会場にはプロゲーマー・梅原大吾氏、将棋棋士・藤井猛氏、人気実況者・ライバロリ氏、声優・岡本信彦氏、YouTuber・はじめしゃちょー氏、TBSのクイズ番組『東大王2017』で優勝を果たしたクイズ王・伊沢拓司氏、『マジック:ザ・ギャザリング(『MTG』)』プレイヤー・原根健太氏、『ポケモンカード』の元世界チャンピオン・伊東進太郎氏といった豪華メンバーが集結。
世界に300枚しかない激レアカード「ミュウツーHR」をかけて、ポケモンカードゲームでの対戦が行われました。大会の模様について、レポートをお届けします!
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1996年に誕生した、日本初の本格トレーディングカードゲームである『ポケモンカードゲーム』。美麗なイラストと奥深い戦略性が魅力で、日本だけにとどまらず、毎年世界大会が行われているほどの高い人気を持っています。
今大会のルールは、会場で用意された強化拡張パック「リミックスバウト」15パックを開封し、出てきたカードでデッキを構築するという「シールド戦」。プロモカード「エリカ」1枚とエネルギーカード各種の組み合わせについては自由で、デッキ構築には40分という時間制限が設けられています。
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大会は40枚デッキ、サイド4枚の8名トーナメント形式。ちなみに、トーナメントは以下の通りです。
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第1試合:梅原大吾氏vs藤井猛氏
序盤からロトムの「サイクルドロー」、サポートカードの「ローラースケーター」の効果を使い、手札を充実させていく藤井氏。一方、梅原氏はアローラのベトベターの「ベトベト」でロトムに弱点攻撃。攻めの姿勢を見せます。
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ロトムの残りHPが残りわずかという苦しい状況の中、藤井選手はフィオネの「ひきよせのうず」を使用。相性の悪いベトベターをベンチへと移動させます。そのままロトムの「エネアシスト」で、ベンチにいるリザードン&テールナーGXにエネルギーを付与。後半に向けて着々と準備を進めていきます。
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藤井氏のリザードン&テールナーGXに対抗し、梅原氏がアローラペルシアンGXをベンチにセット。どちらが先に仕掛けるかの激しい睨み合いが続く中、惜しくも30分が経過。タイムアップの判定により、勝利を掴んだのはサイドカードをより多く取っていた藤井選手。序盤から息もつかせぬ白熱した戦いを見せてくれました。
【梅原氏インタビュー】
─今回のイベントに声が掛かった時、どんなお気持ちでしたか?
梅原氏:「何で? 僕なんかで良いの?」と思いました (笑)。 きっと皆さんも同感だったと思います。 ただ、Cygamesの『シャドウバース』はやっていましたし、あとは麻雀のように確率を意識して遊ぶゲームの経験があったので、「やってみようかな?」とは思いました。
─ご自身のTwitterで練習風景を呟いていたのが印象的でした。これまで培った格闘ゲームの経験をポケカに活かすなら、どんな感じになると思いますか?
梅原氏:…コイン捌きとかですかね?(笑)。カードは瞬間瞬間でやるゲームではないので、格闘ゲームとカードゲームの性質の違いがかなりあるように感じます。でも、格闘ゲームも戦略自体はロジカルに構築していかなくてはいけないという部分はカードゲームと同じなので、早いゲーム展開の時…例えば、「5秒以内に決断が必要」という状況時に格闘ゲームの経験値が活きることがあるかもしれません。
─(試合後インタビュー)対戦を振り返っていかがでしたか?
梅原氏:引きは良かったんですが、ズガドーンにエネルギーを付けなきゃいけない場面で、アローラペルシアンに目がいきすぎちゃったのが、まずかったですね…。他にも、こちらがベンチにポケモンを出さなければ、相手はフィオネが使えないというのも、試合後にアドバイスを受けてはじめて気付きました。その発想が無かったのも経験不足ですね。
格闘ゲームだと一瞬で終わる緊張感が、ポケモンカードではずっとじわじわ続くというのが新しく、楽しい体験でした。
─リベンジしたいという思いは?
梅原氏:リベンジというよりも、もう一度楽しみたいなという気持ちです。
3月から12月までストリートファイターのプロシーズン中で、今はその佳境にあります。毎月数週間、ひどいときは3週間ほど海外遠征にでています。そうするとやはりそちらに精神的にも肉体的にも時間を費やす必要性があり、他のことに時間を作ることが難しいのが現状です。でも、そういう忙しいスケジュールの合間にも、目標に向かって集中して取り組むのことが好きなので、大会出るとか、こういうイベントに出るとか、そういう機会を通してやりこんでいきたいと思っています。
第2試合:ライバロリ氏vs岡本信彦氏
アニメ『ポケットモンスター サン&ムーン』では、ポケモントレーナー・グラジオの声を担当した岡本氏。「(どのように攻めるか)すごい迷うぜ!」「ドロー! ドロー!」と自身の状況を実況するサービス満点のプレイで、会場を盛り上げていきます。
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ライバロリ氏は他のポケモンをクッションにしつつ、フシギバナ&ツタージャGXにダメージが向かないように試合を展開。
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同じく岡本氏もフシギバナ&ツタージャGXで対抗するも、フィオネの「ひきよせのうず」でポケモンの入れ替えを強制させられることに。フシギバナ&ツタージャGXの「フォレストダンプ」が決まり、第2試合はライバロリ氏が勝利しました。
【岡本氏インタビュー】
─試合を振り返って、いかがでしたか?
