※編集部取材時の「『バイオハザード リベレーションズ』は『バイオハザード CODE:Veronica』と同様にナンバリング作と同じ扱いである」とのプロデューサーの発言から、リベレーションズシリーズをナンバリングに含んでいます。
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■ナンバリングタイトル
- 『バイオハザード(英題:Resident Evil)』
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発売日:1996年3月22日
対応機種:PS
・セガサターン版
発売日:1997年7月25日
・Windows版
発売日1997年9月14日
・ディレクターズカット/ ディレクターズカットデュアルショックver.
発売日:1997年9月25日/1998年8月6日
対応機種:PS
・『bio hazard』(リメイク版)
発売日:2002年3月22日(Wiiでは2008年12月25日発売)
対応機種:GC, Wii
・『バイオハザード Deadly Silence 』
発売日:2006年1月19日
対応機種:DS
・『bio hazard』HDリマスター版
発売日:2014年11月27日(PS4, Xbox One, Steamは2015年1月20日)
対応機種:PS3, Xbox360, PS4, Xbox One, Steam
・『バイオハザード オペレーション』
発売日:2007年5月24日
対応機種:フィーチャーフォン
サバイバルホラーというジャンルを築いた記念すべきシリーズ第一作目。舞台は1998年、米国中西部にあるラクーンシティ郊外で猟奇殺人事件が発生。ラクーン市警特殊部隊S.T.A.R.Sが出動するもののブラヴォーチームは消息不明に。アルファチームが現地へと捜索に向かいますが、生ける屍となった犬「ケルベロス」の襲撃を受ける隊員たち。やがて、洋館を発見した隊員たちは中に避難するのですが......。
1989年12月15日にカプコンが発売したファミコン向けタイトル『スウィートホーム』の精神とInfogrames開発のPC向けホラーゲーム『アローン・イン・ザ・ダーク』のゲームシステムを踏襲、数々のホラー映画の要素を詰め込んだ本作は、発売後に口コミで評判が広がっていきました。ついには世界でも大ヒットを記録し、サバイバルホラーゲームブームを巻き起こすことに。発売当初、固定視点によるラジコン的な操作は戸惑うプレイヤーが続出。しかし、固定視点は映画的なカメラワーク表現として物語の没入感を増し、思った通りに動かせないとう操作性はゲームにおける恐怖感を増長させることに成功。その結果、このシステムを踏襲した多くのフォロワーゲームが誕生していきました。
それまで映画的な要素を用いたゲームがほとんどない時代だったこともあり、実写映像を用いた演出や主題歌を用いた『バイオハザード』は映画ファンの心もつかみました。実写映画版『バイオハザード』を手がけたポール・W・S・アンダーソン監督もその1人であったとインタビューで語っています。ハリウッド映画のような実写映像ですが、実際に当時の撮影に関わったスタッフから聞くところによると、スタッフはみな日本人で、東京・多摩川の土手で撮影されていたとのことです。
『バイオハザード』のプロデューサーであった岡本吉起氏の鶴の一声で決まったとされるエンディングテーマソング「夢で終わらせない」は、そのポップで明るい雰囲気が賛否を呼びました。以降、ディレクターズカット版やリマスター版、移植版ではオミットされてしまいますが、一部ファンの間では未だ強く支持されています。余談ですが、「夢で終わらせない」を手掛けたアーティストの渕上史貴氏は、現在はFM佐賀のラジオ番組のパーソナリティとして活躍しています。
1996年当時、セガサターン派だった筆者は友人宅にて発売間もない『バイオハザード』をプレイしたのですが、ケルベロスが窓ガラスを割って入ってくるシーンを体験した瞬間、「ああ、プレイステーションを買わねば」と決意したほどの衝撃を受けたと記憶しています(そして1カ月後に購入)。1年後に念願のセガサターン版が発売されましたが、グラフィックはともかく、サウンドクオリティが大きく下がっていたのは残念でした。ちなみにセガサターン版のみ、ウェスカーがゾンビとなって登場します。
- バイオハザード2(英題:Resident Evil 2)
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発売日:1月27日
対応機種:PS
・デュアルショックver.
