物語のコンセプトは「幻想と現実が交錯する異世界ファンタジー」、「現代に生きる普通の少年の成長譚」。ある日、ボードゲーム部の仲間たちと古びたボードゲーム「ドーランジェ」で遊んでいた主人公たちは、剣と魔法の世界「ドーランジェ」に引きずり込まれます。そこで離ればなれになった仲間たちのゆくえと、現実へ戻る手がかりを探す旅が始まる……というストーリーです。
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エグゼクティブプロデューサーの花澤雄太氏は「現実はなかなかうまくいかないことも多いですが、もし、ありのままの自分が活躍できる異世界に行ったとしたら、その人はどんな行動を起こすのか」を軸にした人間関係を描きたいとのこと。主人公の少年は異世界では召喚能力を身につけるようで、戦いの際にはさまざまな美少女戦士たちを召喚して戦うそうです。
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ゲームはiOS/AndroidだけでなくDMM GAMESでの配信も予定。「自分だけではなく、それを見ている周りから見ても楽しめるコンシューマーゲームらしさを出したい」と語った花澤氏。その思いから、『FINAL FANTASY』の一作目から『III』までのシナリオを手がけた脚本家の寺田憲史氏にコンセプターを依頼したと発表しました。
ここでスペシャルゲストとして、その寺田氏ご本人が登場。花澤氏とは、10年ほど前にとあるコンシューマーゲームの制作チームに所属していた間柄だそうで、「当時、新卒間もないくらいだった花澤プロデューサーはパンクロッカーで、自分のデスクにギターが置いてあって。その彼が今、責任ある立場になってこうして声をかけてくれたのがうれしくてお引き受けしました」と経緯を語りました。
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数々のゲームやアニメの脚本を手がけてきた寺田氏ですが、ソーシャルゲームの脚本は本作が初。まずは花澤氏にソーシャルゲームに関するレクチャーを受け、設定やシナリオを練り込んでいったとのことです。花澤氏から「プレイヤーのみなさんを泣かせるストーリーにしたい」という要望が挙がったときはソーシャルゲームでそれができるだろうかと悩みつつ、若いゲーマーが共感しやすいように「現代の高校生がファンタジー世界に迷い込む」という設定を固めたと明かされました。
花澤氏はその設定に関し「最初からファンタジー世界を舞台にすると自分がヒーローなのだという共感は得られないし、ファンタジー世界に飛ばされたあと、ずっとその世界のことだけを描くのも、やはり最初からファンタジー世界での物語を描くのと変わらない」と思いを補足。そうした考えから作中には現代と異世界で交信できる鏡が登場し、物語に彩を添えるようです。
ここからは花澤氏と寺田氏のトーク…という体の、花澤氏による"憧れのクリエイターへの質問タイム"に。最初の質問は「寺田氏がこれまでに手がけてきたコンシューマーゲームと、ソーシャルゲームの脚本に感じた違い」。これに寺田氏は「古い話だけど、PlayStation 2が世に出た時、これで作るゲームの脚本は劇場映画3本分くらいのドラマが入るのではないかという印象を持った。それが今やPlayStation 4。もはや人間ドラマを描こうと思ったら、さらに膨大な脚本を入れ込まないともたないのではと思っている。ソーシャルゲームはそのどちらとも勝手が異なるので、どう整合を取るかに悩んだ」と答えました。
次の質問は「創作へのこだわりについて」。寺田氏はこれに「いい意味で(プレイヤーや読者を)裏切ること」と回答。「ここまででこうなったなら、この先の展開はこうなるよね」という物語は、彼らもしっかり先を見抜いてしまう。安易な展開はせず、そのうえでいかに楽しませられるかを常に心がけています」とポリシーを語りました。
また、寺田氏は自身を「根っこの部分でひねくれている」と評し、それゆえ「人と同じものを出すのは恥ずかしい」と思ってしまうとのこと。「(『プロジェクト ドーランジェ(仮称)』の)高校生が異世界に迷い込むというあらすじだけではありがちですので、その中で独自性が出るよう、しかけをほどこしてあります」と語りました。
今後の展開に関しては、年末にかけて続報を発信し、リリースは2019年の春頃を予定しているとのこと。寺田氏は最後に「初挑戦となるソーシャルゲームに関していろいろ勉強させていただいて、今はソーシャルゲームでもっと挑戦したいと思っている。そう思わせてくれたプロジェクトなので成功したいと願っています」と語り、花澤氏は「せっかくこうして寺田さんのお力をお借りできたので、ゲームファンが楽しめるものにできればと思います」と発表会を締めくくりました。
※画面は開発中のものです。仕様は予告なく変更される場合があります。
(C) DMM GAMES/JFIGAMES