ESCONFとは、ゲーム業界に特化したコンスルティング会社ibMediaのフランク・シリフカ氏が2004年にドイツで開催した世界初のe-Sportsのビジネス&ネットワーキングカンファレンスのこと。今回、日本のe-Sports業界全体の活性化を目指すバンタンがシリフカ氏と提携し、「ESCONF TOKYO」として初開催しました。
本稿では、12月11日に行われたカンファレンス「e-Sportsと教育」についてのレポートをお届け。ステージには、e-Sportsをビジネスの観点から多方面でサポートするibMedia CEO兼 Epulze COOのフランク・シリフカ氏が登壇。
ゲーミングコミュニティでの成功に欠かせないハードスキルとソフトスキルについてや、海外の取り組みを例に、e-Sportsを学校で取り入れるべき理由などの説明が行われました。
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【登壇者】
●フランク・シリフカ氏
ibMedia CEO兼 Epulze COO。1997年よりゲーム業界及び展示会ビジネスに携わり、German Game Developer Award、European Games Award、アジアのSports Industry Awardを受賞するほか、ヨーロッパやアジアのゲーム業界におけるビジネスカンファレンスや展示会を成長させた。その後、German Esports Associationを創設し、会長に就任。2012年にゲーム・e-Sports・展示会業界専門のコンサルティング会社ibMediaを創設。
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シリフカ氏が、ミレニアル世代に関する「5つの真実」を語る
現在はibMediaのCEOとして活躍する傍ら、Esports Holidayの創設者及びEpulzeのCOOとしても活躍中のシリフカ氏。e-Sports産業はこれから拡大して業界が伸びていく一方で、e-Sportsを教育に取り入れることが必要不可欠になってくると会場に呼びかけます。
e-Sportsが教育と切り離せない理由について、シリフカ氏は以下の「5つの真実」を話します。
1.デジタルインフルエンサーが、新しいビデオフォーマットで何百人ものフォロワーを集めていること
2.ミレニアル世代(平成初期)のスターは、いずれもデジタルを利用していること
3.広告主は、エンターテインメントを通じてミレニアル世代と繋がること
4.ゲームは主流のポップカルチャーを定義すること
5.e-Sportsは新しいスポーツであること
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シリフカ氏は日本でもe-Sports市場を成長させるため、新たな雇用を生むためにも、何らかの資格を作ることが必要だとコメント。資格があれば、イベントのオペレーション面、チームを指揮するためのプログラムを作成することも可能だと続けます。
また、日本国内だけでなくグローバルに繋がることで、様々な価値を生み出すことにもなると強調。さらには利益を生むためのカリキュラムの作成や、学生やe-Sports選手と連携していくといったビジョンについても語りました。
さらに、アメリカがスクールリーグを組織化していること、イギリスがe-Sports協会に力を入れてるといった事例をあげ、「今後は資格を持つ人間がどんどん増えていく」と予測しました。
最後にシリフカ氏は「まだまだ取り組みは始まったばかりですが、e-Sports業界の拡大とともに、教育も関連して広がっていくはずだ」とまとめました。
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カンファレンス後には、シリフカ氏が聴講者からの質問に応じる場面も。ゲーム好きの子に勉強に興味を持ってもらうためにどうすれば良いかという問いに対して、「ITに関するプログラミング、ゲームプレイが(五教科に)どう接点があるのかを教えてあげるべきだ」と返答。教育現場で子供たちが関心を持っている内容を、どう資格に繋げるかを考えるべきだと話し、カンファレンスを締めくくりました。