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『アークザラッド R』開発者による特別座談会-開発の経緯から新作情報まで思う存分語り尽くす

フォワードワークスから発表されたシリーズ最新作となる光と音のRPG『アークザラッド R』。その開発者たちによる特別座談会です。

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新作を作るなら『I・II』を超える作品でなければいけない


――プロジェクトスタートの経緯を教えてください。

土田世界観とリンクしたゲームシステムが体験できるようなシミュレーションRPGの企画を温めていたのですが、そんな時に今回のお話をいただき、それならば『I・II』の続編をやりたいと提案して開発がスタートしたんです。

多くのファンを抱えるアークザラッドだからこそ、『II』でエンディングを迎えた世界を再び現在に蘇らせるために、まずは世界観の再構築をする必要がありました。

そこで、自分一人だと覚えていないこともあるので(笑)、当時のメンバーに声をかけました。皆が集まってまず話したのは「あのキャラはエンディング後にこうなっていたらいいよね?」というキャラクターの未来の姿です。

大崩壊後から10年という時間が経っているので、登場当時は暴れん坊だったり、怠け者だったりしたキャラクターも、アークから世界を託されたのだから一本筋を通して生きていると思うんですよ。アークザラッドのリリースから20年以上経って原作メンバーもいい年齢になりました。そんな自分達だから作り出せる、大人になった『I・II』のキャラクター達を描きたかった。

人間を描くアークザラッドとして、ファンと共に経過した時間の意味を一緒に見つめ直してみたいという、一つの挑戦でもありますね。10年の中で『I・II』のキャラクターも立場や考えが変わっています。その移り変わりも含めて、ファンには驚き、楽しんで欲しいと考えています。その分、『R』は新しく始める人でも入って行けるように、主人公ハルトやヒロインのミズハたち新キャラが、迷ったり苦しんだりしてがむしゃらに戦う姿を描いています。

米坂典彦氏
シナリオなどテキスト周り全般を担当する米坂典彦氏

米坂最初にお話をいただいた時は、まず大崩壊後を描く大変さが頭に浮かびましたが(笑)、やるならば『I・II』を超える話を作らないといけないと思いました。暗めな終わり方だったので、『R』は復興を目標にした明るい話で進めるというテーマもありましたし、『I・II』のキャラがどんなふうに成長したのか、どんな思いで今までやってきて『R』に登場する形におさまったのかをていねいに描こうと、今も一生懸命書いています。

小山それと、アークザラッドのアート部分の世界観は、はやしさんによるところが大きいのですが、もう一度やるなら当時は容量の都合などで諦めざるを得なかった、本当にやりたかったことをできるだけやろうと決めました。

はやし『I・II』ではアララトスの遺跡ダンジョンなどは入り口が出てこなかったですし、設定では一攫千金を狙って冒険者が集まって来る地なのに、チョンガラの店しか表現されていませんでした。そういったところを『R』ではていねいに描きたくて、土田さんからもらった国ごとの資料を見ながら、「こういう絵を出したい」とたくさん提案しました。

土田当時は描いていなかった遺跡ダンジョンの入り口やラマダ寺の内側を描くと決めた中で、「だったら、事件が起きなきゃダメだよね?」と話の展開も広がって、世界観が固まってやりたいことも具体的になったんです。

全てのキャラクターが★5に進化、愛着を持ってプレイができる


――『R』では一人のキャラクターを★3の状態から最大レアリティの★5まで育成できますね。

土田シリーズを通して愛していただいているファンの方々がいますので、最初の構想段階から全てのキャラクターを最大レアリティまで育てられるようにしました。バトルではキャラクターごとに特徴があって、どういうデッキ構成にするかを考えるのが面白いんですよ。

また、『II』のエンディングから現在までどのような出来事があったかを楽しめるように、メインストーリーとは別にキャラクターストーリーを用意していこうと考えています。


今回は全てのキャラクターに★3、★4、★5があって、進化させるとグラフィックが変わります。これは時間軸にしていて、『I・II』のキャラクターに関しては、当時の姿である★3から現在の姿である★5の姿になっていく。逆に『R』の新キャラクターは、ゲーム登場時は★4ですが、キャラクタークエストで描かれる過去のお話では★3の姿になっています。その後、成長することで★5の姿になるということを考えて作っています。

レアリティが上がると単に絵が派手になるだけでなく、このキャラクターはこういう風に変わっていく。あるいは昔はこんな人だったというのが込められています。

西川よく見ると、段階ごとに表情も違います。とくにトッシュは過去と現在では目つきが全然違う。あの荒れくれ者のような感じだったのが穏やかになっています。年齢的にももうお父さんの世代ですから。

次のページ:2Dから3Dになったことで大きく進化した『R』
《乃木章》

現場に足を運びたい 乃木章

フリーランスのライター・カメラマン。アニメ・ゲームを中心に、親和性のあるコスプレやロリータ・ファッションまで取材。主に中国市場を中心に取り上げています。

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