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2018年の爆発的なブームを経て、いまや立派なサブカルチャーのひとつに数えられつつある「バーチャルYouTuber/VTuber」。彼らが活躍する領域は、もはやYouTubeに留まりません。
そこで本連載は数あるプラットフォームの中でも、特にバーチャルタレントへの支援に注力している双方向コミュニケーションの仮想ライブ空間サービス“SHOWROOM"に着目!みんなが知っているようなアイドルやタレントと並んで、ディープな支持を集める「バーチャルSHOWROOMER」へ、インサイドちゃんと共にインタビューを敢行していきます。
コメント機能加え、配信者に有料・無料のアイテムをリアルタイムで送れるギフティング、アバター機能やイベント企画への参加など、"SHOWROOM"ならではの要素を彼らはどのように活かしているのか――第二弾のお相手はバーチャル落語愛好家・しろねこ亭ねこすけさんです。
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しろねこ亭ねこすけ:はじめまして。バーチャル落語愛好家のしろねこ亭ねこすけです。
インサイドちゃんMark2:はじめましてですねー!つーちゃんです!よろしくお願いします!
しろねこ亭ねこすけ:わー、つーちゃん!よろしくお願いします!
――よろしくお願いします。ねこすけさんはSHOWROOMで落語配信をされていますが、落語をはじめたきっかけはなんですか?
しろねこ亭ねこすけ:きっかけは絵本からですね。川端誠さんが何冊か出されているのですが、その中の「皿屋敷」という落語の演目の絵本を読んで、「落語のお話ってこんなに面白いんだ!」と知りました。そこから、他にもどんなお話しがあるんだろうと興味を持つようになりましたね。
インサイドちゃんMark2:へー!つーちゃんも小さい頃もしかしたら意識せずに落語を読んでいるかも!
しろねこ亭ねこすけ:子供の頃に「寿限無」など読んでいるかもしれませんね!お話を読んで興味が出たら、次は寄席にも行ってみたくなって、実際に色々な噺家さんのお話しを聞いているうちに、今度は自分が落語をしたくなってはじめました。そして落語をなかなか披露できる場所がないので、配信で聞いてもらえたらなあと思いまして。
インサイドちゃんMark2:なるほどー!それでSHOWROOMに行き着いたんですね。つーちゃん、落語あまり聞かないので本当はどうか分からないんですけど、あまり若い人がやっているイメージってないなぁ。
しろねこ亭ねこすけ:そうですね。でも最近はテレビや漫画などでも取り上げられるようになってきているんですよ。
インサイドちゃんMark2:あ!確かにアニメでもやってた!
しろねこ亭ねこすけ:『昭和元禄落語心中』がアニメやドラマで放映されるなど、密かに流行りが来ているんです。一般的な波はどこまで来ているか分かりませんが、落語界隈では「来てるぞー!」という感覚がありますね。
インサイドちゃんMark2:乗るしかない、このビッグウェーブに……みたいな!
しろねこ亭ねこすけ:この勢いでもっと行くかー!みたいな感じですね(笑)。 ねこすけはバーチャルタレントとして広げられれば、と思って活動しています。
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――そうだったのですね。落語配信をするバーチャルタレントは初だと思うのですが、なぜSHOWROOMを選んだのですか?
しろねこ亭ねこすけ:色々な媒体で配信を試してみたのですが、最も目に見えて「観に来てくれているな」と分かるのがSHOWROOMさんだったんです。それがとてもやりやすいなぁと感じました。イベントやオーディションがたくさん開催されているのも理由のひとつです。
インサイドちゃんMark2:ちっちゃいアバターがぴょんぴょんしているのかわいいですよね~。
しろねこ亭ねこすけ:アバターだとひとりひとりに個性があって、色々なところから遊びにきてくださっているのが分かるのがいいですね。
インサイドちゃんMark2:キャラクターもののアバターだけでなく、配信者さんのオリジナルアバターを着ている人もいるし、本当に個性豊かだよね。
――ねこすけさんのアバター姿の視聴者もたくさんいらっしゃいますよね。SHOWROOMのイベント参加についてですが、最近も「秋葉原観光マップ アド街っぷ 応援モデルオーディション」で1位を獲得されていましたよね。おめでとうございます!
