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2020年3月12日発売の『仁王2』!!早速斬って斬られてをお楽しみのプレイヤーも多いのではないでしょうか!?編集部では製品版を先行体験できましたので、プレイレポートをお届けします。既に体験版でもかなり触れられており、重なる部分があるかとは思いますが、改めて序盤の感触をお伝えさせて頂きます。
いつでもできるキャラクリエイト!
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最初のステージについては、体験版で何度も触れたプレイヤーもいらっしゃるのではないでしょうか。ゲームを開始するとオープニングムービーがはじまり、その流れに沿ってキャラクタークリエイトへと続いていきます。
前作ではイギリスからやってきた異国のサムライ「ウィリアム」を操作することで、史実と絡めながらパーソナルなストーリー展開を楽しむものとなっていました。今作ではキャラクタークリエイトを導入しているので、プレイヤーは主人公そのものとして没入していくことになります。
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早速……その……キャラクリエイトをしてみました!!歌舞伎役者風キャラクターですが、ゲーマー的にはなんだか「頑張れ!」と応援したくなってきますね。様々なテンプレートが用意されていますので、せっかくですから利用しましょう。そうです、筆者はテンプレートのひとつを選んだにすぎません。何も悪くないです。
これから本作をプレイされる皆様へ大切なアドバイスをさせて頂くとすれば、ぜひ硬派なキャラクタークリエイトをした方が良いとだけ申し上げておきます。いやほんとですって。右下にも実在の人物風のテンプレートがありますが、そういう感じがいいと思います。
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ゲームを開始して少しすると拠点が利用可能となります。そこで「外見設定」を選ぶことにより、いつでも見た目を変更できるのです。特にコストは掛かりませんので、いきなり変なキャラクタークリエイトをしてしまっても安心です!!むしろどんどん保存してバリエーションを増やしましょう。
『仁王』シリーズは装備品の外見によって大きく印象が変わります。『仁王2』で武器も豊富になったことですし、この際楽しんでしまった方が得です。筆者はソウルライクなゲームを遊ぶ場合、どうしても腕力に任せた一本調子な攻略をしてしまいがちでしたが、それは見た目の意味でも遊びの幅を狭めてしまうという悩みがありました。
豊富なアクションに目移り必至
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前作の時点でも「構え」や「武器」の違いによる様々なアクションが可能だったこともあり、意外と全てを把握できていたプレイヤーは数少ないのかもしれません。『仁王2』ではこれに加えて、新たな武器や「妖怪技」が追加されましたので、使ってみるだけでも一苦労なんてこともありえます。
そこで、おすすめの技をひとつ紹介します。妖怪ゲージ(紫色のゲージ)が溜まっている状態で「R2+〇ボタン(デフォルト)」を押すと、やや大振りのカウンター攻撃を繰り出せるのです。しかしながら、体験版などで「どうもうまく使えなかった」という方もいらっしゃったのではないでしょうか。
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それには理由があります。守護霊には「猛」「迅」「幻」といった種類が存在しており、これに応じてカウンターの性質が変化するためです。「猛」の場合は妖怪の大技を潰すよう強引に当ててしまうことで成立となります。つまり、相手の攻撃を敢えて受ける動きをしてしまうと、普通にこちらがダメージを食らってしまうのです。
では「迅」ならばどうでしょうか。こちらは妖怪の大技に発生する攻撃判定へ当たりに行く形で発動すると成立となります。こちらの方がよりカウンター技という感じがしますね。この場合はこちらへのダメージはありません。このように、自分に憑依している守護霊による技の性質の違いを把握しておくと、確実に妖怪の気力を削れるという訳です。
しかも、これらは大ボスであろうと通用します。「常闇」と呼ばれる禍々しい雰囲気が発動してしまうと、プレイヤーの気力が回復しにくくなるというデメリットがあるのですが、むしろこの状態だと妖怪化に対するメリットが生まれるなど、悪いことばかりではありません。
タイミングを読んで攻撃を当てるのが精一杯……という繰り返しを打破するものとして、かなり有効な戦術ですので、ガンガン活用しましょう!!慣れてみると、思ったより強力ですよ。
「不変」を貫く潔さ
