
『閃乱カグラ』シリーズなどを筆頭に、数多くの作品を手がけてきた高木謙一郎氏。“爆乳プロデューサー”の通称でも知られており、魅力溢れる美少女たちの描き方にこだわると共に、爽快感や心地いいアクション性も追求。今日まで走り続けてきたクリエイターの一人です。
2017年には、『閃乱カグラ』の企画・育成強化に腰を据えつつ、次世代のIP創出にも取り組む株式会社「HONEY∞PARADE GAMES」が設立され、高木氏が代表取締役に就任。クリエイターとしての更なる高みを目指し、『シノビリフレ -SENRAN KAGURA-』や『閃乱カグラ Burst Re:Newal』などを生み出しました。
ですが、今後の活躍に期待が集まる中、このたび高木氏がマーベラス及びHONEY∞PARADE GAMESを卒業するとの報告が届きました。しかも、その転身先はゲームショップの店員。ゲームクリエイターの道から離れ、アルバイトとして再スタートに臨んだとのことです。

高木氏は既にゲームショップで働いている模様で、その様子や心情を明かすコメントなども寄せられています。どうか本記事を、最後までじっくりとお読みください。
◆子供のころから憧れていた夢をついに実現!

「ゲームショップ店員になりたい」そんな高木氏を受け入れてくれたのは「トレーダー 秋葉原3号店」。ゲームクリエイターとしての経歴は関係ない。一からアルバイトとしての再出発に身が引きしまる。

在庫管理、掃除、レジ対応、接客…やることは山積みだが、嬉しくて自然と笑みがこぼれる。

自分の手がけたゲームが売れると喜びもひとしお!

店頭でのアピールにも気合が入る。

■「トレーダー 秋葉原3号店」
東京都千代田区外神田 4-2-1
店舗情報:http://www.e-trader.jp/shop/akiba03.html
◆元・爆乳プロデューサー 高木謙一郎氏 コメント

3月末を持ってマーベラスを退社しました。少々長くなりますが、宜しければお付き合い下さい。
子供に夢見た業界に入って15年間、ただひたすらに面白いゲーム作りを求めて活動し続けて参りました。日々様々に生まれているエンターテインメントコンテンツの世界。
そこはクオリティの高い低いに関係無く、その殆どは誰にも気付かれず、評価を受けることも無くひっそりと消えていく厳しく残酷な世界でした。
そんな中、幸運にも長年愛される作品にいくつか辿り着けました。古巣の会社と一緒に作り上げた初のオリジナルタイトル『勇者30』、爆乳ハイパーバトル『閃乱カグラ』、
TV アニメと同時制作の『ヴァルキリードライヴ』、意欲作『UPPERS』、初のネイティブアプリ『シノビマスター』。コミック原作に関連グッズも沢山作った。
全ての雑誌記事、広告に目を通しアイデアを入れ続けた。自分が思い描いた世界が形になって目の前に現れてくるのはこの仕事の醍醐味であり、快感でした。
逆に誰かにとって面白く無かったゲームもあったかもしれない。本当に申し訳無かった。どれも限られた環境の中、全力を注いだ。何かが悪いと直ぐに手抜き! だなんて言われるけど、本当に手を抜いていたら完成なんてさせられない。完成させるだけでも本当に大変なんだ。だけど今になって思えば、様々な場所で暴言も書かれたが、私たちのゲームの存在に気付き、興味を持って遊んでくれた事に感謝しかありません。ありがとう。
でも、ちょっと疲れてしまいました。「作りたい」の気持ちが「作らなければいけない」になってしまっていて、日々押し寄せる締め切りと決断の連続、予算も期間も大きく変えられないのに求められるハードルは年々うなぎ上り、年齢的にも管理職の世界に入らざるを得ず、満足に創作時間を取れ無い。
芸人でも無いのに常に面白い存在でなければいけないプレッシャー。体力も落ち、発想に古さを感じる。娘も生まれて育児にさらに時間を取られ、ゲームで遊ぶ時間も無い。嫁はほったらかし、両親は年老いた。酒の量も増えた。
色々なものを失っていく中で何を残していくべきなのかをここの所ずっと考えていました。その答えはまだ見つかっていません。
ですがそれを探す為に、人生を整理する為に一度ゲーム開発の世界から離れてみようと決断しました。
これからはゲームショップ店員としてゲームとゲームファンを繋ぐお手伝いをしていきす。鬼特価がマジお得な秋葉原のトレーダーさんに勤務します。
ゲーム業界からは離れきれません。やり残した思いも沢山あります。身勝手ですが引退とは思っておらず休息、無期限の充電期間に入ると思ってください。
ひとまず本日までありがとうございました。
また会う日まで。
元・爆乳プロデューサー 高木謙一郎

高木氏がどのような想いを抱き、今回の決断に臨んだのか。コメントから察することができても、真に理解することは難しいのだと思います。今はただ、新たな門出を迎えた高木氏を応援すると共に、ある一点をしっかりと記しておきたいと思います。
本日は、エイプリルフール。このことを忘れず、心に刻んでおきましょう。
(C)2018 Marvelous Inc./HONEY PARADE GAMES Inc