ついに9月に突入!!まだまだ残暑の厳しい頃ですが、暦の上では早くも秋へと足を踏み入れてしまいました。
『あつまれ どうぶつの森』でも登場する生物の顔ぶれが大きく変わるタイミングです。北半球では真夏の虫たちが姿を潜めはじめ、秋の虫が現れたりあるいは春の虫がまた顔を出したり…。
そういえば、昨日は岩をいじくっていたら久しぶりにこの虫を発見しました。
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ダンゴムシ!夏の間どこかに隠れていた彼らもあつ森ワールドに復帰です。
現実では岩や落ち葉をひっくり返せば真夏でも観察できる虫ですが、やはり涼しい秋冬の方が活発になります。
のんびりと地を這う彼らにとって、夏の日差しで焼けた地面は辛いのかもしれません。
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『あつ森』のダンゴムシは「オカダンゴムシ」!
ところでみなさん、ダンゴムシにも種類があるのをご存知でしょうか?
一口にダンゴムシといっても国内だけで300以上、世界では5000もの種が存在すると言われています。
しかもダンゴムシの分類というのはまだまだ発展途上の学問分野で、まだ名前がついていないものがワラワラいるという説も…。意外にも奥が深く探求しがいのある生物なんです。
では『あつ森』で捕獲できる「ダンゴムシ」はそれら大所帯なダンゴムファミリーのうちどの種なのでしょうか?
ボリューミーな暗灰色のボディーと人里の石の下に潜むという生態から見て、おそらくこれは「オカダンゴムシ」である可能性が高いと思われます。
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オカダンゴムシは日本各地に生息するもっとも一般的なダンゴムシ で、刺激を受けると丸くなって身を守るおなじみの生態からマルムシなどとも呼ばれます。
オカダンゴムシはあらゆる日本産ダンゴムシの中でも特に人里や街中に適応して幅をきかせています。公園などで子供たちの遊び相手になっているダンゴムシはほとんどのケースで本種でしょう。
しかし、彼らには意外な秘密が。
なんと!オカダンゴムシはもともと日本には分布していなかったのです。
彼らはもともとヨーロッパの原産であるとされ、資材や土壌に紛れて日本に渡来したものと考えられています。
それどころか、今や彼らはほぼ世界中に拡散しているのです。ちなみにこうした生物をコスモポリタン種(汎存種、汎世界種とも)と呼びます。
いろんなダンゴムシたち
は~。恐るべしオカダンゴムシ。
ではその他にはどんなダンゴムシがいるのでしょうか?
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まず、もともと日本に生息しているダンゴムシにはコシビロダンゴムシ科のものが多く見られます。
コシビロダンゴムシの仲間はオカダンゴムシよりも一回り以上小型な種が多く、公園や庭のような人間に近い環境より森や山の中といった自然あふれる場所でよく見つかります。
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また、南西諸島には見た目が華やかな種も見られます。
八重山諸島に分布する「フチゾリネッタイコシビロダンゴムシ 」と呼ばれる種は個体によって顔の周りがオレンジ色に染まりとてもかわいらしい姿をしています。
しかもこのフチゾリネッタイコシビロダンゴムシはなんと石の下ではなく木の上に住んでいるのです。
いろんなダンゴムシがいるんですね~!
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また、最近はペットとしてのダンゴムシ人気が高まってきており、外国産の綺麗なダンゴムシが輸入販売されることもあります。
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体が小さく場所を取らないこと、鳴き声やニオイが出ないこと、餌の用意が簡単(落ち葉や腐葉土、金魚の餌など)なことなどが人気の秘訣でしょうか。
たしかに飼ってみると、よく殖えるし手間はかからないしでなかなか面白いものです。
ただし、オカダンゴムシのように野生化する可能性もあるので絶対に野外に放さないようにしましょう。
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ダンゴムシに間違われやすい虫たち
また、ダンゴムシと混同されがちな虫として「ワラジムシ」が挙げられます。
真上から見るとシルエットはダンゴムシによく似ていますが、より平たく薄く、ちょっとフナムシっぽい雰囲気があります。
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あるいは動き方から見分けることもできます。
ワラジムシは指でつつかれても外敵に襲われても丸くなることはできません。ただし、ダンゴムシに比べてずっと足が速く、危険が迫るとダッシュで逃げ出します。
守りのダンゴ、逃げのワラジといったところでしょうか。
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また、この虫もダンゴムシと勘違いされがち。
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落ち葉の下や倒木で見られるこの縞模様の虫。ドーム状の体型に丸くなる能力、どこからどう見てもダンゴムシですが、実際のところは縁もゆかりもございません。
これはマルヤスデというヤスデの仲間なんです。
ダンゴムシとは脚の数を見れば確実に見分けられます。成虫の場合、ダンゴムシは左右7本ずつの計14本ですが、タマヤスデの場合は左右15本ずつの計30本と実に二倍の差があるのです。
しかしまあ、丸まり方に至るまでよくもこれほどそっくりに進化したものです
以上、今回は意外に奥の深~いダンゴムシワールドの入り口を紹介しました。
『どうぶつの森』シリーズ次回作ではセミ類やバッタ類並みにダンゴムシのバリエーションも増えることを期待しています!
『あつ森』博物誌バックナンバー
■著者紹介:平坂寛
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Webメディアや書籍、TV等で生き物の魅力を語る生物ライター。生き物を“五感で楽しむ”ことを信条に、国内・国外問わず様々な生物を捕獲・調査している。現在は「公益財団法人 黒潮生物研究所」の客員研究員として深海魚の研究にも取り組んでいる。著書に「食ったらヤバいいきもの(主婦と生活社)」「外来魚のレシピ(地人書館)」など。
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