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『LocoRoco(ロコロコ)』(※)は、2006年7月13日にソニー・コンピュータエンタテインメント(現 ソニー・インタラクティブエンタテインメント)からプレイステーション・ポータブルで発売されたアクションゲームです。
※以下、キャラクターの「ロコロコ」と区別するため、ゲームタイトルは英文字で表記します。
本作の舞台は、地球から遠く離れたとある惑星。この惑星が、ちょいとばかりお昼寝をしてしまったところから、このゲームは始まります。
この惑星には「ロコロコ」という、まるくてかわいい、そして赤い実を食べると成長して分裂する、ちょっと不思議ないきものが住んでいます。ロコロコたちは歌が大好きで、いつも仲間同士で楽しく歌いながら遊んでいました。
しかし惑星がぐっすり眠っているあいだに、宇宙から「モジャ軍団」という黒くてモジャモジャしたヤーナカンジな生き物たちがやってきて、ロコロコたちを襲いはじめたのです。果たして、惑星からモジャ軍団を追い払うことは出来るのでしょうか……!?
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『LocoRoco』は、まんまるでやわらかい不思議ないきものであるロコロコたちを転がしたり、はじいたりしながらゴールまで導いていくアクションゲームです。
本作でミソとなる点は、プレイヤーが操作するのは「ロコロコ」たちではなく「惑星」だということですね! Lボタンを押して左に、Rボタンを押して右に大地を傾けることで、ロコロコたちを転がすことができます。また、L・Rボタンを同時に押すと、大地を揺らし、ロコロコたちをはじいてジャンプさせることも可能。さらに、○ボタンを押すと雷を鳴らしてロコロコたちを分裂させることができ、○ボタンを長押しすることでロコロコたちを合体させられます。かわいらしいロコロコたちの動きを見ているだけでも楽しいコロコロアクションが堪能できますよ。
ちなみに、さきほどストーリーの紹介で“モジャ軍団が襲ってきた”というふうに書きましたが、緊迫感はあまり無く、のんびりとした平和的な雰囲気のゲームです(笑)。
さて、そんな『LocoRoco』の魅力のひとつが音楽です。本作の音楽を手掛けたのは、作曲家の清水信之氏、足立賢明氏、新倉浩司氏のお三方。 全体的に愉快で楽しい雰囲気の楽曲が多く、プレイヤーを楽しい気分にさせてくれると思います! それでは、本作の音楽についてご紹介していきましょう。
本作の音楽でまず印象的なのが、タイトル画面で流れる本作のテーマソング「ロコロコのうた」です。作中でロコロコ・イエロー役も務めた歌手のMelody Chubak(メロディ・チューバック)さんが歌う、「パッチョンボー、モ~イノイノイ チャカレタパットン パンコラケットント~ン♪」という不思議な歌詞とかわいらしい歌声は、一度耳にすると忘れられない魅力がありますね。
ちなみにこの「ロコロコのうた」をはじめ、ゲーム中で流れる歌はどれも不思議な歌詞をしていますが、これは本作のディレクターを務めた河野力(こうの・つとむ)氏が考えた「ロコロコ語」という架空の言語でできているそうです。
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「ロコロコのうた」は、本作のPSP版発売当時のCMでも使用されていたのですが、楽曲に対する問い合わせが殺到したことを受け、急遽シングルCDが発売されるという出来事がありました。なかなかインパクトがあり耳に残る歌だったので、当時CMをご覧になった方は、覚えていらっしゃるかもしれませんね。
なお「ロコロコのうた」は、2006年から10年間開催されたゲーム音楽コンサート『PRESS START』の2007年および2010年の公演や、今年5月に開催されたソニー・インタラクティブエンタテインメント作品の楽曲を特集したコンサート『GAME SYMPHONY JAPAN 23rd CONCERT~PlayStationを彩るJAPAN Studio音楽祭 2017~』など、コンサートで披露されたこともたびたびあります。
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『LocoRoco』の音楽の特徴としては、多くの楽曲に「歌が入っていること」が挙げられます。各ステージ中で流れる楽曲に歌が入っているのはもちろん、時々ロコロコたち自身が歌い出すこともありますよ!
