【注意】本稿には各作品に関する重大なネタバレが含まれています。閲覧にはご注意ください。
読者の皆様、昨今のゲームと言えば、旧来よりも様々な表現が行えるようになったように思いませんか?そこで今回は様々な表現、とりわけ暴力表現における名シーンを5のゲームから5選して皆様にご紹介したく思います。また、記事の性質上、ネタバレに相当する内容も含みますので、もしもあなたがプレイしていなく、かつプレイしたいタイトルがあればそのタイトルは読み飛ばして下さると幸いです。
ゲームの暴力はゾクゾクするぜ!
◆『Hotline Miami』
開発元:Dennaton Games 開発年:2012年 機種:PC/PlayStation 3/Xbox 360/PlayStation 4/PlayStation Vita
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- ――初めての殺人を自覚するシーン
「PRELUDE THE METRO」という最初にプレイするシナリオにて、ラストシーンでホームレスを手に掛けた際、通称「ジャケット」(本名は謎に包まれています)という主人公が嘔吐するシーンは、初めての「任務」を終え、殺しの螺線に身を投じる事になるその後を象徴する名シーンです。この時点において、ジャケットはまだ殺しの素人であり、殺人行為に対して自覚的ではありません。またプレイヤーも同じく素人であり、自覚的な殺人を行っていません。手に掛けるホームレスはチュートリアルにて「人の殺し方をオレが教えてやるよ」とプレイ方法を教えてくれるキャラクターで、ここで本作における初めてのツイストが起こります。それ故、極めて考察の余地が多い本作において、非常に重要な暴力の名シーンでもあると言えるでしょう。
◆『Max Payne 3』
開発元:Rockstar Studios 開発年:2012年 機種:PC/PlayStation 3/Xbox 360
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- ――怒濤の逆襲、その結末のシーン
表向きはギャングの取り締まりを行う組織「UFE」は政治家との癒着を起こしており、主人公の「マックス・ペイン」はその陰謀に巻き込まれます。本作終盤、UFE隊長の「アルマンド・ベッカー」が死に瀕するとき、マックスはこう独白します。「この時俺は安っぽい死神のようにこの哀れな男の命を奪おうとしていた。そして彼らの言ったとおりだと気づいた。貧しい人々を助ける奴と妹を侮辱する奴を並べても俺には区別が付かなかった」と。この際、アルマンド・ベッカーを撃ち抜くか、そのまま程なく死なせるかをプレイヤーが選択出来ます。暴力の渦の中、死に場所を求めるように戦い続けるマックスには、善人も悪人も見分けが付きませんでした。何故なら、慈善事業を行う人間も別の箇所では悪行を働いていたりするので、その区別が付かなくなるのも当然と言えるからです。
◆『Saints Row 2』
開発元:Volition Inc. 開発年:2008年 機種:PC/PlayStation 3/Xbox 360
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- ――恋人の葬儀を台無しにしたギャングに報いを受けさせるシーン
主人公の相棒である「ジョニー・ギャット」は非常に好戦的で硬派なキャラクターですが、彼の恋人の葬儀で、仇でもある敵対組織の「ショーゴ」と相対するシーンがあります。そのシーンでは最初にぶん殴った後「起きろ(殴り飛ばす)起きろ(足を折る)起きろ(蹴り飛ばす)椅子に縛り付けてないヤツと戦うのは簡単じゃねえだろ」といった具合に淡々と報いを受けさせるのですが、非常にクールで印象に残る、格好いいとすら言えてしまうバイオレンスシーンとなっています。今となってはお馬鹿ゲーとしての地位を確立したシリーズ作品ですが、意外にも2まではシリアスなテイストのゲームでした。お馬鹿なノリというよりはブラックジョークが満載といった雰囲気です。舞台となる「スティルウォーター」はかなり広大で(地下洞窟さえあります)オープンワールドアクションでもありました。
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