岡本氏:(演じているグラジオは悪ポケモンを多く使用しているのに対して)いやぁ、まるで悪ポケモンが出なくて…(笑)。ただフシギバナ&ツタージャGXが2枚出たり、闘タイプが揃ったりと、デッキ自体はとても強いものができました。ただ、今振り返ると色々と運用が…。でも奥深くて、とても面白かったなと思います!
─今回初めてポケカに触られたと思うんですが、今後はいかがでしょう。
岡本氏:またやりたいです!それこそ、シールド戦は初心者でも介入の余地があって一番良いんじゃないかなぁと。お互い笑いながら遊べますし、良いシステムだなと思いますね。
第3試合:はじめしゃちょー氏vs伊沢拓司氏
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はじめしゃちょー氏と伊沢拓司氏は、両者ともにカメックス&ポッチャマGXを主力としたデッキ構成。ミラーマッチの試合の流れを変えたのが、はじめしゃちょー氏のズガドーンの「デブスボム」。伊沢氏の場のポケモンにダメージカウンターを12個置くことに成功し、はじめしゃちょー氏に有利な展開へ。
伊沢氏はたまらずカメックス&ポッチャマGXをベンチに逃がそうとするも、はじめしゃちょー氏がトレーナーズカード「グレートキャッチャー(※註1)」を使いブロック。瀕死のカメックス&ポッチャマGXにとどめを刺し、はじめしゃちょー氏の勝利となりました。
※註1:グレートキャッチャー/自分の手札を2枚トラッシュすることで効果が発動。相手のベンチの「ポケモンGX・EX」を1匹選び、バトルポケモンと入れ替える。
【伊沢氏インタビュー】
─試合後の感想を頂けますか。
伊沢氏:いやぁー、楽しかったですね!相手がはじめしゃちょーさんだったということもあり、ワイワイできました。
─今回のオファーが来た時の心境を教えてください。
伊沢氏:純粋に「俺じゃないだろ」と(笑)。だから1度お断りしたんですが、再度お声がけ頂き、「じゃあやろう」と思いました。やるからには勝ちたかったので、しっかり予定を組んで練習したところ、とても面白かったので、お受けして良かったなあと。練習自体は、YouTubeを見たり、パックの封入率を踏まえたプログラムを回して構築のシミュレーションをしたりと、相当やりました。今後も練習に付き合ってくれた友達と一緒にポケカしたいと思います。
─ポケカのどんな所が面白いと感じましたか?
伊沢氏:ミスが許されず、論理的なところですね。それとシールド戦は手軽ですが、だからこそ頭脳が出るなとも思いました。楽しかったです!
第4試合:原根健太氏vs伊東進太郎
第4試合は『MTG』プロプレイヤー原根氏と『ポケモンカード』の元世界チャンピオン・伊東進太郎氏との戦い。原根選手が1ターン目からフシギバナ&ツタージャGXをバトルポケモンとしてセット。
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続けて原根氏はトレーナーカード「溶接工」を使い、フシギバナ&ツタージャGXにエネルギーカードを付与。2ターン目から160の大ダメージである「フォレストダンプ」を連発していきます。
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原根氏の強烈過ぎる速攻に、さすがの伊東氏も反撃できず。4試合目は一方的な展開で原根氏が勝利をもぎ取りました。
【伊東氏インタビュー】
─試合お疲れ様でした。振り返っていかがでしょうか。
伊東氏:先行1ターン目、手札に進化ポケモンであるケケンカニとキテルグマがあり、相手のバトル場にはフシギバナ&ツタージャGXがいるという状況でした。遅いタイミングでベンチにポケモンを置くと、相手の「かがやくつる」で倒される可能性が高く、さらにケケンカニは立ってしまえば「かたいこうら」でフォレストダンプを耐えられるため、早めにたねポケモンを引いて進化させたいと判断し、サポートのエリカを使いました。
しかし結果的にこれが相手の「溶接工」含めたエネルギー3枚貼りに繋がってしまい、そのまま試合が終わってしまったなという感じです。結果的にエリカが良く無かったとはいえ、同じ状況にあったらまた使うと思いますし、エリカ自体はミスではない…のかなぁ(苦笑)。
─なるほど。今日はどんなデッキで挑んだのでしょうか?
伊東氏:カメックス&ポッチャマGXを中心としつつ、ケケンカニとの親和性も考慮して水・闘デッキを組みました。
─試合前のトークで、溶接工が当たったけど外したと話されていましたね。
伊東氏:今回は炎エネルギーを付けるポケモンがあまり当たらず、カメックス&ポッチャマとの相性も良くないので外しました。実はアローラペルシアンGXも当たっていたんですが、戦える悪ポケモンがあまりいなかったので、迷いましたが水・悪から水・闘に変更した次第です。
─強いと言われるカードだけが当たってもバランスの良いデッキにはならないという、シールド戦ならではの奥深さが出ていますね…。ありがとうございました!
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