
◆市場規模は停滞気味ながら、競争は活発な日本モバイルゲーム市場
ネクソンモバイル事業本部 本部長の金起漢(キム・キハン)氏は、まず2018年の国内モバイルゲーム市場の売り上げの推移を分析。ランキングでトップ200に入るタイトルの売り上げ比は、2017年から2018年で101.1%とほぼ横ばいの状態。さらにこの200タイトルを1位~10位と11位~200位のふたつに分けてみると、11位~200位の売り上げは微増していますが、トップ10は微減となっています。


金氏は市場の成長が鈍化している要因を「2017年は『ファイアーエムブレム ヒーローズ』や『アズールレーン』など幅広いユーザーが楽しめるゲームがリリースされたが、2018年は『PUBG MOBILE』や『荒野行動』など、ミドルからコア層向けのタイトルが人気を博したことが一因かもしれない」としつつ、11位~200位のシェア拡大はポジティブに受け止めていると説明。「さまざまなタイトルがリリースされ、競争が活発に行われている。トップ10の顔ぶれはほぼ固定化しているが、ビジネスチャンスはまだまだ残されているのでチャレンジを続けていきたい」と語りました。
次の議題はネクソンの国内モバイルゲーム事業の振り返り。2018年は6本をリリースし、このうち『OVERHIT』、『真・三國無双 斬』、『FAITH』がそれぞれダウンロードランキング1位、ゲームカテゴリーのセールスランキングトップ20入りを果たしました。これにより2018年は、モバイル事業の売り上げとDAUが過去最高を記録したとのことです。


今後のモバイル事業の方針に関しては、配信中のタイトルのクオリティアップに努めつつ、自社/他社を問わず有力IPタイトルのモバイル展開にさらに注力。これまでは海外用に制作したタイトルにローカライズ/カルチャライズを施して日本にも展開するという流れが多かったが、今度は日本での先行リリースを前提とした日本向けのタイトルも手がけていくと発表しました。最後は、2019年にリリースされる新規タイトルが発表されました。


◆メイプルストーリーM
サービス開始から16周年をむかえるPCオンラインゲーム『メイプルストーリー』のモバイル版。PC版を完全再現しつつも、オリジナルストーリーやオートプレイなどの新規要素もプラス。モバイル版のデイリーミッションで得た報酬をPC版で受け取れるなど、既存プレイヤーに向けた連動もあり、金氏は「今年1番力を入れていくタイトルです」と自信をのぞかせました。現在は事前登録を受け付け中で、配信は2019年4月を予定しています。




◆revisions next stage
2019年3月現在TVアニメが放送されている「revisions リヴィジョンズ」のモバイルゲーム。アニメは複数の企業で制作資金を出資しあう"製作委員会"方式で作られることがほとんどですが、ネクソンはこの製作委員会の1社として参画。同社の新たな取り組みの一環として、IPの創出にチャレンジしています。まだ詳細は不明ながら、アニメの物語を序章と位置付け、その後の物語を描くタイトルとなるそうです。配信は2019年内を予定しています。


◆ゴジラ ディフェンスフォース
「ゴジラ」生誕65周年を記念した、東宝株式会社の全面監修によるタイトル。防衛基地や兵器などを強化して、ゴジラをはじめとする怪獣たちの来襲から世界各国の主要都市を守り抜くのが目的の都市防衛ゲームです。怪獣は東宝制作による「ゴジラ」シリーズ全29作品から70体以上が登場予定。「ゴジラ」は5月31日にハリウッドによるリメイク映画の第2弾「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」が公開予定で、本作の配信もその時期に合わせたいとの旨が語られました。






「世界レベルの楽しさを日本モバイル市場へ」。金氏はネクソンが掲げ続けているミッションをあらためて口にし、今後もより一層日本モバイルゲーム市場へ注力していく旨を強調しました。

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