たとえばステージを攻略している途中、「ニョッキ」という、地面から顔を出している大きないきものがグーグーと深い眠りにおちいっていて、ロコロコたちの通り道をふさいでしまっていることがあります。このままでは先に進めない……さあ困った!どうしよう! そんなとき、ロコロコたちを分裂させると、よいしょ、よいしょと整列をはじめます。そして、みんなで左右に動きながら楽しげに合唱するのです。そのにぎやかな歌声を聞いたニョッキが目覚め、ごめんね~どうぞどうぞと道を開けてくれたり。そういった、音楽的な要素を絡めた仕掛けもあります。
ちなみにロコロコたちが合唱する歌は、その時点のロコロコの数に応じて、実際に楽曲として響くコーラスパートが増えるという形になっています。ロコロコが5匹なら5匹ぶんのコーラスで、10匹なら10匹ぶんのコーラスでちゃんと歌われるのです。これは非常に凝っていて面白い作りだと思いますね。
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さらに、本作には全部で6種類にもおよぶいろんな色をしたロコロコたちが登場するのですが、黄色のロコロコは陽気でかわいらしい歌声、ピンク色のロコロコは女性的で艶やかな歌声、黒い色のロコロコはどっしりとした野太い声……といった形で、みんなそれぞれ歌声が異なります。
また本作では、違う色のロコロコと合流すると、各ステージに入る前に、どの色のロコロコで攻略するかを選べるようになります。「ロコロコの色によって歌声が異なる」と先ほどご紹介しましたが、つまり各楽曲に、6種類のロコロコそれぞれのコーラスによるバージョンが用意されているのです。そのためレコーディングの作業量は、通常の6倍もの労力がかかったのだそうです……! 半端じゃないこだわりを感じますね。
各ロコロコが歌う楽曲はみんな個性的なのですが、僕が個人的におすすめなのは、黄色のロコロコが歌う、「bu bu poruche (ブーブー ポルチェ) ~ロコロコ・イエローのテーマ~」という楽曲ですね。とてもかわいらしくノリノリで、思わず身体が動いてしまうほど楽しい楽曲なので、ぜひ聴いてみてください!
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あと細かい点なのですが、ロコロコたちは、ステージの攻略中にトゲを近くに見つけると「トゲェ… トゲェ…!」と怖がった声をあげたり、モジャが近づいてくると「モ、モジャ! モジャ!」と焦った声を出したり、豊富なリアクションをするので見ていて楽しいですね。そういった部分にもご注目いただけたらと思います。
『LocoRoco』は見た目のかわいらしさがまず印象に残るかと思いますが、サウンド面でも非常に凝ったことをしているので、プレイの際には、ぜひ音楽にもじっくり耳を傾けてみてください。耳でも存分に楽しめると思いますよ!
ちなみに、個人的に『LocoRoco』の楽曲の中で一番好きなものを挙げるとすると、ゲームをクリアした際に流れるスタッフロールの楽曲、「etoule pucoratte! (エトゥレ プコラッテ!) ~エンディングテーマ~」ですね。色とりどりのロコロコたちがわちゃわちゃと行進しながら、皆でにぎやかに歌う楽しいサウンドがエンディングを彩ってくれますよ! ぜひ、ゲームをクリアして聴いてみていただければと思います。
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『LocoRoco』は、先週6月22日にプレイステーション4版が発売されました。このゲームは使うボタンがL、R、○ボタンの3つだけというシンプルかつ分かりやすい操作で遊ぶことができます。ゲームにはじめて触れるお子さんや、ふだんあまりゲームをプレイされない方でも楽しめると思いますので、ご興味をお持ちでしたらプレイしてみてくださいねー!
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僕は『LocoRoco』のPSP版をプレイしていた時、熱中してくると、大地を傾ける操作をする時に、傾ける向きに合わせて自分の身体も動いてしまうことがよくありました(笑)。それだけ熱中して楽しめたんだろうなと思いますね! きっと、これからプレイされる方も、ハマったら高確率で身体が動くんじゃないかなと思います(笑)。
ちなみにPS4版は、PSP版と同じL・Rボタンでの操作のほか、コントローラーを左右に傾けて直感的に操作することもできるそうです。PS4版は価格も1,800円 (税抜)とお手頃なので、ぜひ気軽に手に取ってみてくださいー!
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なお本作のサウンドトラックCDとしては、『ロコロコのうた -LocoRoco Original Soundtrack-』が発売されています。各種類のロコロコたちが歌う歌がすべて収録されていますので、ご興味をお持ちでしたら聴いてみてくださいね!
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hide / 永芳 英敬
ゲーム音楽ライター&ブロガー。ゲーム音楽作曲家さんへのインタビュー記事、ゲーム音楽演奏会のレポート記事など、ゲーム音楽関係の記事を主に執筆。今一番ほしいもの:ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン!!!あれはスーファミ世代にはたまらんです…!
[Twitter] @hide_gm [ブログ] Gamemusic Garden
(C)Sony Interactive Entertainment Inc.
※画面写真はプレイステーション4版のものです。