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【特集】本物の洞窟で『みんなでワイワイ!スペランカー』を遊ぶと盛り上がるのか―男女4人でやってきた

ゲームが持つ魅力のひとつに「冒険」というものがあります。見たことのない世界に、広大な海原に、誰も足を踏み入れたことのない秘境に……現実では体験できない数々の冒険が、画面を通して手軽にいつでも楽しめるのです。

任天堂 Nintendo Switch
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ゲームが持つ魅力のひとつに「冒険」というものがあります。見たことのない世界に、広大な海原に、誰も足を踏み入れたことのない秘境に……現実では体験できない数々の冒険が、画面を通して手軽にいつでも楽しめるのです。

しかも現代では、携帯ゲーム機やスマホの普及に加え、今年の3月に「ニンテンドースイッチ」が発売。据え置き機向けのクオリティをどこでも楽しめるようになりました。こうして私たちの冒険は、更に身近な存在となったのです。

ですが本当に、「冒険」は画面越しにしか味わえないのでしょうか?確かに、『ドラゴンクエストヒーローズ』や『いけにえと雪のセツナ』の冒険を、現実で見つけるのは難しそうです。けれど、『スペランカー』ならどうでしょうか。

ファミコン版で一躍名を馳せ、様々なプラットフォームで展開されている『スペランカー』シリーズ。最新作となる『みんなでワイワイ!スペランカー』もニンテンドースイッチで発売されたばかり。今なお活躍を続ける一大シリーズです。


『スペランカー』で挑む冒険の舞台は“洞窟”。洞窟ならば、現実世界にも存在していますし、鍾乳洞ならば東京近郊にもあり、都内からのアクセスも現実的。「冒険」と「日常」の距離は思ったほど離れてはいないのです。

『スペランカー』で味わったような冒険の舞台に、実際に足を運ぶことができる……かもしれない。その発想は、ゲーム内の「冒険」に惹かれ続けてきた身には魅力的でした。そこでゴールデンウィークを前に、『スペランカー』の主人公気分で、東京都あきる野市にある「大岳鍾乳洞」へ挑んでみました。思い立ったが吉日です。

もちろん、普通に鍾乳洞へ行くだけではありません。立ちはだかる壁や未知の体験を乗り越えてこそ、冒険の醍醐味が味わえるのです。そこで今回は、「冒険」の中で「冒険」に挑むという試み──そう、鍾乳洞で『みんなでワイワイ!スペランカー』を遊ぶ、という未知の世界に挑戦してみました。

前代未聞……かどうかは不明ですが、少なくとも筆者は、これまで誰かが「『スペランカー』を洞窟で遊んだ」という話を聞いたことはありません。人類初の挑戦と思いつつ、新宿駅から約1時間20分の電車移動を経て、最寄り駅の「武蔵五日市駅」へと降り立ちました。

◆我らが冒険の地、「大岳鍾乳洞」へ!



最寄り駅と言えども、大岳鍾乳洞まで徒歩5分、というわけにはいきません。日常との距離が近いとはいえ、駅からコンビニ感覚でいけるほど「冒険」は甘くありませんでした。また、途中までバスが通っているものの、バス停からは更に徒歩25分の道のりが待っています。冒険の幕開けらしくなってきました。

「へい、タクシー!」

“冒険の始まりは、現地から”。先駆者からの教訓として、この言葉を贈ります。勇気と無謀は違うのです。インドア編集部員&ライターが25分も歩いたら、使い物になるわけがない!

タクシー移動を選んだ私たちの腑抜け具合はともあれ、「車で行き来できる程度なのか」とお考えの方もいるでしょう。ですが、山間に向かうに連れて増える“落石注意”や、明らかに観光用ではない無骨なトンネル、辛うじて1車線しかない崖上の道など、油断すればリアルな危検がそこらにゴロゴロと。


また道のりも想像以上に長く、大岳鍾乳洞に着くまでかかったタクシー料金は3,970円。結構な距離です。道路の状況などで金額も変わるため、必ずこの額で辿り着くとは限りません。冒険は時価なのです。


ともあれ、大岳鍾乳洞の受付へとたどり着くことができました。完全に山の中で、鳥のさえずりと渓流の音しか聞こえません。念のためにチェックしてみると、スマホは圏外。これがゲームならむしろホラーアドベンチャーが始まりそう。

冒険の気配を直に感じ始めた私たちは、受付を済ませてヘルメットを着用。もちろん今回の取材に関しては、事前に内容を伝えた上で、許可を頂いています。冒険には手続きも必要ですから。では、いざ鍾乳洞へ!

◆洞窟探険は、想像以上の「冒険感」!




大岳鍾乳洞に入ったメンバーが揃って口にしたのは、「低い!」でした。あと数名は、「頭打った」とも。そう、この鍾乳洞は想像以上に低く、また狭かったのです。鍾乳洞と一口に言っても、見上げるような洞穴もあれば、この大岳鍾乳洞のように身を屈めて進む場所もあるのです。いや、あるのだなと今回初めて実感しました。これは、冒険初心者あるあるの一つかもしれません。



もちろん高さにはバラつきもあり、背が伸ばせるところもあります。ですが、身体を屈めるか、身を捩るかして先に進む場所が多々。光源は定期的に置かれており、視界面で困ることはほとんどありませんが、したたる水滴で濡れた足場が、進む足どりに緊張感を与えます。



ここでふと、冒険の発端となった『スペランカー』を思い出しました。『スペランカー』の、特にファミコン版の主人公は、「最弱」と称されることも少なくありません。その理由は、ゲーム内での死にやすさに起因しており、ちょっとした段差から落ちただけでも死亡、コウモリのフンに当たっても死亡、坂の上から下方向にジャンプしても死亡。死と隣り合わせの主人公に他ならなかったのです。

大人になってから冷静に分析すれば、その死にやすさはゲームデザインの範囲であり、理不尽さのようなものはありません。しかし、ゲームの腕前も未熟な少年たちにとっては、主人公の死にやすさは、戯れに捕まえたセミやトンボを上回るほど。主人公の生還は、昆虫の延命よりもハードルの高い自由研究でした。



ちょっとジャンプを誤るだけで死んでしまう「最弱」主人公。ですが、実際に鍾乳洞に足を運んでみたら……もう彼を悪く言うことはできません。気を抜けば、いや抜かずとも頭はガンガンと天井にぶつかり、濡れた地面に足を滑らせ、不規則な足場にバランスを崩すこと数知れず。ただ進むだけでも、汗がうっすらと浮かぶほどです。

例えばここで、「垂直でいいからジャンプしてみろ」と言われても全力で断ります。着地の際に足を滑らせたら、ともすれば1機失う可能性は充分です。そして私たちに、残機はありません。“ジャンプは、せめて1upを取ってから”。洞窟に挑む方は、この戒めをお忘れなく。坂の上からジャンプ? 殺す気かっ!!

実際(?)の死亡っぽい例

『スペランカー』の主人公は死にやすいかもしれませんが、私たちよりもよほどタフ。これは、冒険を味わったことで実感できたことかもしれません。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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