◆三層から成る町「ボルダーフォール」を、様々な視点から観察しよう
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時には、谷から吹き上げる風に晒されながら、切り立った山嶺をすり抜ける旅路となる時もあることでしょう。そんな道行きの中で町に辿り着いたら、これまでの疲労が一気に押し寄せ、宿屋のベッドが耐え難い誘惑となって旅人を招きます。そんな心境と共に訪れるクリフランド地方最大の町「ボルダーフォール」は、地形を活かした立体的な構造が特徴的です。
この町は三層に分かれており、町の入り口から続くのはちょうど中間の部分。多くの住民は、ここかもうひとつ下の層で暮らしています。中層の東にある階段が上層に続いており、そこには立派なレイヴァース家の屋敷が鎮座しています。
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屋敷の荘厳さも、「ボルダーフォール」の見どころのひとつ。厳重な警備体制が敷かれており、運が良ければ毅然と並ぶ衛兵たちの勤務交代を見ることもできます。また、訓練された番犬たちの一矢乱れぬ立ち振る舞いも、動物好きならばチェックしておきたいところです。
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常に厳戒体制に置かれているので、屋敷の中には貴重な調度品なども数多く並べられていることでしょう。しかし、警備の厳しさからも分かる通り、身分が保障された人物でないと門を潜ることもできないので、観光が目的ならば外観を楽しみ、その後は早めに引き返すのがお勧めです。万が一、衛兵に目を付けられたら大変ですからね!
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ちなみに、裕福なほど上の層に住んでいるため、下層に足を運ぶのは控えた方が良さそうです。しかし、この町の酒場は下層にあるため、旅の疲れを酒で癒やしたい方にとっては、選択の余地がないのかもしれません。盗賊が顔を出すとの噂もありますので、充分な注意をお忘れなく。
◆クリフランド地方を、雄大な橋から一望! 谷底では清流の流れに耳を傾けて
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クリフランド地方の見どころは、まず南ボルダーフォール崖道へと続く大きな橋。山と山に渡って架かっており、覗くと吸い込まれてしまうそうな谷間を窺うことができます。ここから見渡すクリフランドの山々は、どこか神々しさすら感じられるほど。ですが、この橋には手すりがないので、景色に見とれて落ちてしまう・・・なんて失態は御法度です。運良く川に落ちたとしても、下流のクリアブルックまで流されかねません。
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ちなみに谷底まで道は続いており、激しくも清らかな川の流れを間近で感じることもできます。山間から注ぎ込まれる清流は非常に澄んでおり、厳しい日差しで渇きを覚えた旅人にとって、この水がもたらす潤いは天の恵みにも等しい喜びを与えてくれることでしょう。ただ、この谷底の近くには、手強いモンスターが潜む「鳥葬の洞窟」があるので、谷底に長居は禁物です。
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谷底を流れる川は、自然豊かなリバーランド地方へと続いています。山々と緑の境目に、自然の雄大さや懐の深さが表れており、派手さはないものの、足を伸ばすからには押さえておきたい景色のひとつです。
◆何もないから、全てがある。「クリアブルック」で贅沢なひとときを──
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リバーランド地方にある「クリアブルック」は、観光を目的とすると物足りない村かもしれません。目を引くような建物もなく、素朴で慎ましやかな暮らしを送る村人たちの日々があるだけです。しかし、旅に慣れ、観光名所を見飽きた上級者ならば、この村にある「のどかな時間」が、何よりも贅沢であると感じられるはず。
川に沿って作られたこの村は、自分たちの都合に自然を合わせるのではなく、自然の在り方に寄り添うように最低限の手だけを加えています。そこには、動物や植物を含めた「他者」に対する敬意と「共存」の精神が込められているのかもしれません。人々の健康を支える医療として「薬師」が活躍しているのも、この村らしい発展のひとつでしょう。
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この村の高台には、村人たちが眠るお墓があります。亡くなった後も、この豊かな自然を一望することができます。自然と共に生き、死してもなお自然と寄り添う。都会での暮らしで何かを忘れてしまった方は、「クリアブルック」で失ったものを見つけてみませんか。
◆自然が生み出した“美”がそこに! ただし、危険との隣り合わせにご注意を
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リバーランド地方を歩くなら、「リーオ洞窟」は外せません。豊かな水の流れが洞窟の中に広がっており、薄暗がりに光る水面が実に美しく煌めきます。また、水の流れが滝になっているところもあり、どこを見ても絵になる景色ばかり。
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しかし一番の見どころは、何とも言っても「ミズフラシ」の花畑。天井の一部が抜けており、そこから木漏れ日が差し込むと、薄闇の中で花々がふわりと浮き上がり、異世界に迷い込んだような錯覚を覚えるほどです。
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この花畑は実に幻想的でロマンチック・・・ですが、ここには危険な毒を持つ「マンダラヘビ」も生息しており、非常に危険な地域でもあります。足を運ぶ際には、慣れている地元の方の案内と、優秀な狩人などが一緒でなければ難しいかも。そうでなければ、異世界ではなく死後の世界に旅立つことにもなりかねません。このトラベルガイドでは案内できない場所なので、ご注意ください。
人々が交差する港町「リプルタイド」や、知識の宝庫「アトラスダム」にも足を伸ばそう!