奥成『SEGA AGES 2500』のときも『バーチャファイター2』と『ファイティングバイパーズ』はAM2研(現セガ・インタラクティブ第2研究開発部)で移植しましたし、その流れで『バイパーズ』があったりするので、可能性としてはあります。そういうことも含めて(購入者アンケートの)エムツーさんだから『ターボアウトラン』かな、『アウトランナーズ』かな、というアンケートから行くと、今回のアンケートは自由度が高くて面白かった、と思いました。
――『ガルディア』はどうですか?
奥成それはあなたの意見?
――いえ、プラチナゲームズの神谷さんがよく言っているので(笑)。
奥成(笑)だから、セガのタイトルという中でならすべてのタイトルが候補になるんでマイケル・ジャクソンが出ているから『ムーンウォーカー』は出せないとか、いうことをお客さんが考えてくれるのもありがたいんですけど、そういう意味を取っ払った中での候補は別にあってもいいと思うし、その努力があったからこそ『テトリスコレクション』なども出せましたし、『キャッスルオブイリュージョン』の時の『アイラブミッキーマウス 不思議のお城大冒険』なんかもおまけソフトではありますが復刻できましたし。
堀井ディズニーですよディズニー!
奥成お客さんは「ディズニーのゲームを復刻するなんて無理だろう」とみんな思ってたんですが、エムツーさんがメガドライブ版を移植してPS3のプレゼントソフトとして制作したこともあるので。すべてのソフトにチャンスはあると思っています。
――あと、ちょっと聞きづらい話なんですが、他機種への展開や、メガドライブ・ミニ、先ほどのおまけゲームや海外でのタイトル復刻などの兼ね合いというのはどうなっているのでしょうか?
奥成セガのメガドライブ・GENESISというものに対しては“セガの共通資産”だという流れの中でいろいろな会社、いろいろな部署がいろいろな利用をしたい、という風に考えているんで、それはある程度上の部分で集約して取捨選択をしています。という中でこのエリアに対してはこれが効果的だとか、やっている中に『JUDGE EYES』の収録タイトルがあったり、そういったものがスタッフの間で交流されています。『SEGA AGES』とメガドライブ・ミニも発表のタイミングを合わせたのも上のモノですし、いろいろなものに対して、これとこれは被らないんじゃないか、という判断はしています。
下村コレクションにはコレクションの良さがあるでしょうし、『SEGA AGES』には『SEGA AGES』の良さがある、エムツーさんが頑張っていただいた結果でもありますけど、『ソニック』だったら新しい要素を入れて新しい楽しみ方を作ってくれてますし、社内で食い合うんじゃないかというところはおのずとそういうところでそこで住み分けがされるのかなぁ、と。
堀井僕もコレクション物は結構買うたちですけど、まとめてバーンと来たうれしさと一本一本に細やかなフォローが付いている遊びやすさとはまた別のものだと持っているので、僕は気にしていません。
奥成実はバーチャルコンソールをWiiでやった時にあのタイミングでPS2とPSPで『SEGA GENESIS COLLECTION』が出ていて、全然普通に住み分けできたんですよ。なのであの時に「バーチャルコンソールが売れないんじゃないんだろうか」ということは全然なかったんでお客さんは別なんだな、と。逆に『3D復刻アーカイブス』を出したときに「セットじゃなくて単品でほしい」というお客さんがいるので、『3Dパワードリフト』を単品で出したりしたのも「セットではいらないよ」と言ったら変ですけど、それほどでもないという人に単体起動版のニーズはあったと。少なくとも今『SEGA AGES』ではパッケージ版は考えてないですけど、単体という部分では単体のお客さんがいて、『SEGA AGES』のスタッフとしては一本一本を例えば「メガプレイを入れてみよう」とか、一本一本に手を加えた方が面白い、というのはあったりします。だから『3D復刻アーカイブス3』で『サンダーフォースIII』とか『エイリアンシンドローム』とか、頑張ってエムツーさんが入れてくれたんですけど、「本当は単体で追加要素を入れて出してほしかったなぁ」とか言われてしまうと……。
下村言われますよねぇ。
奥成シリーズが継続できなくてごめんね、と。さっきの話に戻りますけど、『サンダーブレード』で終わってたシリーズをパッケージのお客さんがいてなんとか継続できた、というのが『3D復刻アーカイブス』なので。逆に単体で改めて勝負だ、と。
堀井続くためには結果が必要なので、企業なので。逆に続かなくてもあがくとパッケージみたいなものが出るんで……。また良し悪しはあるんですけど、今回僕は一本一本丁寧にやるこのラインを続けていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
下村逆に何にもついていない素移植でいいからいっぱい出してよ、という声があるようだったらそういう方針ももしかしたらあるかもしれないですね。
――週イチとか?
