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去る5月26日、東京・新橋にて「ポケモン企業対抗戦」が行われました。本イベントは、業種問わず様々な企業が集い、いい大人達が丸一日に渡りポケモンバトルを繰り広げるとってもとっても楽しいイベント。2018年12月には、「ポケモンカードゲーム企業対抗戦」という形で第1回が行われ、好評を博しました。
第2回となる今回は、ポケカ部門の他に『ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・イーブイ(以下、ピカブイ)』でバトルを行うゲーム部門も新設され、昨年比1.5倍となる120社がその腕前を競い合いました。
筆者は、この「ポケモン企業対抗戦・カードゲーム部門」をメインに、選手兼ライターとして参加。取材メンバーの1人として参加した第1回大会をきっかけにポケカを始めたド初心者の筆者が、一体どこまで戦えたのか。参加者目線でお伝えしていきます。
大会の概要・ルールはこちら
◆当日使用デッキの紹介
まず、当然ですが大会参加にあたってデッキを組む必要があります。候補として組んだのは、「シャンデラ(ソウルバーナー)デッキ」「ムサシとコジロウ&アーボック・ロケット団デッキ」「ベトベトン&アローラベトベトンGXデッキ」「ポケカ伝道師・ポニータ石井氏リスペクトデッキ」の5つ。他の編集部員と練習しながら、大会前日まで何を使うか悩んでいましたが、練習での勝率や事故の少なさを考え「ベトベトン&アローラベトベトンGXデッキ」を選びました。
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今回組んだ「ベトベトン&アローラベトベトンGXデッキ」のコンセプトは、“後攻1ターン目から動ける素早いベトベトン&アローラベトベトン”です。
手札からエネルギー1枚+「溶接工」で2枚、計3枚のエネルギーを付け、後攻1ターン目から「バッドポイズン」で毎ターン80ダメージの「どく」状態にするのが基本。みんな大好き「ジラーチ」や進化前ポケモンを倒したり、ポケモンの交代を強要して相手のテンポを崩していきます。うまく回れば、「ダブル無色エネルギー」+「溶接工」+「レインボーブラシ」のコンボで、後攻1ターン目から「どくしゃぶり」「ベトベトミックスGX」を使うこともできます。すばやさ低そうなベトベトンたちがいきなり攻撃してくるので、相手はちょっと驚くかもしれません。
その後は、ベンチで2体目のベトベトンTAGにエネルギーを付けながら、厚めに積んだ回復系カードでとにかくベトベトンTAGを守りつつ、ワザを使っていきます。「ムキムキパッド」をベトベトンTAGにつけてあげれば、HPは320まで上がります。一撃できぜつさせられることはあまりないはずなので、耐えて耐えて回復していきます。
中盤以降、相手ポケモンのダメージが増えてきたら、「バリヤード」を展開して、「ダストアイランド」と「ベトベトミックスGX」で勝負を決めにいくという流れ。
1枚だけ入れている闘タイプの「イワーク」は、使用者の多そうな「ピカチュウ&ゼクロム(闘弱点)」や、ポケモンGXに対してほぼ無敵になれる「フーパ(闘弱点)」への対策です。ワザを使うのに4エネルギー必要ですが、「溶接工」+「ダブル無色エネルギー」もしくは、「タッグスイッチ」でベトベトンTAGからエネルギーを受け取ることで、即動けるようになります。「タッグスイッチ」は「ダブル無色エネルギー」も動かせるので、強いです。
こんな感じで、「どく」で高いダメージを与えながら、じわじわ追い詰めていきます。「どく」は、「にげる」やポケモンの交代で治ってしまいますが、「にげる」にしろ交代にしろ、基本的には何らかのコストを必要とします。通常の「どく」なら毎ターン10ダメージですが、ベトベトンTAGの「どく」は毎ターン80 or 150ダメージです。これはさすがに無視できません。相手はエネルギーを捨てるか、グッズやサポートを使ってベンチと交代することになります。
すばやく動けるベトベトンたちで、後攻1ターン目からこのプレッシャーを与え続け、相手をじわじわと追い詰めていく…。そんな楽しげなデッキで挑むことにしました。
◆実際に対戦してみてどうだったか
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そして迎えた企業対抗戦当日。会場には120社約400人の企業戦士たちが集い、なんとも言えない張り詰めた雰囲気が…ということはなく、結構和気あいあいとした空気が流れています。そう、企業対抗戦はわりかしゆるい感じなのです…!初心者プレイヤー的には嬉しい限りです。
そして、開会式と出場企業の紹介後、11時30分ごろより、前半戦のスタートです!