発売日:1998年8月6日
対応機種:PS
・Game.Com版
発売日:1998年11月11日(海外のみ)
・Windows版
発売日:1999年2月19日
・ニンテンドー64版
発売日:1999年10月31日
・ドリームキャスト版
発売日:1999年12月22日
・ゲームキューブ版
発売日:2003年1月14日
1作目の世界的大ヒットを受けて開発された直接的な続編。後のシリーズでも活躍することとなるレオン・S・ケネディと、1作目の主人公クリスの妹クレア・レッドフィールドをダブル主人公に据え、ゾンビの徘徊するT-ウィルスに汚染されたラクーンシティからの脱出、そしてウィリアム・バーキンが開発したG-ウィルスの謎に迫っていきます。『バイオハザード6』の主人公の1人、シェリー・バーキンも今作で初登場。
今作は2枚組ディスクで構成されていますが、各ディスクにレオン編とクレア編を収録。片方の主人公でクリア後にもう片方の主人公のシナリオを始めた場合、前回プレイ時の行動の一部が反映される「ザッピングシステム」を搭載。隠し要素として、死神の異名を持つアンブレラの兵士ハンクの物語「The 4th Survivor」が体験可能。さらなる隠し要素として、開発用ポリゴンモデルを応用した「The 豆腐 Survivor」が用意されており、「なにすんねん」「いて」「もうあかん」「ほなさいならー」といった関西弁を流ちょうにしゃべる豆腐でプレイができます。
映画「ゾンビ」三部作のジョージ・A・ロメロがCMを手がけたことも話題になりました。レオンを演じたのは当時新進気鋭の俳優・ミュージシャンで現在は故人のブラッド・レンフロ。ゾンビの特殊メイクは、ハリウッドで活躍していた日本人特殊メイキャップアーティストのスクリーミング・マッド・ジョージが担当していました。
- バイオハザード3 LAST ESCAPE(英題:Resident Evil 3: Nemesis)
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発売日:1999年9月22日
対応機種:PS
・Windows版
発売日:2000年6月16日
・ドリームキャスト版
発売日:2000年11月16日
・ゲームキューブ版
発売日:2003年1月23日
・Gクラスタ版
・『バイオハザード -THE STORIES-』『バイオハザード THE MISSIONS』『バイオハザード the episodes』
発売日:2004年8月2日/2004年12月1日/2007年7月2日(各タイトルとも配信終了)
対応機種:フィーチャーフォン
『バイオハザード2』と同時系列のラクーンシティを舞台に、初代『バイオハザード』の主人公の1人ジル・バレンタインの脱出劇が描かれるシリーズ3作目。「追跡者(ネメシス-T型)」と呼ばれる倒しても復活して追ってくる敵が登場し、ジルたちS.T.A.R.Sの生き残りを執拗に狙ってきます。ゾンビが徘徊する世界でありながら、今作のジルはチューブトップにミニスカートという非常に肌の露出が多い格好であったことが一部で話題に。
後ろ方向キー+ボタンで発動する「クイックターン」、タイミングよく任意のボタンを押すことで発動する「緊急回避」、アイテムの生成など、後のシリーズへと受け継がれていく多くの新システムが登場しています。クリア後のおまけ要素として、アンブレラの傭兵たちを操作するゲームモード「The Mercenaries Operation Mad Jackal」が用意されています。後作で実装される「The Mercenaries」モードとは異なり、「The 4th Survivor」に近いタイムアタックモードとなっています。
- バイオハザード CODE:Veronica(英題:Resident Evil – Code: Veronica)
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発売日:2000年2月3日
対応機種:DC
・完全版(英題:Resident Evil Code: Veronica X)
発売日:2001年8月7日
対応機種:DC, PS2
・ゲームキューブ版
発売日2003年8月7日
・ HDリマスター版
発売日:2011年9月8日
対応機種:PS3, Xbox360
当初はドリームキャスト専用の新作『バイオハザード』として発表されていた作品。『2』に登場したクレア・レッドフィールドを主人公に、孤島の刑務所を舞台にしたサバイバルが繰り広げられます。物語後半には、『1』の主人公クリスや、宿敵アルバート・ウェスカーも登場。
プレイステーションよりも高いレベルのグラフィック表現が可能となった今作では、『3』までの完全固定視点から、ポリゴンの空間をカメラが追従するシステムに変更。発売から1年後に完全版が開発され、他機種へも移植されました。クリア後のおまけ要素として、タイムアタックモードとなる「Battle Game」をプレイ可能。ドリームキャスト版をプレイしていた筆者は、『CODE:Veronica』のやりすぎでコントローラーの右トリガーを何度も破壊しては自分で修理していた思い出があります。
- バイオハザード0(英題:Resident Evil Zero)
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発売日:2002年11月21日(Wiiは2008年7月10日)
対応機種:GC, Wii
・HDリマスター版
発売日:2016年1月21日
対応機種:PS3, Xbox360, PS4, Xbox One, Steam
『バイオハザード』1作目で行方不明となっていたブラヴォーチームに何が起こったのかが描かれています。主人公は『1』で登場したS.T.A.R.Sの新人隊員レベッカ・チェンバースと、ラクーンシティ郊外の猟奇殺人事件を追う途中で出会った死刑囚のビリー・コーエン。当初はニンテンドー64向けタイトルとして発表されていましたが、最終的にはリメイク版『バイオハザード』と同じ技術を用いたゲームキューブ向けタイトルとして発売されました。
今作は「パートナーザッピング」と呼ばれる、レベッカとビリーという能力の異なるキャラクター切り替えながら進んでいくシステムが実装されています。これは『2』の「ザッピング」システムとは異なり、シームレスにキャラクター切り替え、協力させながらゲームを進める必要があります。また、これまでのシリーズではおなじみであったアイテムボックス(4次元ボックス)が廃止され、地面に置くなどしてリソースを管理するシステムに変更されました。
2008年にはヌンチャクコントローラーなどに対応したWii版が、2016年には高解像度に対応したリマスター版が発売されています。
◆次ページでは、システムが大きく変わった『バイオハザード4』以降をご紹介。