◆『SEKIRO』で立ちはだかる“ボス”を倒すのに「弾き」は必須? ごり押しは無理なの!? 実際に試してみた結果・・・
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『SEKIRO』最大の難関と言えばやはり、シナリオ進行上で避けて通れないボスとの戦いでしょう。倒さないと先に進めないことも多いですし、エンディングを迎えるにはラスボスとの対決は避けられません。こういったボスとの戦いは、“死にゲー”に限った話ではありませんが、その厳しさは高い傾向にあります。
しかも『SEKIRO』は、独特のゲームシステムを採用しているため、このシステムに慣れるかどうかもひとつの分岐点となります。ボスとの戦いでより顕著となる『SEKIRO』ゆえのポイントや、他の“死にゲー”と比べたケースなどもチェックしてみました。
【『SEKIRO』のここが厳しい!:ボスとの戦いについて】
■『SEKIRO』のバトルは「弾き」が熱い! ただし、判断力や反射神経が問われる・・・
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『SEKIRO』の戦闘において、「体幹」が重要な要素となります。相手の「体幹」を削っていき、そのゲージが貯まりきると「忍殺」が発動可能に。雑魚ならばこの一撃で即死ですし、HPゲージが数本あるボス相手でも、その分だけ「忍殺」を繰り出すのが勝利の近道となります。
ですがこの「体幹」は、普通に攻撃していてもなかなか貯まりません。鍵となるのは、敵の攻撃に合わせた“弾き”や“見切り”です。いずれも敵の攻撃に合わせてボタンを押すだけなので、操作そのものはごくシンプル。ただし、タイミングが合わないとただのガードになったり、モロにダメージを受けることも。ボスの与ダメージはかなり大きいので、2~3度ミスしただけで死んだり、最悪の場合は1撃で葬られたりもします。
敵の攻撃に反応し、連続攻撃を全て“弾き”返した後、相手に「忍殺」を食らわせる──これこそが、『SEKIRO』ならではの爽快感を味わえる瞬間です。しかし、そのためには敵の攻撃方法とタイミングを把握し、瞬時の判断と反射を正確に行わなければなりません。ゲームの腕前が問われますし、相手によって攻撃方法やタイミングが変わるので、その都度学び直さなければいけません。
そして“弾き”が失敗すると、そのまま大ダメージを負うケースが多々。“弾き”の失敗から防御に移行できればリスクは押さえられますが、それをそつなくこなすには、やはり一定の技量が必要です。その腕があれば、“弾き”も自ずと身に付くことでしょう。逆を言えば、“弾き”が苦手だと『SEKIRO』では苦戦を強いられがちです。
■攻略法が分かっても、実践できるかは別問題
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ボスの動きをしっかり把握し、どのような攻撃を繰り出し、如何なるタイミングに勝機があるのか。アクション系ゲームの基本とも言える攻略法は、もちろん『SEKIRO』でも有効です。初動のモーションで相手の攻撃を把握できれば、攻略の糸口も見えてくるでしょう。
しかし、活路が見つかったとしても、それを想像通りに実行できるかどうかは、また別の話。特に“弾き”は、相手の剣戟に対する返しなので、呼吸が合わなければ意味がありません。「Aの攻撃からBの攻撃に移り、そこからCが来るので、そこで合わせればよし!」と分かったところで、それをこなす「テクニック」、操作をミスしない「平常心」、長丁場でも揺るがない「集中力」などが求められます。
剣戟からの“弾き”は、ほぼ全ての敵に有効な防御手段であり、「体幹」を崩す最大の攻撃でもあります。また、“弾き”ではなく、アイテムに活路を見出すとしても、「出すだけで勝てる」といった安易な強さはないので、的確なタイミングや立ち回りも重要。「テクニック」「平常心」「集中力」は、他のアクションゲームと同様に、そして『SEKIRO』ではとりわけ重要な要素として、求められるのです。
【『SEKIRO』意外と優しいところも!?:ボスとの戦いについて】
■手強いボスには対抗手段が!? 遠回りがボス撃破の近道に
