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東京ゲームショウ2017で期間限定イベント『中国ゲーム市場解体新書』を開催したKONGZHONG JP(コンゾン ジャパン)。本記事では、同イベントの中でも、ビジネスデイに行われたカンファレンスのレポートをお届けします。
今回のカンファレンスでは、「躍進する中国産タイトルの日本市場進出を語る」をテーマにパネルディスカッションが行われ、スピーカーとしてアップアニージャパンのシニアビジネスデベロップマネージャーである上村 洋範氏、Kunlun Japan副社長の北阪 幹生氏、Snail Games Japan代表取締役の後藤 智子氏、KONGZHONG JPのシニアマネージャーである小林 崇氏が参加。モデレーターはSocialGameInfo編集長代理である達川 能孝氏が勤めました。
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左=楊 彬氏 右=木村 優氏
冒頭ではKONGZHONG JPのCEOである楊 彬氏と同社の執行役員である木村 優氏が登壇、2017年末までに『クレイドルクロニクル』、『R.E.D』、『LAST EPIC』、『サンゴクラッシュ』の4タイトルを2017年末までに発表予定であることを明かし、更に『風の旅団 GUILD OF WIND』と『天命伝説 SHARD OF DESTINY』を2018年上旬にリリースすることを告知しました。
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日本のアプリゲーム事情について語る左=達川氏と右=上村氏
その後、パネルディスカッションが開始されると、まず上村氏が日本のモバイルアプリゲーム事情について解説。日本ではアプリのダウンロード数が成熟期を向かえ、ダウントレンドになり始めており、日本ユーザーの利用時間は世界トップで収益は成長し続けているものの、国内パブリッシャーが収益の約9割ものシェアを占めており、海外パブリッシャーが参入しづらい市場になっていると説明しました。
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左=北阪氏、中=後藤氏、右=小林氏。苦労話に花が咲いていた。
また、日本における中国のゲームアプリについても触れ、収益トップを占める中国産ゲームアプリの本数が増加していることに加え、中国パブリッシャーは日本で収益を伸ばしていることを明かしました。これについて北阪氏は、日本で中国産ゲームアプリをヒットさせるためには、元のゲームの良さを尊重し、日本を特別視しない方針が成功しやすいとコメント。
対して小林氏は、『三国志タクティクスデルタ』を例に挙げ、マネタイズとゲームバランスの調整が肝要であるとしながらも、最終的にはコンテンツのポテンシャルが大きく影響するとしました。また、後藤氏は大ヒットした『崩壊3rd』を例に出し、開発のmiHoYoが作りたいものを作ったという制作背景や広告事情を踏まえて「金儲けを目当てに作ってない」とコメント。その爆発的な売り上げへの嫉妬を冗談交じりに明かしました。
その後はスピーカーたちの苦労話に話題が移り、小林氏は日本から中国企業に転職したため、中国企業への壁を感じていたことを吐露。また後藤氏は社内で扱っているタイトルが多く、どう捌いていくか苦戦しており、中国では16年目になることと約3000人の従業員規模を持つことから、アジア圏で他社のゲームがヒットするとプライドが刺激されることを明らかにしました。
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続いて、上村氏が「中国にとっての日本市場」へと話題を転換。同氏は、直近のトレンドから今後国内で中国産タイトルが増加する予想を立てました。北阪氏も、開発人口の多さから少なくとも減ることないと予想。小林氏は、日本は中国パブリッシャーにとっては、ある程度の収益が担保されている大事な市場だとし、「進出しない理由は無い市場」であるとコメントしました。
これに対して後藤氏は概ね賛同しつつも、日本市場はデリケートであるため注意は必要であるとの見方を示しました。最後は、小林氏が「中国のゲームが色んな形で日本の市場に飛び込んでいく。KONGZHONGとしては、その一翼を担いながら、日中のビジネスがもっと活発になるといいと思っている」とディスカッションを締めくくりました。