堀井それは無理だな。
奥成ただWiiのバーチャルコンソールの時は週イチどころか週2・週3のときもありました。
堀井やってましたねぇ。
奥成それを毎週やってましたんで、エムツーさんがそれができない会社、というわけではないので。オンライン要素なし、ダウンロード販売のみ、素移植、メガドライブ限定ならば週イチペースでできるんですけど、今のところそうじゃないかな、と。
堀井週イチでほしい人はいると思うけど、でも機能は欲しいよね、っていうと思うんですよね。
――では最後に皆様から読者の方々にメッセージをお願いできますか。
下村僕は毎回言ってることがあるんですけれども、このプロジェクトはユーザーの皆さんに育てられて、僕らはプロジェクトを進めていくところがあります。これからもユーザーの皆さんと一緒に育っていきたいですし、ユーザーの皆様が楽しんでいただくのは当然なんですが、作ってる我々も楽しんで進めていきたいと思っていますので、今後も応援をお願いします。
小玉9月20日に第一弾が発売になりました。ダウンロードしてちゃんと起動したことも確認できました。
堀井そうですね!
小玉よかったです。今回は全世界で発売ですので『サンダーフォースIV』と『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』、世界中の皆さんに遊んでいただければと思いますし、細やかに手を加えたところも見ていただければありがたいな、と思います。あと下村がおっしゃられたようにエムツーさんが今後も作りたいものと我々の考えていることが一致して、何かしらプラスアルファを盛り込めるようなタイトルづくりをやっていきたいと思ってますので、今後とも買って遊んでいただいて、またご意見もお聞かせいただければと思いますので、よろしくお願いします。
――『ファンタシースター』など、4月に発表されたタイトルも期待している人がいると多いと思いますので、早い時期に配信をお願いしたいところですが……
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小玉頑張ってます。
堀井かなり頑張ってます。
――では堀井さんからもお願いします。
堀井無事に出て、よかった。すごくよかった。この先もタイトル数が山盛りでガンガン作ってるんですけど、みんなが遊んでくれると遊んでくれた分だけ「次何やろうか?」という話を早くできるので、みんなが「これ遊びたいな、迷うけど遊びたいな」と思ったものはとりあえず遊んでほしい! と思っています。土曜日までに発表したいネタを今一生懸命仕込んでいますのでお楽しみに。
――一か月ほど伸びましたけど、無事に発売できたということで。
下村そうですね。一か月で僕らはかなり仕上げられたと思っています。なので単純な遅延、じゃなくて。
堀井相当やりましたからね。
下村それに込められた僕らの思いというのがこの日数になっていると理解していただければ、作っている方もうれしいです。
堀井皆さんもあると思うんですよ。あと何時間くれとか何日くれとか。あれをいただけたんでやりました! ありがとうございます。
――わかりました。とりあえずは最初の発表にあった15本! うち10本はタイトルも発表になりました。あとは土曜日のイベントで……。
堀井発表になるといいな!
――長時間のインタビューありがとうございました!