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『SEKIRO』のボスは確かに手強く、ごく一部の例外を除くと、いずれも強敵と言えるでしょう。“弾き”が上手く使えないと、絶望感を覚えることもしばしばあります。が、打つ手が全くないのかと問われれば、決してそんなことはありません。
例えば、前述した「赤目」も、この手のゲームに慣れていない方にとっては結構な強敵ですが、「赤目」に直行せずに寄り道することで、義手忍具のひとつ「火吹き筒」が手に入ります。この「火吹き筒」は「赤目」に対して非常に有効なので、あるとないとでは大違いです。
また、序盤の大詰めとして立ちはだかる「葦名弦一郎」は、『SEKIRO』のゲームシステムをとことん教えてくれる敵ですが、彼を倒さなくても更なる探索が可能。もちろん、ストーリーを進行させるには「葦名弦一郎」の打倒も必須なので、そのまま先に進み続けることはできませんが、先のステージにあるアイテムを一足先に入手することができます。
寄り道や探索を行うことで、有用なアイテムの獲得や体力の増強などで、自身の戦力を強化。万全を尽くした状態でも『SEKIRO』のボスは容易くありませんが、直行した場合と比べると戦いやすさは段違いです。プレイヤーによっては、回り道こそが最も近い道のりになることでしょう。
■“弾き”だけが全てじゃない!“弾き”を諦めてもラスボスは撃破可能
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『SEKIRO』の、独特かつ爽快感溢れる要素である“弾き”。これをマスターすることで、様々な難敵と互角以上に戦えます。攻略上、重要な位置にあるゲームシステムなので、使いこなせないと必然的に戦いは厳しいものとなります。
では、“弾き”が苦手なままだと『SEKIRO』はクリアできないのかといえば、決してそんなことはありません。現に筆者は、(詳しく書くとネタバレになるので、詳細は伏せておきますが)王道的なルートのラスボスを、一切“弾き”なしでクリアしました!
ちなみに、“弾き”よりも難しい高等テクニックを駆使した・・・という話ではなく、ごくごく単純に、「ラスボスのとある攻撃の後は、こちらが一方的に攻撃できる」という隙を見つけただけの話です。いわゆる一般的なアクションゲームの攻略手段に活路を見出し、その結果エンディングに辿り着くことができました。
隙と言っても、攻撃の終わりに合わせてダッシュで近寄って1~2撃、くらいが関の山。深追いすると手痛い反撃を食らうため緊張しまくりですし、「体幹」を崩してからの「忍殺」に比べるとかなりの長期戦になるため、集中力と持続力が問われます。気持ちよく、そして短時間で片がつく“弾き”での勝利と比べると、あまりお勧めできる攻略法ではありません。しかし、“弾き”を魅力の中心に据えながら、“弾き”以外の方法でもクリアできるのは、『SEKIRO』が持つ懐の深さと言っても差し支えないでしょう。
ラスボスの攻撃後の隙をなくし、“弾き”以外では勝てないバランスにするのも、開発陣には可能だったはず。しかしそれをせず、“弾き”という遊びを提案する一方で、他の遊び方も許容した『SEKIRO』。“弾き”を諦めたのにエンディングにたどり着けた筆者は、その優しさを一人噛みしめました。
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繰り返しになりますが、『SEKIRO』は決して簡単なゲームではありません。難しく歯応えがたっぷりで──容易くはないけども、優しさに溢れた一作でした。美味しさと辛さを兼ね備えた「旨辛」な料理があるように、『SEKIRO』は難しさと優しさを見事に両立。根本的にアクション系が苦手、という方でなければ、努力と発想、忍耐力である程度カバーすることができると思います。
難しそうだから・・・と『SEKIRO』を敬遠していた人もいるかと思いますが、興味があるならば一度触ってみても損のない作品なのは間違いありません。“弾き”をマスターして爽快に楽しむか、ダッシュで避けてダッシュで隙を突く長期戦に挑むか、プレイスタイルは貴方次第。印象よりも懐の深いゲームなので、忍者らしくあらゆる手段を講じて戦うのも、『SEKIRO』らしい遊び方でしょう。オフライン専門ですから、いつから始めても全く問題なし。この秋の夜長、戦国に出かけてみるのもお勧めです!
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