インサイドちゃんMark2:おめでとうございます~!
――実際にはどのような権利を獲得されたのでしょうか?
しろねこ亭ねこすけ:観光ガイドマップ「アド街っぷ」公式応援モデルに採用いただき、秋葉原の街に等身大パネルを設置していただきました。
インサイドちゃんMark2:バーチャルタレントが「アド街っぷ」公式応援モデルになったのは今回が初めてだったんじゃない?今まではモデルさんとかアイドルさんとか、秋葉原にゆかりのある生身の人間の方が担当されていたよね。
しろねこ亭ねこすけ:そうなんです!バーチャル初なんです!
――今までもたくさんのイベントにご参加されていますが、なかでも思い出深いものはありますか?
しろねこ亭ねこすけ:どれも思い出深いのですが、なかでもオリジナル扇子を作成・獲得できるランキングイベントは、「ねこすけのためのイベントだ!」とすごく意気込んで取り組みました。
インサイドちゃんMark2:おお、噺家さんとしては扇子は嬉しいですよね!
しろねこ亭ねこすけ:オリジナル扇子が欲しい方ってどれくらいいるんだろう?と思っていたんですが、参加者さんは他にも結構いらっしゃいましたね。視聴者さんからのポイントが溜まるともらえる扇子の本数が増えるイベントだったのですが、単価が高いみたいでなかなか届かず……、最初の1本ですら道のりが長かったです。そこからもう1本増やすにも、次までの間隔が他のイベントよりも長くて、ちょっと大変でした。最終的に5本手に入ったので、1本はいただいて、あとはいつも大喜利に参加してくれて真打ちになった方4人にプレゼントすることにしました。
インサイドちゃんMark2:4本だとかなりのレアリティですね!
しろねこ亭ねこすけ:他には、バーチャルタレント限定の「オノデンMXビジョン秋葉原サイネージ掲載権オーディション」に参加し、1位を獲得させていただいたのが記憶に新しいです。
――インサイドちゃんも同じイベントに参加していましたね。
インサイドちゃんMark2:そうそう。オノデンのイベント負けちゃったー。上位がすごかったの!太刀打ちできる気がしなかった。そんな中で1位になってサイネージに掲載されるって本当すごいんですよ!
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――掲載権を勝ち取った秘訣は何だったのでしょうか?
しろねこ亭ねこすけ:配信可能な時間に制限のあるイベントだったので、毎回配信する時間をきっちりと決めて足並みをそろえることが重要でした。かつ、ただイベントに勝つことだけを目標にしてしまうとポイントに気を取られてしまって面白くなくなってしまうので、楽しさは残しつつ配信できるように心がけました。
インサイドちゃんMark2:そのラインが難しいよね~。
しろねこ亭ねこすけ:上位とのポイント差については触れない!点差がついても言及しないで、ただ走るのみ!あまりポイントを気にすると気持ちがそちらに集中してしまうので、話や内容で楽しんでもらえるように、大喜利をただ頑張りました。
――あくまでいつも通り。ポイントを貰うには面白くなれ!というスタイルですね。
しろねこ亭ねこすけ:そうです!イベントに参加したての頃は、ポイントが気になりすぎて自分が楽しめていませんでした。その経験から学習して、今はもうポイントは気にしないで、自分もお客さんも楽しめる内容にすることを心がけています。
――すごい。プロフェッショナルの心構えですね。ちなみに一番最初に参加されたイベントが何だったか覚えていますか?
しろねこ亭ねこすけ:ねこすけは公式(*)バーチャルアカウントになる前、アマチュアアカウントとして配信していたのですが……。
インサイドちゃんMark2:えっ!?そうだったんだ!
しろねこ亭ねこすけ:はい。個人なので。成り上がりなのです。なので、最初に参加したイベントはアマチュア時代の「ポテトチップス プレゼント」というようなイベントでした……庶民的ですよね(笑)。
(*)編集注:公式アカウントとは、SHOWROOMと契約したオーガナイザーから発行されるアカウントで、配信者はオーガナイザーと契約することで公式アカウントで配信可能。アマチュアアカウントが公式アカウントになるには、オーガナイザーからのスカウトや、公式アカウント昇格イベントへの参加・合格などが必要となる。
インサイドちゃんMark2:かわいい!
