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荒廃した近未来を舞台に、愛用の戦車を駆ってWANTEDモンスターを倒し、その報酬で大胆なカスタマイズを行い、自分だけの戦車を作り上げていく『メタルマックス』。ファミコン時代に1作目が生まれ、以降様々なプラットフォームに展開した名シリーズです。
ナンバリング展開やリメイク作のリリースなどもありましたが、コンシューマ向けとしては2013年発売の3DSソフト『メタルマックス4 月光のディーヴァ』以来、しばらく音沙汰のない状態が続きます。
その沈黙を破ったのが、2018年に登場したPS4/PS Vitaソフト『メタルマックス ゼノ』(以下、ゼノ)でした。当時の最新ハードに進出したこともあり、シリーズファンを中心に『ゼノ』に対する注目が集まります。その出来映えは賛否両論こそあったものの、ここからシリーズの更なる展開に繋がると、期待を込めた方も少なくありませんでした。
そんな『ゼノ』の発売から2年が経過した、2020年9月10日。シリーズに新たな一歩を刻む『メタルマックスゼノ リボーン』(以下、リボーン)が、PS4/ニンテンドースイッチ向けにリリースされます。
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タイトルから予想がつく方もいるかと思いますが、本作は『ゼノ』をベースに再構築し、“完全新作級の再誕(リボーン)”を果たした作品です。そのため、舞台となる世界や物語の大筋などを踏襲する一方で、ゲームエンジン刷新の恩恵を受けてグラフィックが大幅にパワーアップ。バトルやUIなどにも大きく手が入り、文字通りの“再誕”を遂げました。
しかし“再誕”と言われても、「一体どんな進化や変化が?」と気になる方も少なくないことと思います。そこで今回は、発売に先駆けて『リボーン』をプレイした実感や、『ゼノ』との違いなどを交えたプレイレポートをお届け! 本作のプレイ感を知りたい人や、購入するか悩んでいるユーザーは、このレポを参考にしてみてください。
なお、今回のプレイレポは「隅田川ドライアウト」にたどり着くまでの範囲となります。
足りないところを補うよりも、むしろ削ぎ落とす! 大胆な舵を斬った『リボーン』のストーリー展開
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前作経験者としてまず気になったのは、『リボーン』のストーリー展開。というのも、ベースである『ゼノ』は、シナリオ面の評価が割れがちだったためです。過去作と比べても“人類の破滅的状況”がかなり際立っている『ゼノ』は、このシチュエーションを活かした物語が紡がれます。その関係からセクシャルな話題が飛び出すこともあり、「『メタルマックス』らしくない」といった意見が持ち上がりました。
また、扱うテーマが大きい一方で、シナリオのボリュームとしては物足りない面があり、個人的には「もう少し深堀りして欲しい」と思った部分も。シチュエーションが美味しいだけに、当時プレイしながら勿体なく感じたことを覚えています。
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この面について、果たして『リボーン』がどのように取り組んだのか。その結論を先に述べるならば、『ゼノ』で足りなかった描写を存分に取り入れる──のではなく、真逆とも言える“削ぎ落とし”が行われていました。
主人公の「タリス」(名前の変更は可能)は復讐のために旅を続けており、『ゼノ』では冒頭からその背景が詳しく描写されていました。しかし『リボーン』は、そういったシーンの挿入をせず、最低限の説明のみ。拠点のアイアンベースに初めてたどり着いた時も、状況の伝達とシンプルなやりとりだけで、人類を滅亡の淵に追いやっているモンスター「SoNs」に関する詳しい説明などもありません。
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また、キャラクターのひとり「トニ」が仲間に加わる際、『ゼノ』では貴重な女性を戦いの場へ出すことに反対する意見が出て、一悶着ありました。ですが本作の場合、人類存亡の危機という状況は変わりませんが、トニが戦いに身を投じることに異を唱える者はおらず、至極あっさりと仲間に加わりました。『ゼノ』でこの点が気になった方には、朗報と言える変更点でしょう。
