「それは、自ら届ける物語。」石倉正啓氏/『FGO』の現在(2018年)
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人を動かす魔法使いの日常
石倉氏はマーケティングを「人を動かす魔法使いの日常」と例えました。マーケティング方法、略してマ法として、2017年と2018年の施策を振り3つのマ法を紹介しました。
こまめな情報発信とリアルイベント開催
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これまで定期的にユーザーにとって有益な情報をTwitterで発信することを重要視してきました。実際にTwitterトレンド大賞2017において、“FGO”が「WORD of the year」、“Fate/Grand Order”が「GAME of the year」の大賞にそれぞれ選出されるなど、大きな影響力を持っています。
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さらにユーザーにリアルでも『FGO』を身近に感じてもらうために、ほぼ毎月なんらかのリアルイベントの施策を行ってきました。1年に1度開催される『FGO』フェスを中心に、幕張メッセ(千葉県)開催のフェスに来られなかったユーザーのために全国を回って開催した「冬祭り」や「リアル脱出ゲーム」、さらには「秋葉原祭り」「AnimeJapan 2018」「マチ★アソビ」といった大規模イベントにも出展しています。
新たな驚きを提供
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スマートフォンの中に留まらず、『FGO』を知ってもらうため、驚きを発信してきたと語る石倉氏。その一例として、運営批判を繰り返すことで人気が高まったWeb漫画「マンガで分かる!Fate/Grand Order」の女主人公たちは、着ぐるみ化してリアルイベントを回るようになり、今では着ぐるみが5体に増えるほど人気を博しています。
リアルイベントでも度々あっと驚かせる仕掛けを用意しており、「AnimeJapan 2017」のステージでは、ヒロイン・マシュの公式コスプレイヤーを中心に、背後のスクリーンとステージ前面に映像を映し出して、ゲーム内メインストーリーを振り返る演出がありました。さらに、VRでは同ゲームのメインヒロイン・マシュに“逢える”特別な体験をコンセプトに、キャラクターをより身近に体験してもらいました。
ユーザーと接点を持つためにバスター石倉になった
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「手前味噌で申し訳ない」としつつ、自ら宣伝担当として『FGO』に出てくるコマンドカードの一つ「バスター」の文字が入ったTシャツにサングラスをかけ、「バスター石倉」としてイベント会場でファンと交流してきた石倉氏。実際にバスターシールを作り、半年で累計約7,000枚を直接手渡ししてきました。バスターシールは『FGO』ユーザーでなければ興味が無いかもしれないものの、「私自らが宣伝担当としてお客さんと触れ合い、バスターシールを配ることで、シールの価値が変化しているのではないかと思いますと語りました。
人を動かす大魔法マツリ『FGO』フェス
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1年間さまざまなリアルでの施策を行ってきた集大成として、毎年夏に開催される『FGO』フェスを挙げた石倉氏。2018年では、過去最高の動員数3万4,972人を動員し(2日間合計)、アニメ化など重大発表のあった2日目ではTwitterで『FGO』に関係するワードが軒並みトレンド入りする“トレンドジャック”が見られました。
当日はステージ配信もされていたのですが、視聴者数が340万人を突破。2日間の記事合計が1,785件(転載含む)など大きな話題となった2018年の『FGO』フェス。石倉氏は「“マメニ”情報発信をし日常化、“マサカ”と驚く話題の提供、“マヂカ”に感じられる縁を作り、“マツリ”で大きな山を作る。“ゲーム以外”を多彩な魔法でプロデュースする」と魔法の仕組みをまとめました。
また、広告代理店に頼まずに全ての施策を行ってきたからこそ、「ユーザーが喜ぶことが何だろうか?」と考えてダイレクトに実践できたことを振り返り、「自ら企画し、自ら伝え、自ら実地し、自ら会いに行く。それは、自ら届ける物語」と締めくくりました。
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最後に、3人を代表して塩川氏は「ご紹介した3つの物語を通して、皆さんの創作・製作活動に役立つヒントになれば嬉しいです。時代が変わり、担当が変わり、あるいは役割が変わり、プロデュースにおいても変化に対応し続けてきた3年間だったと思います」と振り返りながら、今後の『FGO』は「ただ純粋に、面白いゲームを創ろう。」という同社企業理念に基づいて、より面白くしていくと伝えてくれました。
ちなみに9月7日には同社による懇親会を兼ねたトークセッション「肉会(MEAT MEETUP) vol.4」が開催。同会では「ゲームプロデューサーの集い」をテーマで、庄司顕仁氏、塩川洋介氏、石倉正啓氏が登壇するので、ゲームプロデュースに興味があり、もっと詳しく話を聞きたい人は必見です。
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