しろねこ亭ねこすけ:でもその時のイベントは全然上位にいけずで……夜な夜な少人数で……8人くらいの視聴者の中で配信していましたね。結構大変ではありました。
インサイドちゃんMark2:固定のお客さんがいない最初の配信ってそんな感じだよねえ……。
しろねこ亭ねこすけ:最終的な結果は7位くらいで、残念ながらポテトチップスはもらえませんでしたね。
インサイドちゃんMark2:お~!7位!もらえなかったのは切ないけど、最初のイベントでトップ10入りはすごい!
しろねこ亭ねこすけ:でも、参加者も全員合わせて8人くらいしかいなかったんです……ま、まあトップ10ではありますね!
――さすが、話にオチがありますね。ちなみにアマチュアアカウントから配信をはじめて、公式アカウントに昇格されたということでしたが、昇格のきっかけはなんでしたか?
しろねこ亭ねこすけ:それがですね、その後に「羊羹プレゼント」というイベントに参加しまして……。食べ物ばかりですみません!
インサイドちゃんMark2:いいと思います(笑)。欲に正直なのはいいよね!
しろねこ亭ねこすけ:有名なお菓子屋さんの羊羹がもらえるイベントに参加したのですが、その時も1位になれずだったんです。でも、そのイベントでの様子を観てくれていたオーガナイザーさんが「公式アカウントになりませんか?」とお声を掛けてくださって。
インサイドちゃんMark2:へー!!
しろねこ亭ねこすけ:それで「わあ、公式アカウントになれるの!」と、お願いさせていただきました。
――すごい!スカウトから見事公式アカウントになったんですね。
しろねこ亭ねこすけ:そうですね。ようかんのイベントの主催のオーガナイザーさんだったのですが、観ていてくださったんですね。
――ええ話や……ありがとうございます。
インサイドちゃんMark2:ええ話じゃ……。
――つーちゃんからもありましたが、落語は古風なイメージつきがちですが、実際にお越しの視聴者さんはどのような方が多いのですか?
しろねこ亭ねこすけ:おっしゃるように、なんとなく落語に来る方の年齢層は高いような気もします。でも、最近は若い人も増えてきてますね。配信にいらっしゃるのは落語が元々お好きな方や、興味がある方が多いように感じますね。他にはフラっと星集め(*)のために寄って、「落語の途中で来たけど最後まで聞いちゃいました」という方もいらっしゃいます。
(*)編集注:星とは無料ギフトアイテムで、応援しているランキングイベント参加中の配信者などに贈ることができるできる。配信中のルームを30秒視聴することにより取得できるため、視聴者の多くはルームを回遊して"星集め"をする。
――フラっと立ち寄ってズブズブとしろねこ亭に入門される方もいらっしゃるのですね。落語会にもしろねこ亭はどんどん浸透していると……。
しろねこ亭ねこすけ:そ、そうだといいなぁ……!
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――噺家として心がけていることはありますか?
しろねこ亭ねこすけ:視聴者からの色々な回答に対してうまく切り回していけるように心がけています。あと、色々な噺家さんのお話しを聞くと自然と知識がつきますので、落語番組などで他の方のお話しも聞いて勉強するようにしています。
インサイドちゃんMark2:好きな噺家さんとかいるの?
しろねこ亭ねこすけ:はい、います!立川志の輔師匠と、春風亭一之輔師匠と、今度打ちになられる柳亭小痴楽さんとか!テレビ番組は録画して一気見することが多いです。「笑点」はリアルタイムでチェックするのですが、それを録画でまた観ています。ねこすけは元々「笑点」が好きで、司会をやってみたいなといつも思っていたんです。SHOWROOMならきっと「笑点」の真似事にもみなさんお付き合いくださるのではないかと思って大喜利をはじめました。
――司会ということは、歌丸師匠のポジションを狙っていたのですね。
しろねこ亭ねこすけ:あの「山田くん、座布団持ってきて!」と「例のものを持ってきて」というセリフがいいたくて……。
インサイドちゃんMark2:そこなんだね、言いたいところ(笑)。
しろねこ亭ねこすけ:そうです!