人によっては足りないと感じたストーリー面について、その部分を補強・補足するのではなく、むしろ“削り落とす”という判断を下した『リボーン』に、前作経験者としてまず驚かされました。ですが、『メタルマックス』として考えてみると、この方向性は十分アリだとも感じます。
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本シリーズは元々、大量のテキストで物語を描く作品ではありません。危険なモンスターが徘徊する荒野の中を、鉄と硝煙の匂いに包まれながら突き進むその姿が、厳しい環境にあってもタフな生き様を見せる人間の強さを描写してきました。ならば、多くの言葉は必要ないのかもしれません。
また、『メタルマックス』シリーズの軸となる魅力は、戦車のカスタマイズと、その愛車による豪快なバトルにこそあります。足りない部分を補う“優等生的な作品”を目指すのではなく、最低限の描写以外は想像の余地に任せ、リソースをバトルとカスタマイズにつぎ込む。『ゼノ』よりも更に研ぎ澄まし、特化を極める方向に突き進んだ『リボーン』の在り方は、いっそ爽快ですらありました。
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綿密なストーリー描写を求める方の期待には応えられないかもしれませんが、作品の方向性をはっきり打ち出すその姿勢は、ある種の英断と言えるでしょう。受け手からすれば、引っかかるなら触れてみる、ピンと来なければ止めると、プレイするかどうか判断しやすいのも助かるポイントです。
加えて、ストーリー面の変化は、ゲーム性にも影響を及ぼしています。トニを含め、本作では様々なメンバーが加入。前作にはいなかった戦闘犬「ポチ」(名前の変更は可能)も、今回は頼もしい相棒として活躍してくれます。
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しかしそれは、無事再会した時の話です。『ゼノ』では、ゲームの進行に従って仲間が増えていきましたが、『リボーン』の仲間は自分で見つける必要があります。逆を言えば、敢えて仲間を増やさずに先へ進むことも可能なのです。
なお、見つけた仲間含めアイアンベースのキャラクターたちとは『ゼノ』に無かった要素として親密度による各きキャラ毎の追加シナリオが進行し、それぞれにフェイクエンディングが用意されている、との情報があります。ストーリー描写を削ぎ落とす一方で、進行の自由度に対しては、自由を楽しむための想像力を喚起する補強がなされているのでしょう。
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タリスのみで最後まで遊べるのか、その状態でクリアできるのか。そういった点については定かではありませんが、少なくとも序盤の仲間たちと出会うか否かは、プレイヤーの判断と選択に委ねられています。
『メタルマックス』シリーズの多くは、自由度の高さも魅力でした。手強いWANTEDモンスターがいれば後回しにし、強力な戦車や頼もしい武装を手に入れてから立ち向かう──そんなプレイを楽しんだ方もいるはず。
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レールの上を走るのではなく、蛇行や迷子かもしれなくても、自分で行き先を決めて荒野を走る。その醍醐味も『メタルマックス』シリーズの持ち味でしたが、その自由さを『リボーン』が取り戻しているようにも思います。
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もちろん仲間の加入だけでなく、WANTEDモンスターとの戦いを後に回せる自由さも健在。むしろ最初に出会うWANTED「デスデリバラー」との初対面時に、ナビゲーターから「攻撃をかいくぐって先に進むことを検討してください」と促されるほど。どの敵といつ戦うか、誰と出会って仲間にするか。そのタイミングや判断を、プレイヤーが決定できる自由さが、『リボーン』にはあります。
臨場感と『メタルマックス』らしさの両立を目指し、パワーアップしたグラフィック
