その最新作である『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2 クロスブースト』(以下、本作)が、いよいよ来年2021年春より全国のゲームセンターで稼働開始であると先日発表されました。
2020年11月に行われたそのメディア向け体験会の際に、制作プロデューサーの中館賢氏&大久保人氏に少しだけお話を伺うことができましたので、本稿にてお届けします。なお、体験レポートは別記事で掲載中です。あわせてチェックしてみてはいかがでしょうか。
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『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2 クロスブースト』は新EXバースト2種や新システムが追加!マッチングに関する変更点も
https://www.inside-games.jp/article/2020/11/11/130007.html
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EXバーストクロスは初心者の人にもわかりやすいEXバースト使用タイミングを提示する意図がある
――『エクバ2』の追加機体がカバカーリーと言うのは意外に感じました。
大久保人氏(以下、大久保):やっぱりスタービルドストライクガンダムもユニコーンガンダム3号機 フェネクスもわかりやすく人気機体なので、『クロスブースト』の頭に持ってきたかったんです。
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――『クロスブースト』の大きなところとして、EバーストとLバーストを統合した理由をはじめ、EXバーストシステムに今回大きく手を入れた理由を教えてもらいたいです。
大久保:ゲームの根本的な部分は継続してやっていくのが前提なのですが、システムの部分に変更を加えることで新しい遊びや戦略を提供したかったのです。ですが今回で新しいEXバーストを加えるとしても、6個は流石に多いなと感じていました。また数が増えてしまうと使い方も難しくなってしまところがあるので、現状の5個が妥当なところだと判断しました。
これまでのFバーストなら格闘、Sバーストなら射撃、Mバーストならスピードとわかりやすい特色を持っています。そこに今回から攻め特化のRバーストと支援特化のCバーストを追加することで、5つの特色を出せるのではないかなと。
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Cバーストについては、EバーストとLバーストの強すぎた部分と弱すぎた部分を統合して丸くした形になります。なのでまた前作とは違った戦略が出てくるのではないかなと思っています。
バーストクロスのシステムについては、お互いのEXバーストの時間が被っている間は選んだバーストに応じて追加効果が得られます。数値などは書いていないので文言だけを見ると「ヤバいのでは?」と思うかもしれないのですが、キチンと破綻しないような調整をしていきます。
ゲームに慣れていない人たちがEXバーストを発動できずに終わってしまう、いつ使ったら良いのかわからないことは把握していて、考えとしては「EXバーストを使いやすいタイミングを初心者の人にも提示できるのではないか」というところがあります。
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例えば敵チームのどちらか1機を落とせば勝利でき、ふたりともEXバーストを持っている状況などは一気に勝負を決めたい場面です。そういった状況でふたりでEXバーストを使えば間違いない、みたいな定義になればと思ったのです。
とはいえ『機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダム』の“Gクロスオーバー”のようにふたり同時に操作を行うものではなく、バラバラにEXバーストを使用しても構わないです。おそらくコスト帯や編成によってEXバーストの溜まり方は変わってくるので、使い方も状況に応じて様々になってくるのではないかなと。
後は如何に調整するかだと思っています。今回のクローズドβの段階でユーザーのみなさんに一度触ってもらい、その結果を見て調整していく前提です。また、既存のEXバーストについても前作から調整を加えています。
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――ゲームスピードの変更や機体のコスト変更、コマンド変更などはあるのでしょうか?
大久保:実はゲームスピードは初代『エクバ』~『エクバ2』まで全て一緒です。画面の色みや画角など色々な要素で感じ方が変わることがあるのですが、基本的には今回の『クロスブースト』も同じです。ただ要素が増えてくると対戦の密度が濃くなってくるので、今回のバーストクロスの追加によって感覚が変わってくることはあると思います。
コスト変更についてですが、クローズドβ時点でプレイできる機体の中ではハイペリオンガンダムのコストが2500コストから2000コストに変更されています。その他の機体やその数についてはまだ細かい情報を出せないのですが、他にも変更を加えている機体があります。追々発表していきますので、楽しみにしていてください。
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PS4版『マキオン』プレイヤーもアーケード版に挑戦できる環境に
――PS4版の『マキオン』も盛り上がっていますが、そちらのユーザーにもアーケードをプレイしてもらうような施策は打って行くのでしょうか?
