2Kが発売したPS4Xbox One/PC向けソフト『マフィア コンプリート・エディション』は、禁酒法時代のイタリアンマフィアを題材とした2002年発売のクライムアクション『Mafia: The City of Lost Heaven』のリメイク作品です。
本作のフィールドはシームレスに広がっているため、一見オープンワールドゲームのように思えますが、実は違います。ストーリーはチャプター形式になっており、プレイヤーは課せられたミッションをこなすだけなので、自由度はほとんどありません。オープンワールドゲームの要でもある探索要素も少ししか用意されていません。
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本作は、クライムアクションとストーリーのふたつの要素が研ぎ澄まされたゲームです。特にシリーズ第一作目である本作は、カタギだった男がイタリアンマフィアの世界に足を踏み入れる物語が描かれており、そのストーリーのクオリティの高さといったら映画に勝るとも劣りません。
オープンワールドゲームをプレイするには膨大な時間が必要です。無数のクエストを受注したり、全てのダンジョンを探索したり、オンラインモードに挑んだりすると、100時間なんてあっという間。ゲーマーにとってハイクオリティかつボリューミーな御馳走であると同時に“重く”もあり、なかなか手を出しづらいのではないでしょうか。
そんなオープンワールドゲームに一種の疲れを感じている人こそ本作のプレイがオススメなので、魅力ポイントをサクッと紹介します。
主人公はカタギのタクシードライバーだった
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主人公であるトミーはただのタクシードライバー。これまではマフィアに関わる人と付き合っておらず、カタギとして真面目に生活を送っていました。
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しかし、マフィアの抗争に巻き込まれてサリエリファミリーと関係を持つことになります。それでも今までのように平穏な生活を送ろうとしますが、サリエリファミリーの敵対組織の標的にされ、自分の身を守るためにサリエリファミリーの構成員になり、殺伐としたマフィアの世界に足を踏み入れます。
つまり、プレイヤーは、一般人だった新人マフィアのトミーの視点を通してイタリアンマフィアのしきたりや構成員の関係性、街の勢力図などを知っていくことになります。
この構図が非常にわかりやすく、ストーリーも頭にスッと入ってきました。
ストーリーはひとつしかない
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前述したとおり本作は完全なオープンワールドゲームではありません。オープンワールドゲームというと、ミッションが終わると自由行動になり、クエストマーカーの場所まで行かないと次のミッションが始まらないことがありますが、本作では、ミッションが終わればすぐに次のストーリーシーンが始まり、新たなミッションが開始されます。
筆者としては逆にこのあっさり感が心地よく、プレイのモチベーションに繋がりました。オープンワールドゲームのように複数のミッションはないのでストーリーに集中できます。
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もちろん、リメイク版で蘇った本作の街並みは本当に綺麗なので、それをただひたすら眺める価値はあるのですが、それは様々なミッションに挑戦できるフリーライドなどの要素をやりながら楽しんでみても良いでしょう。
マフィアらしい多彩なミッションがある
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記事冒頭で説明したとおり、本作には銃撃戦やカーチェイス、肉弾戦などのアクションパートがあります。ただ、それだけではなく、標的まで到達するステルスパートがあったり、賭けレースの妨害のために車を壊したり、政治家を暗殺するために狙撃ポイントまで行ったりと、その内容は多種多様で、プレイ中は単調に感じることはありませんでした。
良いところばかり書きましたが、作り込みが少し雑な部分もあります。
例えば、敵とカーチェイスをしていたら、敵の車が通行中のタクシーと交通事故を起こして横転し、ミッションが進まなくなったことが何回かありました。ただ、このようなアクシデントは昔の箱庭ゲームらしくて筆者としては好きです。
このように本作は、クライムアクションとストーリーのふたつの要素が研ぎ澄まされたゲームであり、完全なオープンワールドゲームではありません。重厚で濃密な内容を味えながらもそこまでボリュームマシマシではないのが本作の良いポイントです。オープンワールドゲームに苦手意識がある人にこそオススメですよ!
なお、『マフィア コンプリート・エディション』と『Mafia 2』のHDリマスター版『マフィアIIコンプリート エディション 』、『マフィアIII』の豪華版『マフィアIIIコンプリート エディション』の3作品が収録された『マフィア トリロジーパック』も発売中。シリーズを網羅したい人は、こちらもチェックしておきましょう。