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ストーリーの扱い方と同様に大きく変わったのが、『リボーン』全般における「グラフィック」です。この点については、本作のスクリーンショットを見てもらうのが一番分かりやすいかと思いますが、アニメ色の強かった『ゼノ』の路線から一変し、荒廃した世界の雰囲気をより醸し出す表現へと踏み込んでいます。
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特に、戦車の描写は格段に進化。命を預ける相棒が重厚感たっぷりに描かれているのは、理屈抜きで嬉しい部分です。
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TPS視点なので、乗り込んだ後の移動中も戦車をしっかりと拝めます。最序盤は1両だけですが、次第に戦車は増えていくので、コレクションして楽しむもよし。目的に合わせて乗り換えていくのもまたよしです。
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荒れ果てた世界の臨場感はフィールドの景観にも現れており、砂漠にほぼ飲み込まれ、崩壊した都市機能の一部などが辛うじて確認できる程度です。拠点のアイアンベースは十分機能しているので、この世界では数少ない、まともな建築物と言えます。
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アイアンベースの内部は、重厚さを感じさせる作りに。しかし、施設内の光量はやや押さえられています。おそらく、エネルギー資源を節約するためでしょう。
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施設やダンジョンへの出入り、ファストトラベルなどでロード画面が挟まることも。この時に一枚絵が表示されるのですが、荒涼としつつもどこか美しいこの世界が描かれており、細かい部分でも臨場感を演出してくれます。
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しかし、誤解のないように触れておきますが、グラフィックのクオリティ単体で見ると、際立ったハイレベルとまでは言えません。まるで実写のような描画も可能なこの時代。AAAクラスの大作と比べると、戦車の描写はかなりいい線だと思いますが、フォトリアルさでは残念ながら及んでいないのが現状です。
ただし、『メタルマックス』シリーズにフォトリアルが必要不可欠だとは、個人的に思っていません。もちろん、臨場感を出すため一定以上の描写は求めたいですし、3Dで世界を描くとなれば、超えるべきハードルもあるでしょう。
その一方で、恐竜と戦車が融合したモンスターも徘徊するのが、『メタルマックス』の世界。荒唐無稽で、時折ユーモアさも混じえ、しかし手強い強敵として様々なモンスターが襲いかかる本シリーズの方向性と、緻密でリアリティに溢れた描写は、必ずしも相性がいいわけではありません。
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個性的な見た目を持つ敵は、ユニークなだけではなく、同時に“異質さ”を感じさせます。『メタルマックス』の戦いは、話せば分かり合えるかもしれない人間同士の戦いではなく、人類とは決定的に違う存在を相手にした生存競争である──そんな作品世界の現実を、言葉ではなくデザインで表現している点は、『リボーン』も踏襲しています。
そのため、デフォルメ要素も含んだデザインを持つモンスターたちに、写実的な表現を求めすぎると、作品全体のバランスを崩す恐れがあります。そして、彼らが馴染む世界にする必要性から、フィールドのデザインには親和性が求められ、リアルだけを突き詰める描写が最適解ではないことも分かります。
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『リボーン』の描写が、『メタルマックス』シリーズにおける最適解かどうかと問われれば、まだ進歩の余地はあるように思います。ですが、意志と方向性を感じさせる『リボーン』のグラフィック進化は、シリーズにとってもいい変化を与えてくれたように思います。今後予定されている『リボーン2』や『CODE -0- コードゼロ(仮称)』で、更なる進化を見せてくれることでしょう。
どの敵といつ戦い、誰を仲間にするか。あなただけの選択で、シームレスなバトルに挑め!