■1戦目:株式会社ドワンゴ様
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これ、めっちゃかっこよくないですか!
ド緊張で迎えた1戦目。対戦相手は、株式会社ドワンゴ様でした。プレイマットが世界大会の物だったので、「もしや出場したのでは…?」と思いましたが、聞いてみると「取材で行ったときに買いました」とのこと。よかった…。
相手は「マタドガス」のワザ「とびちるヘドロ」や特性「いのこりガス」さらにスタジアム「戒めの祠」でダメージをばら撒き、「カプ・テテフ」の「マジカルスワップ」でダメージを移動させて一気に倒すデッキ。序盤は、相手の立ち上がりが遅く、反面こちらのベトベトンTAGが順調に整っていたので、サイド(※)を先行することができました。
しかし、調子に乗った筆者は、2枚目のサイドを取りに行った際、「バッドポイズン」の80ダメージで倒せるポケモンを、わざわざ120ダメージの「どくしゃぶり」で倒しに行ってしまいます。これがよくなかった…。
次の相手の番、相手の手札から出てきたのは「ミミッキュ」。このポケモン、「まねっこ」というワザで、前の番に使われたワザをそのままミミッキュのワザとして使うことができます。つまり、「どくしゃぶり」をそっくりそのまま返されてしまうのです。しかも、「ミミッキュ」は超タイプ。ベトベトンTAGの弱点を突けるので、240ダメージを受けてしまいます。さらに、相手の場には特性「かいしゅうふうじ」を持った「バリヤード」が…。大ダメージを受けたベトベトンTAGを回収することができず、そのまま一体目がきぜつ。サイドを3枚取られてしまいます。
その後、「ミミッキュ」は倒すも、相手の「マタドガス(こいつも超タイプ…)」が出揃ってしまい、「とびちるヘドロ」と「戒めの祠」でじわじわと削られていきます。そして、ようやく「バリヤード」を倒す準備が整い、ポケモン回収系のカードが手札に揃ったあたりで、「リセットスタンプ」を使われ、手札を全て山札に流されてしまいます。そのまま2体目のベトベトンTAGが倒され、負けてしまいました。
(※サイド:『ポケカ』では、相手のポケモンを「きぜつ」させ、自分の「サイド」と呼ばれるカードを取り切ると勝ちになります。「サイド」は基本的に1匹きぜつさせるごとに1枚取りますが、「ポケモンGX」をきぜつさせた場合は2枚、「TAG TEAM GX」をきぜつさせた場合は3枚取ることができます。)
■2戦目:株式会社ポプルス様
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2戦目は、株式会社ポプルス様の「エルフーンGX&ポリゴンZ」デッキ。「ポリゴンZ」の特性「クレイジーコード」で「エルフーンGX」に特殊エネルギーを大量に付け、付いているエネルギーのぶん威力が上がるワザ「エナジーブロー」で攻撃していくデッキです。
1戦目と同じく、序盤は相手の立ち上がりが遅く、ポンポンとサイドを先行するも、「ポリゴンZ」と「エルフーンGX」が揃うと状況が一変。「ポリゴンZ」の特性により、「エルフーンGX」に特殊エネルギーを計11個も付けられてしまいます。この場合「エナジーブロー」のダメージはなんと340!「ムキムキパッド」を付けたベトベトンTAG(HP320)が一撃で落とされてしまいました。
負けじと、こちらも「ベトベトミックスGX」と「ダストアイランド」のコンボで「エルフーンGX」をきぜつに持ち込みます。こちらの残りサイドは2枚、相手のベンチには手負いの「エルフーンGX」がいるので、これを「どくしゃぶり」の120ダメージで倒せば勝ちというところで、「グズマ」を使用し、バトル場に引きずり出します。しかし、「エルフーンGX」は特性「ふわふわコットン」により、相手がコインを投げてオモテが出ればワザのダメージを受けません。そして、返しのターンでまた大量にエネルギーを付けられ、こちらが一撃できぜつさせられてしまいます。
勝敗を賭けた運命のコイントスは…「ウラ」!無事、「どくしゃぶり」の120ダメージが通り、「エルフーンGX」を気絶させ、勝利!対外試合ではじめての勝利を獲得しました。
