていないとは(笑)。

──ちなみに、何案ほど積み重ねて、今のデザインにたどり着いたんですか?

松山氏:アトラスに関しては、第7稿か8稿ですね。デッドクロスは、15稿か16稿くらいかかりました。私と、『.hack』シリーズのキャラクターデザインなどをしている細川誠一郎で、担当している2キャラに取りかかっているんですが、他にも色んなプロジェクトがあるのに、このプロジェクトだけで週に3回ミーティングしているんですよ(笑)。なので、社内だけでもかなり協議を重ねた末でのデザインになってますね。
──週3とは、かなり頻度の高いやりとりですね。

松山氏:私がこれまで見てきた漫画やアニメなどからフィードバックして、デザインに盛り込んでもらったものも色々あるんです。例えば……神崎将臣さんの「重機甲兵ゼノン」で描かれたバーニアの機構をモチーフにして、「アトラスのバーニアはこう開くんだ」とか、勝手に決めて指示したりなど(笑)。


こういうのはなかなか描く機会もないですし、やってて毎週楽しいですね。そもそも光栄な話ですし。細川は私より一回り若くて、手塚先生が亡くなった後に手塚作品を読んでいるため、感覚ももちろん違いますし、違う世代からのアイディアも興味深くて。そういったものを取り込みながら、作らせていただいております。

──大まかで構わないのですが、総勢で何名ほどのクリエイターの方々が本作に関わっているのでしょうか?

イバイ氏:大体15名くらいですね。これ以上拡げてしまうと統一感を持たせるのが難しくなってしまうので、厳選させていただきました。あとは、社内のイラストレーターが7~8名関わっています。キャラクターだけでなく、背景なども用意しなければなりませんしね。あとプログラマー4名にシナリオライター、ゲームディレクターなどを加えたチームで制作しています。

──現在、クラウドファンディングが行われていますが、どのような反響が寄せられましたか?

イバイ氏:最初出した時、私は個人的に「カードゲームはやりたい。けど、なんで手塚作品で?」と反応が来るだろうと予想していたんです。ところが実際には、「こんな手塚作品のゲームがやりたかった。でもなんでカードゲームなの?」という真逆の反応をいただきました。

その意見を見た時、まっすぐ家に帰れなくて公園に2時間くらいいましたよ。「どうしようかな」って(笑)。ところがプレイアブルをみんなが遊びだして、「なんだ、すごく良く出来るじゃん」という声が今大きくなってきており、Youtubeなどで動画を上げている方々も「悪くはないよ」という意見が多かったため、改めて自信を持ち直して開発に挑んでいるところです。

──鋭意制作中のことと思いますが、リリース時期はいつ頃になりそうですか?

イバイ氏:遅くとも、来年の1月頃には出せます。楽しみにしていてください。また、そこから3ヶ月ごとにエクスパンションを展開していく予定です。あとプラットフォームですが、プレイステーション系ハードでのリリースも予定しています。

──PS系ハードでも遊べるんですね! どんどんと広がりを見せていますが、いつか本作の世界観を持つアクションゲームといった発展に繋がって欲しいなと、個人的に願っています。

イバイ氏:我々としては、2つの目標があるんです。まずひとつは、本作を遊んだことがきっかけで、原作を改めて読んでもらえたら嬉しいですね。そしてもうひとつは、今仰ったように、本作のキャラクターを使ってもらって、例えば格闘ゲームといった他のジャンルのゲームを作ってもらえたら、本当に幸せです。

──もし新たな動きがあった時、松山さんはまた参加されたいと思いますか?

イバイ氏:その時はむしろ、開発として是非(笑)。

松山氏:デザインじゃなくて開発で?(笑)

イバイ氏:もちろんですよ(笑)。

松山氏:それは……ゼロからの話になるので、その時にまた改めて打ち合わせしましょう(笑)。


──改めて検討していただく、と(笑)。では本作の話に関する締めとして手塚さんにお聞きしますが、一番期待されているポイントというのはどこでしょうか。

手塚氏:僕らの知っている手塚治虫観を一回覆して欲しいんですよね。覆すといっても、ストーリーや内容が真逆を行くという意味ではなく、イメージしていたものが違って見えてくるような感覚ですね。そういうものになればいいなと思っています。

ひとりひとりのクリエイターも力を持っていらっしゃるんですが、そういったクリエイターが集まることで、それこそ「アベンジャーズ」じゃありませんが、力のある人が集まることで、どういう化学反応が起きてどんなものになるのか。本作はまだ制作中なので、まだ誰も想像もつかないわけですが、だからこそワクワクするものを感じています。

──新しい手塚ワールドが誕生する瞬間に立ち会えるかもしれないんですね。期待が膨らみます。最後になりますが、本作に興味を抱いているユーザーさんに、それぞれメッセージをお送りください。

イバイ氏:私たちは外国人ばかりの会社ですが、今回は貴重なIPを手元に置かせていただいて開発しているというのはしっかりと把握しています。そういった意味では、日本のコンテンツ業界に感謝の気持ちを持っており、恩返しとしてこの作品を作っているので、是非とも一度遊んでいただき、感想を私たちに教えてください。

──その感想がエクスパンションなどに反映されるわけですね。

イバイ氏:もちろんです。出来れば、売り切りではなく10年20年と育てていきたいコンテンツなので、是非ともよろしくお願いします。

──では続いて、松山さんと手塚さん、お願いします。

松山氏:ウチはもうともかく、格好良くデザインするので、ゲームの中でこのユニットをゲットしていただいて楽しく遊んでもらえればと思っています。あとは、プロモーション協力を頑張ります(笑)。イバイさんも仰っていましたが、このゲームがきっかけで、より沢山の人たちが「鉄腕アトム」をはじめとした手塚治虫作品を知ってくれるといいなと思います。

手塚氏:どうしても皆さん、「手塚治虫作品」と言われると先入観があると思うんですよ。でも本作はかなりイメージも変えているので、どうか先入観なく、まっさらな状態で遊んで欲しいと思います。そして本作の遊びを通して、逆に新しい何が見つかるかを楽しみにしていただければ嬉しいですね。

──多くの方々の想いが詰まった『アトム:時空の果て』、楽しみにしています。本日はありがとうございました!

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆
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皆様のご応募、お待ちしております。
《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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