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『メタルマックス』シリーズの華といえば、敵モンスターとのバトル! その点は、『リボーン』も同様です──が、バトルシステムは『ゼノ』から大きく変わったポイントもあるので、前作経験者も侮ることなくしっかりチェックしておきましょう。
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大きな違いのひとつは、戦闘がシームレスになった点です。フィールド上に敵モンスターが徘徊しており、モンスターの視界内に入ると「ターゲットライン」でこちらを補足。そして警戒ゲージが上昇し、最大になると戦闘開始。画面の切り替わりなどは一切なく、位置関係もそのままで戦いに突入します。
移動と戦闘に境目がないので、臨場感は満点。また、敵の動きやタイミング次第では、一度に戦う敵の数を調整することも可能なので、戦いやすく立ち回ることもできます。
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そして前作の戦闘は、全員の行動選択を一度にまとめて行う形でした。しかし『リボーン』の戦闘は、ターン制という点では同一ですが、半リアルタイムで進行。素早さによって行動順が回ってくるシステムに変わっています。
戦況は刻一刻と変化していくため、キャラクターの行動選択はより重みを増した印象です。今回の攻撃で敵を倒しきれるのか、倒せない可能性を考えるとアイテムを使った方がいいのか──こういった悩みに翻弄されるのも、RPGの醍醐味でしょう。なお、コマンド選択時は時間が停止しているため、考える余裕は十分あるのでご安心を。
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ちなみに、敵を掃討する手段は、ターン制バトルだけではありません。敵の警戒ゲージが最大になる前ならば、敵を一方的に攻撃できる「射撃モード」でダメージを与えることができます。
「射撃モード」は、戦車の大砲や機銃、S-Eなどを駆使し、敵に対して先制攻撃を与えるモードです。戦車で移動していれば、いつでも「射撃モード」に移行可能。操作は、使用する武装を選択し、敵を照準に収めてボタンを押すだけ。
ダメージを負った敵はそれだけ倒しやすくなりますし、火力が十分ならば「射撃モード」だけで敵を倒すこともしばしば。ターン制RPGなのに、ターンに突入せず戦闘が終わる──そんな豪快さを『リボーン』でも味わわせてくれます。
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そしてもうひとつ、『ゼノ』と明確に違うのが、敵の再出現についてです。『ゼノ』の敵は、移動に合わせてポップする形でしたが、『リボーン』の敵は既にフィールド状に点在しており、時には密集していることも。広いエリアなら回避もできますが、限られた場所で密集していると、乱戦にならざるを得ません。
ですが、敵を倒すと一定時間が経たないと再出現しないので、掃討した後はしばらく安全に行き来ができます。大砲やS-Eは弾数が限られているので、消耗を押さえたいところですが、まず一度敵を倒してから補給し、立て直した状態で先に進む。そんな戦略で攻略していくことも可能です。
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バトルがメインのゲームであれば、戦闘バランスは特に重要なチェック項目となります。そして『リボーン』におけるバランスは、かなり絶妙だと感じました。前述のように射撃モードだけで済む場合もありますし、雑魚であっても集団になることで歯ごたえのある展開を迎えることも。この緩急が、爽快感と緊張感を上手く両立していました。
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そしてWANTEDモンスターの存在が、大きな壁となって容赦なく立ちはだかります。序盤は戦車が1両なこともあり、初見でWANTEDモンスターを倒すのは至難の業。無策で正面から挑めば、敢えなく倒れるのみでしょう。
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実際に筆者がプレイした際も、「ガンタウロス」をはじめとするWANTEDモンスターたちに散々泣かされました。
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ですが、モンスターをかわして先に進み、仲間の加入やバギーの入手、戦車のカスタマイズなどを行ったところ、なんとか「ガンタウロス」に勝利。その報奨金を元に「金属探知器」を購入し、カスタマイズ素材や戦車などを手に入れて、戦力の拡大に成功しました。
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3両編成となれば、心強さも大違いです。戦車のカスタマイズも更に進め、それまで乗り越えられなかったモンスターを次々と撃破! ひとつの歯車が回り出すと、いくつもの状況が連動して好転していく。実に『メタルマックス』らしい展開です。
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難所を乗り越える手段は、レベルアップによる育成だけでなく、強敵をパスして広範囲に進める「探索」、試行錯誤が楽しい「カスタマイズ」など、多彩に用意されている『リボーン』。その成果を見極めるバトルは、楽しさの集大成的な役割を担っています。
ちなみに全滅した場合、デスペナルティなしで復活できるので、強敵相手に気軽な気持ちで挑めるのも嬉しいポイントでした。
『ゼノ』よりも自由度が増した「カスタマイズ」─大砲を5門積んだっていいじゃない!