改めて振り返ってみると、「エルフーンGX」の特性はたしかに厄介ですが、あくまで“ワザのダメージを受けない”なので、「バッドポイズン」や「ベトベトミックスGX」の「どく」「マヒ」は通るんですよね。そう思うと比較的こちらに有利なマッチアップだったかもしれません。
■3戦目:日本テレビ放送網(日テレ)様
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3戦目にしてビッグネームが来ました。相手は「フリーザー」や「ヌオー」を使った「ファイヤー&サンダー&フリーザーGX」デッキ。最新の拡張パック「スカイレジェンド」の看板ポケモンを採用したデッキです。が、緊張していたのか、あまり流れを覚えていません…。
この対戦でも、幸運なことに相手の立ち上がりが遅く、有利だったのですが…途中、「ルカリオ&メルメタルGX」のGXワザ「フルメタルウォール」で、ベトベトンTAGにつけていたエネルギーを全てトラッシュさせられてしまい、かなり焦りました。
なんとかエネルギーを付け直し、「ルカリオ&メルメタルGX」を「ベトベトミックスGX」と「ダストアイランド」できぜつさせ、その後出てきたポケモンも「バッドポイズン」のどくで削り、勝利!
なによりも幸運だったのは、相手の「ケルディオGX」がサイドに落ちていたこと。特性「ホーリーハート」により、「ポケモンGX」からのワザを一切受け付けないので、こいつを出されるとかなり厳しい戦いになってしまいます(そしてこの後の対戦で苦しめられることに…)。
■4戦目:日本将棋連盟様
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4戦目は言わずとしれた日本将棋連盟様!対戦相手はプロ棋士の山本博志氏でした。使用デッキは、「スターミー」でエネルギーを加速していくタイプの「ラティアス&ラティオスGX」デッキです。
お互い立ち上がりはそこまで悪くありませんでしたが、2ターン目で相手が超タイプの「スターミー」を出して、「こだわりハチマキ」を付けた時点で「あっ…」となってしまいました。「スターミー」のワザ「ストレンジウェーブ」は、エネルギー1枚で使えて、山札からエネルギーを持ってこられる便利なワザですが、ダメージは40と少なめです。しかし、ベトベトンTAGの弱点を突かれてしまう上に、「こだわりハチマキ」が付いているので、140ダメージも出てしまいます…。
返しのターンで「スターミー」を倒すも、ベンチにはすでに臨戦態勢の「ラティアス&ラティオスGX」が。240ダメージのワザ「バスターパージ」でベトベトンTAGを倒され、しかも、天敵の「ケルディオGX」まで出てくるという…。こうなるともう厳しい!
最後は、「あなぬけのヒモ」で「ムキムキパッド」の付いていないベトベトンTAGを呼び出され、「こだわりハチマキ」がついた「ラティアス&ラティオスGX」の「バスターパージ」270ダメージでワンパンきぜつ。負けました…。
ちなみに、山本氏は『ポケカ』を始めてまだ2週間ほどとのこと。「ラティアス&ラティオスGX」は扱いが難しいポケモンですが、「ラティラティが好き」という理由で使っているそうです。思い入れのポケモンで戦えるのもポケカの醍醐味ですね(筆者もベトベトン好きです!)。
■5戦目:株式会社シナリオテクノロジーミカガミ様
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本大会最後の対戦は、株式会社シナリオテクノロジーミカガミ様。使用デッキは、「シャワーズGX」と各種水ポケモンを使ったデッキです。
これは何もできずに負けてしまいました…。まず、初手の手札が「アセロラ」に「基本炎エネルギー」に「ダブル無色エネルギー」という事故っぷり。その後も「溶接工」「コーチトレーナー」といったドローサポートを引けず、ようやく引いたと思ったら今度は「基本超エネルギー」や「レインボーブラシ」を引けず、全くワザが使えない始末。
そうこうしているうちに、相手の盤面がバッチリ揃い、さらに「ケルディオGX」も出てきてしまい、手も足も出ません。無理やり回復してなんとか粘りますが、勝ち筋は全く見えず…。完敗です…!
