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本作のステージはオープンワールドとなっていますが、世界はそれほど広くありません。活動の中心となる「廃墟都市」があり、例えば東に行けば「砂漠」、西に行けば「森」というように、各ステージと「廃墟都市」がコンパクトに繋がっているイメージです。そのため“広大な世界を探検する”といった体験はできませんが、面倒な要素を排除してサクッと探索できるように設計されている印象を受けました。とはいえ、細かく探索しないと分からないような場所にNPCや武器やアイテムが隠されており、同じ道を行き来するだけでも新たな発見があるようになっています。
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赤い部分がサブクエストの目標
そんなオープンワールドで展開されるのは「メインクエスト」と「サブクエスト」。特にメインクエストのサプライズと言いますか、“おもてなし感”のようなものが凄まじく、地続きのオープンワールド型アクションRPGでありつつも、ステージによって特色があり、まるで良く出来たステージクリア型のアクションゲームを遊んでいるようなワクワク感を楽しむことができました。それはもはや「○○というステージがある」という情報すらもネタバレになってしまいそうな勢いで、これはサブクエストにも同じことが言えます。そのためあまり詳しくは書けないのです。
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ネタバレにならず書ける部分といえば色味でしょうか。本作では敢えて世界全体の色味が抑えられており、それぞれのステージによって異なる表現方法を用いているような印象を受けました。また、攻撃エフェクトやSE、音楽効果も控えめになっており、全体的にシックな世界に。おそらく、ある時「なるほど、だからこういう雰囲気なんだ」と思うことになるのでしょう。
前作で好評だった音楽に関しても名曲揃いで、ぜひヘッドフォンでプレイして頂きたいです。特に「カミニナル」というフレーズの曲は耳から離れなくなります。その意味やどこで流れるのかはまだ言えないわけですが……。
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冒頭でもお伝えしましたが、本稿の内容は1周目を終えた時点のものです。2周目以降にどのような体験が待っているのか、今から楽しみで仕方がありません。それでは「E3 2016」で収録した開発陣インタビューから一部を抜粋し、本稿を終えようと思います。
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「『ニーア オートマタ』はハッピーエンド?それとも絶望?開発陣に気になるアレコレを訊いた」より。インタビュイー:プラチナゲームズ ゲームデザイナーの田浦貴久氏、ディレクターのヨコオタロウ氏、スクウェア・エニックス プロデューサーの齊藤陽介氏
――ユーザーに伝えたいことがありましたらお願いします。
齊藤:絶望ですかね?ヨコオさん。
ヨコオ:あまりこっちで決めるのは好きではないので、色んな要素の中から選択して感じてもらえたらいいなと。結果として嫌なことかもしれないし良いことかもしれないですが、それを選択して、プレイして意味のある作品でありたいですね。
齊藤:前作も人によって捕らえ方が全然違うんですよ。私は比較的ハッピーエンドな気持ちで居たんですが、よく鬱ゲーだと言われ、そういう人もいるんだなと。
ヨコオ:今回はハッピーエンドですよ!田浦さんはどうですか?
田浦:ヨコオさんの狂気が伝わればと……。
ヨコオ:狂気じゃないでしょ、普通でしょ(笑)。
齊藤:いや、あれは狂気だな。
――やっぱりハッピーエンドじゃないんですね……。
ヨコオ:いやハッピーエンドですよ!ほんとです(笑)。シナリオ読んでいるのに適当なこと言いすぎですよ。
齊藤:ここだけは毎回足並みがそろわないですね(笑)
ヨコオ:そうそう、ファンの中にはネタバレを嫌ってゲーム情報見ない方もいらっしゃるんですが、個人的にはネタバレしてても楽しめる作品じゃないといけないと考えていまして、そこは頑張って努力しているところです。
個人的には“話が分かったらやる意味がない”というゲームにしたくなくて、分かっていてもやることに意味があるようなゲームにしたいですね。
――本日はありがとうございました。
……一つだけ言い忘れていました。体験版にはなかったある項目をいじり、特定のアクションを行うと「2B」のスカートが取れますので、ご興味がある方は色々と試してみると面白い発見があるかもしれません。人類に栄光あれ。
PS4ソフト『ニーア オートマタ』は2017年2月23日発売で、価格は7,800円(税抜)です。
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