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そしてバトルと並び、大きな魅力となるのが「カスタマイズ」です。愛車である戦車の初期状態は、ある程度の装備しか積まれていない場合がほとんど。中には、大砲やエンジンもなく、シャーシのみといったケースもあります。
様々な戦車を自分好みに仕上げていく「カスタマイズ」は、本シリーズ全般を通して欠かせない要素。最大火力をとことん突き詰めたり、リアル重視の作品ではたどり着けないトンデモ戦車を作成するなど、その楽しみ方はユーザー次第です。
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『ゼノ』もカスタマイズの楽しさが詰まっていましたが、『リボーン』では更に自由度が増し、幅広い試行錯誤が楽しめるようになりました。例えば、車両に武装を付ける「穴」は、どの戦車でも5つまで空けることが可能。便宜上「戦車」としていますが、もちろんバギーに大砲を積むこともできます。
攻撃力は高いが、弾数が限られている「大砲」。大砲ほどの威力はないものの、弾数制限がない「機銃」。弾数は少な目で重量もかさみますが、特殊な攻撃が可能な「S-E」。そして同じカテゴリーでも特徴や使い所は武装によって異なるので、膨大な組み合わせを試行錯誤する嬉しい悩みが、プレイヤーを待ち受けています。
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また武装は、改造を施すことでパワーアップします。費用と素材はかかりますが、手塩にかけた分だけ強くなってくれる確実な手段です。例えば「バギー・ガン」を「極」に強化すると、単体に12回も攻撃する凶悪な兵器に! この例だけでも強化の重要性が理解できますし、改造やカスタマイズがもたらす成果と楽しさも伝わることと思います。
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そして、武装を更にパワーアップさせる「特性チップ」の存在も、カスタムする上で欠かせません。特性チップを装備すると、戦車に特殊な効果が付与されます。今回プレイした範囲で手に入った「連撃神話W4」は、「穴4につけた兵器で2回連続攻撃ができるようになる」という代物。こんなにパワフルな装備が序盤で手に入るのも、『メタルマックス』ならではでしょう。
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弾数の問題もありますし、特性チップの中には複数の武器を一度に放つ「ラッシュ」型の効果を持つものもあるので、大砲や機銃は多いに越したことはありません──と言いたいところですが、積みすぎることで弊害も生まれます。
戦車の性能は、「エンジン」に大きく左右されます。エンジンのパワーによって積載量が変わり、積載量以上の武装を積んだら当然走れません。また、積載量の余り分が「SP」(装甲タイル)に換算されるので、ぎりぎりまで積んでしまうと装甲が薄い戦車となり、ちょっとの被弾ですぐ故障するハメになることも。
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そのため、大事なのはバランス・・・ですが、敢えて偏った戦車を運用するのも、楽しみ方のひとつ。ゲーム進行だけでなく、カスタマイズや戦い方の自由度が高いのも『リボーン』の特徴です。
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刃のような武装を積んだり、主砲を2門付けたり、バギーなのに大砲を積んでみたりと、自分だけの戦車を生み出す面白さを存分に味わってみてください。
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様々な魅力を持つ『メタルマックスゼノ リボーン』ですが、残念ながらいい点ばかりではありません。例えば、戦車の移動が基本となるためか、キャラクターの操作はちょっと重くて遅め。『ゼノ』と比べると快適さは落ちるので、敢えて調整した範囲だと推察しますが、もどかしく感じたのも事実です。
また、ファストトラベル時のロード時間などは、『ゼノ』と比較すると明らかに長くなりました。これは、『ゼノ』が快適すぎたせいでもありますし、グラフィックなどのデータ量が増えた影響だと思われるので、トレードオフな一面でもあります。
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全てにおいて「快適」「素晴らしい」といった出来映えではなく、むしろその魅力を絞り込み、更に研ぎ澄ませた『メタルマックスゼノ リボーン』。優等生ではないその作りは、万人受けは選ばず、『メタルマックス』を待ち望む人に注目した仕上がりのように感じます。
その対象に自分が含まれているか否か。あとは、ユーザー自身の選択に委ねられる──本作は、そんな力強さを持ったタイトルでした。個人的には、今後も見据えて応援したい一作です。
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