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本作では、『ロマンシング サ・ガ2(ロマサガ2)』(1993年発売)のボス・七英雄がプレイヤーキャラクターとして順番に登場しています。これまでにスービエ、ノエル、ロックブーケ、ダンターグ、ボクオーンが登場しましたが、今回実装されたクジンシーは自ら「七英雄最強」を語っています。
■クジンシーは本当に強いのか?
Sスタイル詳細では「俺は七英雄クジンシー。七英雄最強だ。最強だぞ。恐れをなしたら逃げよ」と威嚇。
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SSスタイル詳細で「俺は昔から強かった。ワグナスもノエルも俺と目を合わせることさえ出来なかった」と吹聴。
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かなりの強者ぶりを謳っていますが、ストーリーでは「あんた、ホントに強いの?ジジイにボコボコにされていたけど…」とバルテルミーに疑問に思われる一幕も。イベント「クジンシー襲来」でも、「『七英雄最強』と名乗っているが、その真偽はいかに…」とツッコまれています。
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初出の『ロマサガ2』を見てみると、同じ七英雄ボクオーンの部下に小物呼ばわりされており、七英雄のルーツである古代人の間では「嫌われ者」でした。
七英雄の間での評価でも、オンライントレーディングカードアーケードゲーム『LORD of VERMILION』シリーズ(2008年稼働開始)に七英雄がゲスト参戦した際、世界を救うために立ちあがった七英雄前日譚が語られたフレーバーテキストを見ると、同情してしまうほどクジンシーの扱いが雑でした。
「俺を置いていかないでくれ!」クジンシーは叫んだ。
「はっ、虫けらが」ダンターグは軽蔑して唾を吐いた。
「お前は戦力にならん」ボクオーンは相手にしなかった。
「やめてよ、寄らないでよ」ロックブーケは気味悪がった。
「お前は来なくていい」スービエは厳しく言った。
「君は十分働いた」ワグナスの優しい声には拒絶があった。
「頼むよ。俺にも力をくれよ」クジンシーはノエルにすがりついた。
七英雄はリーダーであるワグナスと最強の凄腕の剣士ノエルを中心に結成されましたが、「嫌われ者」クジンシーは戦力としても、人間性の観点からも眼中になかったというのが真実で、S&SSスタイルのクジンシーのセリフは彼の中で精一杯の虚勢、あるいはポジティブ思考であることが窺えます。それでは、初出の『ロマサガ2』ではどのような活躍が見られたのか振り返りましょう。
■『ロマサガ2』でのクジンシー
モンスターの脅威に晒される人々の間で、かつて世界を救った七英雄の伝承が語り継がれる世界。モンスターを倒した彼らは姿を消したが、いつか再び戻って来て世界を救うと言われていました。
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そんな乱世に、小国「バレンヌ帝国」では全盛期の領土を回復するために、皇帝レオンが先頭に立って周囲のモンスターを駆逐していました。レオンには武勇に秀でた長男のヴィクトール、次男の争いを好まない心優しいジェラールと2人の息子がいました。
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皇帝自らが先頭に立たなければ兵士が付いてこない苦境の立場だったため、レオンは留守をヴィクトールに任せ、ジェラールを鍛える意味でモンスター討伐に同行させていました。
ある日、レオンの元にやってきた謎の女魔道士は「七英雄」を警戒するように助言し、自らが認めた後継ぎに自身の能力を継がせる「伝承法」を伝えます。最初は真に受けなかったレオンですが、モンスター討伐で帝都を留守にしている間に、攻め込んできた七英雄クジンシーが放った「ソウルスティール」によって長男ヴィクトールが命を落としてしまいます。
同作では、LP(生命力であり、戦闘不能から復活可能な回数)が0になると復活不能になってパーティから外れてしまうのですが、クジンシーの「ソウルスティール」は相手のLPを全て奪い取るインパクト絶大の必殺技でした。
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レオンは「ソウルスティール」に対抗するため、ジェラールを連れてクジンシーの館に乗り込み、命を賭してソウルスティールを受けました。そうすることで、回避不可能なはずの「ソウルスティール見切り」を、伝承法でジェラールに引き継がせることに成功します。レオンの意思と能力を受け継いだジェラールは、クジンシーとの再戦で見事にソウルスティールを見切って、敵討ちを果たしたのです。
このクジンシーとバレンヌ帝国の因縁が、七英雄VS歴代皇帝の対立の幕開けでした。クジンシーは虎の尾を踏んだ愚を犯し、本来は敵になり得なかった相手を強くしてしまった見方ができます。七英雄の中でも足手まといのレッテルを貼られていましたが、文字通り、足を引っ張ったわけです。
クジンシーのセリフは小物感があるのも特徴的でした。ジェラールのリベンジマッチ冒頭で「私の技を見切ることは不可能」「なぜなら受けた者は必ず死ぬのだからな。オヤジと兄貴の後を追え!」という前振りから、「だがこれはかわせまい」とソウルスティールを放ち、見切られて敗れ去る時の「こんなはずでは…」は気持ち良いくらいのオチです。
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また、その後長い眠りについて最終皇帝の即位時に復活するのですが、敗れた際の「ま、また~~何でオレだけが2回も~~」も言わずもがなでしょう。ソウルスティールの必殺技のインパクトとギャップのある小物ぶりが、愛されている要因なのではないでしょうか。
■スタイル評価
倒す度にクジンシーが強くなる「クジンシー襲来」では、LPを0にする「ソウルスティール」を放ってきます。こちらは喰らってしまうと戦闘中に復活できなくなる凶悪な技です。
同イベントを5回討伐することで入手可能なSスタイルの役割はアタッカーで、剣技「光速剣」と、陰術「エナジーストーム」という技を閃きます。こちらはSSスタイルに継承させるのがおすすめです。
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SSスタイルのクジンシーは、大変優秀なジャマーで、攻撃時に確率でマヒ付与を与えるます。これまでのジャマーとしては、確率でマヒ付与の陰術「影しばり」を使うルージュが大活躍していましたが、選択肢として並ぶことになるでしょう。さすがに「ソウルスティール」は閃きませんが、ようやく報われた感じがありますね。
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また、クジンシーと因縁のあるレオンとヴィクトールの新スタイルも登場しました。Sスタイル「[明日は決戦だぞ]ヴィクトール」は腕力上昇のアビリティを持つアタッカー。
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Aスタイル「[私がやらねば誰がやる]レオン」は被ダメージ減少とHP回復アビリティを持つディフェンダータイプで、陽術「フラッシュファイア」と剣術「剣閃」の優秀な技を閃きます。
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『ロマサガ2』プレイしたことがある人は懐かしみながら、未プレイの人は因縁を思い浮かべながら、入手したこれらのスタイルを使ってみると楽しいかと思います。『ロマサガRS』 はキャラクター愛に浸れるのが醍醐味ですから。
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ILLUSTRATION: TOMOMI KOBAYASHI