◆企業対抗戦の結果は?
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あっという間に時間はすぎ、結果発表と表彰へ。今回のプレゼンターを務めるのは、ゲームフリーク・増田順一氏(写真左)と、クリーチャーズ・長島 敦(写真右)の2人(長島氏には先日、『ポケカ』のインタビューをさせていただきました。よろしければこちらもぜひ)。
後半頭から抜けていましたが、今回の企業対抗戦では、お互いコインを賭けて戦い、最終的な総獲得コイン数で順位が決まります。筆者は、なるべく多く対戦をしたかったので、1枚ずつ賭けていましたが、配信卓やハイレート卓では、5枚賭けや10枚賭けといったアツい対戦も行われていました。
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今回3位となったのは、株式会社ハピネット様!「社長、勝ちましたー!」と喜びを爆発させていました(そして、この後社長に喜びを伝える流れができる)。
2位は株式会社アニメイトカフェ様!なんと、第1回大会に続いて2位という結果に。本人たちは「悔しい」とのことですが、2回連続でしっかり上位に食い込んでくるのは本当にすごい。
栄えある優勝を手にしたのは、UUUM株式会社様!おめでとうございます!表彰で、感極まって男泣きしている姿を見て、こちらももらい泣きしそうでした。
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今回は、特別賞として30位と50位の企業も表彰されました。コイン同数の企業が複数ランクインしているため、最後の戦い「じゃんけん」が繰り広げられました。結果、30位は株式会社レヴェル様が、50位は株式会社Aiming様が勝ち取りました!おめでとうございます!
ちなみに、弊社(株式会社イード)は、4人で出場したのですが、2人がコインを全てとられ、1人が2ケタ枚と健闘。筆者は4枚で初期の手持ちコイン-1枚という微妙な結果に。総獲得コイン数では19枚で、46位でした。後1枚少なければ50位というなんとも惜しい結果になってしまいました…。
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大会終了後は、場所を移して懇親会へ。この会場でも、カード・ゲーム共にエキシビジョンマッチが行われ、ポケモンバトルを楽しむ姿がそこかしこで見られました。
◆今回の振り返り
カードゲーム部門では2勝3敗と負け越してしまった筆者ですが、最後の戦いを除いて、しっかりとコンセプト通りに1ターン目からベトベトンTAGを動かすことができ、デッキの構築自体はそんなに悪くなかったのではないかと思います。しかし、それにこだわりすぎて、「ケルディオGX」対策を忘れてしまったのは完全にミスでした。
「ケルディオGX」は、「レシラム&リザードンGX」という炎タイプのポケモンが多く見られる現環境(実際、企業対抗戦でも何回か目にしました)において、弱点を突ける水タイプでありつつ、「レシラム&リザードンGX」を含む「ポケモンGX」に対して強く出られる強力な1枚です。しかも、最新弾「スカイレジェンド」収録という目新しさもあり、水タイプメインのデッキはもちろん、それ以外のデッキでも、1枚入ってくるのは十分に想像できたと思います。せめて「無人発電所」を1枚でも入れていれば…。「フーパ」に気を取られていましたね…。
でも、こういうミスも含めて、自分のデッキの長所・欠点であったり、今の流行を身をもって体感できるというのは、不特定多数のプレイヤーが集まる大会ならではの楽しみですね!この半年間、ずっと一人回しと身内との対戦しかやってこなかった自分にとっては、ものすごく刺激的な体験でした。とにかく楽しかった!次回があるかわかりませんが、とにかく経験を積んでおこうかと思います。
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ちなみに、今回はカードゲーム部門と、『ピカブイ』を使ったゲーム部門どちらもでると、3枚のボーナスコインをもらえるとのことだったので、つーちゃんことインサイドちゃんMark2にスイッチ本体ごと借りて対戦に臨みましたが…。対戦相手のバンダイナムコスタジオ様が鬼のように強く、ボコボコにされてしまいました。つーちゃん、済まない…。