インサイドちゃんMark2:でも、もうすでに配信では名司会者ぶりを発揮してよね。
しろねこ亭ねこすけ:名司会?わぁ、本当ですか?嬉しい!時々座布団の枚数を間違えてしまって、大番頭さんに「師匠!座布団の数が違います!」とつっこまれることもあるのですが……(笑)。
――本当に落語がお好きなんですね!さて、SHOWROOMで毎日配信されていますが、配信プラットフォームとしてのメリットなどがあれば是非教えてください。
しろねこ亭ねこすけ:アバターでひとりひとりの姿が見えること。あとは大喜利の際、お答えいただく順番をランキング上位の方から優先して当てていくので、SHOWROOMだと上位の方のアバターが壇上に上がっていますし、ライブランキングも分かりやすいので助かっています。しろねこ亭の視聴者さんは、実際の弟子たちと同じように大喜利の出来具合で昇格させたりしているんです。それもあって、今はSHOWROOMでしか配信をしていません。
インサイドちゃんMark2:生粋のSHOWROOMERだ!
しろねこ亭ねこすけ: でも、これから活動の場所を増やしていきたいですね。それと、SHOWROOMは、やっぱり色々なイベントがあって飽きないことですね。目標があるといいですよね。
インサイドちゃんMark2:確かにー!目標は大事だよね。
しろねこ亭ねこすけ:ねこすけの姿が生まれたのもSHOWROOMでしたので……最初からこうではなかったのです。最初はラジオ配信の形式で配信をしていて、公式アカウントになって、しばらくしてから今の姿になりました。頭に扇子をつけたかったので、かわいくしていただいて嬉しいです。
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――バーチャル・リアル問わず、気になっている他の配信者さんはいますか?
しろねこ亭ねこすけ:つーちゃんが気になります!手も足も動くじゃないですか。自由でいいなあ!
インサイドちゃんMark2:動くよー!
しろねこ亭ねこすけ:つーちゃんかわいいねえ。いろんなポーズができてモデルさんみたいだねえ。
インサイドちゃんMark2:え~、そんなことー!まあ、つーちゃんかわいいけどね!是非是非観に行き合ったり、なんなら一緒に落語についてお話ししましょうよ!つーちゃん落語ぜんぜん分からないから教えて欲しいなって思います!
しろねこ亭ねこすけ:本当ですか!よろこんで教えますよ!うるさいくらい!興味を持ってもらえるのは嬉しいですね。ねこすけ司会でつーちゃんとおねちゃんと大喜利やりましょう!あ!つーちゃんゲームが好きだったよね?ゲームとなにかをかけて、謎かけを考えてきてください!
インサイドちゃんMark2:え?!?!わ、分かりました……!小一週間ほどは掛かりますけども……!
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――より落語ファンが増えそうですね!ねこすけさんの今後の活動の目標や、予定などを教えていただけますでしょうか?
しろねこ亭ねこすけ:落語が好きな人を増やしていく――というのが第一にあります。
あとは、SHOWROOMの配信は続けながら、秋葉原の街に飛び出たように、色々な所で“バーチャル落語愛好家・しろねこ亭ねこすけ”を知ってもらえるよう活動したいなあと思っています。最終的には「笑点」の番組にバーチャルタレントとしてゲストで出たい!それが夢です。
インサイドちゃんMark2:いいですねえ!
しろねこ亭ねこすけ:「オノデン」さんのサイネージで流す映像も、「笑点」に出たい!という気持ちをぶつけた動画を流してもらうのです!
――それでは最後に、読者の方へ向けてメッセージを!
しろねこ亭ねこすけ:落語が知らない方がほとんどかと思いますが、是非しろねこ亭ねこすけの配信で「落語ってこんなに面白い話があるんだなあ!」と、落語というカルチャーに興味を持っていただきたいです。毎日23:30にSHOWROOMで配信していますので、是非観に来てくださいね!
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SHOWROOMから「笑点」進出を目指すしろねこ亭ねこすけさん。すでに秋葉原の街へ飛び出た彼女をテレビで見かける日も近いかもしれません。落語の楽しさを伝えるべく毎日精力的に配信する彼女の、今後の活躍に注目しましょう。