大久保:既にアーケードを遊んでくれているみなさんだと、たとえ家庭版を遊んでいたとしても、新たなシステムやゲーム的な部分の変更、自分が使っていた機体の変更点などを目当てにまたアーケードに遊びに来てくれるんです。特にこれまで自分が使っていた機体の変化は効果が大きいようなので、既存機体の武装追加やリニューアル、コンボルートやキャンセルルートの追加や変更は力を入れています。
家庭版で遊んでいるユーザーのみなさんがアーケードに来やすくなるよう、『エクバ2』からゲームパッドが筐体に備えつけられています。『マキオン』からのユーザーのみなさんもかなりアーケードに入りやすいはずです。
後はユーザー同士のコミュニティ的な部分で大会を開いて貰ったりして、アーケードにも行ってみようかと思ってもらいたいですね。この流れは昔からやってはいるのですが、今後もやっていきたいと思っています。
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中館賢氏:家庭版が入門編で、『エクバ』シリーズ最新のフラッグシップはアーケードと位置づけています。家庭版で入門した人がアーケードでも遊びたくなるような施策は今後も継続していきます。
大久保:ゲームセンターで練習するとお金もかかりますし、場合によっては他人のお金も巻き込んでしまうことから、心理的な障壁があると思っていて。でも家庭版であればそういう部分をある程度気にせずに済みますし、地力が付けばアーケードでも戦えるようになると思っているので、腕の部分は担保できるかなと。
――『クロスブースト』に追加されるカジュアルマッチは、そういった部分の意図もあるのでしょうか?
大久保:カードを使用せずプレイしている方やメインで使っている物とは別のカードでプレイしている人が多いことは把握していて、カジュアルマッチでは階級に縛られない無条件でのマッチングを考えています。
カードを持っていなかったり、別のカードを使っているとやはり実力と階級がそぐわなくなってしまうので、新たなマッチングを用意することでユーザーの好みに合わせて、対戦を楽しんでいただきたいです。
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――実際にプレイしていて僚機のブーストゲージも見れるようになっていたのは驚きました。
大久保:『エクバ2』で僚機のバーストゲージが見えるようになりましたが、見えることによってLバーストを発動させるタイミングを調整できたと思います。今回から僚機のブーストゲージも見えるようになったことで、相方の窮地を察しやすくなるのかなと。前作からそういった連携の部分をより一歩進めた形ですね。
――体感になってしまって申し訳ないのですが、射撃武装の誘導などが控えめになっているように思えました。
大久保:その辺は全体的に調整が入っています。『マキオン』から『エクバ2』への移行に際してベースのシステムが変わったので、弾の動きをはじめ色々なものが変わりました。同じように組んでも誘導が強かったりしたのはその影響だったのですが、『エクバ2』では攻めている側は気持ちよくても、押し付けられる側は忌避感があったのではないかと思います。
見え方として多少インフレしていた部分はあると思っていて、そこでずっとプレイしていくと辛くなってくると判断しました。なので一端「これって理不尽だよね」「リスクとリターンが合っていないよね」という所謂“強行動”については適正化ということで調整を入れようかなと。
――Rバーストのよろけにくくなる効果については、スーパーアーマーと考えて大丈夫でしょうか。
大久保:そう考えて貰って構いません。調整でどこまでその効果を持たせるかは今後も考えていきます。ずっとスーパーアーマーのままなのか、特定ダメージor特定の弾数まで耐えるのかなど、今後も変わる可能性はあります。
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――どのくらいのスパンで調整や機体追加を考えていますか?
大久保:これまで月1ペースでやってきましたが、今後は状況をみながらになります。ただ間隔が空きすぎるとマンネリ化する部分があるので、適正なタイミングは探っていきます。
――ありがとうございました。