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『仁王2』のインターフェースは、割り切ったなと感じる程に前作を踏襲したものとなっています。複数の体験版を通した上で「不変」を貫こうとした要素のひとつです。
RPG要素としても、多くのソウルライクシリーズに見られるオーソドックスなスタイルを採用しています。経験値に相当する「アムリタ」を獲得し、回収できずにやられてしまえばロスト。キャラクターを強化する度に上昇するコストや、基本的に一極集中となる成長曲線などは、ほぼそのままです。
ステータスの振り直しについては前作よりも手軽なものにしたという開発者のコメントもありますので、先の妖怪技やキャラクリエイトに絡めて、まずは気軽に成長させてしまうのが良いと思います。
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通常配置されている敵キャラクターとやや異なる強さを誇る「血刀塚」も、前作同様に健在です。ここまでを見ると、一体何が変わったのだろうと感じられるかもしれませんが、全体を通して「操作性の自由度が高まった」という印象があります。
決して難易度が下がっているという訳ではないのですが、理不尽さはより排除された印象があるのです。はじめの一回目は攻略に時間が掛かるとは思いますが、うまい具合に敵を無視してしまえたり、こまめにショートカットが解放されていったりといったレベルデザインは、前作よりも親切なものとなっています。
プレイヤーのアクションの幅や身軽さの向上、レベルデザインの多様さが相俟った結果として「より遊びやすい」ものという感覚に繋がっている訳です。もちろん、難しさ故の達成感を前面に押し出しているタイトルですので、その点をごまかしてオススメする訳にはいきませんが、ブラッシュアップされた側面であることは確かだと言えるでしょう。
妖怪大行進!!ケレン味を楽しみ尽くせ
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作風としては『仁王2』の方が明るくなったと言えます。より活劇としてのお祭り具合が上昇している感じです。(キャラクリエイトも含めて)どっちが妖怪だか分からない主人公をはじめとして、「すねこすり」といったカワイイキャラクターも増えています。
ステージも明るい場所がふんだんに登場しますし、主要な登場人物には当然のように守護霊がつきまくり、妖怪大行進の様相を呈しています。西洋の暗いお城から始まった前作と対比すると、ちょっとやりすぎなくらいかもしれませんね。
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それでも流石は歴史に強いコーエーテクモゲームスのタイトルだけあって様々な武将が登場し、活躍する場面はそれだけでも興奮できるというものです。前作でも人物や妖怪のアーカイブはかなり詳しい記述があり、海外でも特に評価されていました。武将のデザインも渋くカッコよく、リアルな方針なのは変わらない魅力です。
明るめになったとは言え、凄惨な現場の雰囲気は極めて独特なものを作り上げています。「常闇」のおどろおどろしい空気と、激しくもまとわりつくように変化していくサウンドによって、明るいのに恐ろしいという不思議な環境を生み出すことに成功しています。
高難易度でステージクリア型でもあることから、プレイには集中力を要することは間違いありません。うまくケレン味を楽しむ余裕を持ちながら、じっくりと遊んで頂ければと思います。
軽妙な冒険活劇を支える俳優陣
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竹中直人氏が扮する藤吉郎と主人公の出会いから物語は始まります。主人公は半妖として世間から離れて暮らしていた身分ですが、そこに「霊石」を集めて商売としていた藤吉郎が現れ、あわや完全に妖怪と化してしまう所を助けられたのでした。
二人は乱世の中であっても互いの力を合わせれば成り上がっていける、と逞しく決意しあうのです。前作のウィリアムが大切な守護霊を奪われて一人旅立つ冒頭だったことを考えると、対照的な始まり方だと言えますね。
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遊びのバリエーションが強化された『仁王2』は、新規IPとして大ヒットした前作をどう乗り越えるのかが課題だったと言えます。続編として、単純により難しい方向性に行き過ぎてしまうことなく、基本を見失わずにいながら多様性を獲得したのです。
コンシューマタイトルとしては異例なほどの体験版を重ね、何よりもプレイヤーの目線を重視した開発陣の思いは間違いなく結実していると言えるでしょう。
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『仁王2』は2020年3月12より発売中です。