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『フロントミッション』プラモデルレビュー!「ギザ」編―筆塗り塗装との相性を探る

『フロントミッション』プラモデルレビュー「ストラクチャーアーツ」第1弾の「ギザ」をピックアップ

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「ギザ」を筆塗りで塗装―相性は如何に


塗装の前に、耐久性を上げるため二の腕部の接着と合わせ目消しを施します。パテを盛り込み整形したら下地塗装です。塗装にはBN02アクリジョンベースグレーを全体に塗り込みます。冬という気温と湿度の関係上、換気以外の用途であまり窓を開けたくないという理由からクレオスの水性アクリジョンを選びました。



筆塗りのため、肉眼で確認出来ない肩や膝パーツ裏のディテールまで簡単に塗り込めないため一度分解し関節を含め塗装。裏面と関節を塗ったら、機体表面全てをベースグレーで塗りおえます。



次にN27タンで全体を塗装。N18黒鉄色で塗る装甲部を考慮しつつ塗装を続けます。最後は、モールドに墨入れ塗料を流し込んで完成です。



筆塗りは、筆ムラ(凹凸のある筆の跡が残ってしまうこと)や塗料の表面張力からエッジがモールドに集まってしまい、綺麗に塗ろうとしても難易度が高く、全体のディテールを潰しがちになってしまいます(シンプルに筆塗り時の塗料の癖や知識、そして筆の相性も求められるため)。今回の「ギザ」も例に漏れず、塗装後の修正としてケガキ針などで一部モールドを引き直しました。




モールドが少なくエッジも鋭くない「ギザ」と筆塗りの相性は悪くない


筆塗りでの塗装を施した全体図です。アクリジョンは部分塗装としてシンプルに色を塗るだけなら、個人としてこれ以上のものはないと思うほど好きな塗料ですが、筆塗りで全体塗装となると難しさが見えてきます。


手前のパイロットは1/72の同スケールのものを使用


アクリジョンは有機溶剤を使っていないことから、比較的安全で塗装時に換気が必要ないことが魅力です。しかし、部分塗装以上になると色の隠蔽力などの問題からどうしても厚塗りになってしまい、モールドやエッジを埋めがちになってしまうことが難点です。



今回は「ストラクチャーアーツ」筆塗りにおけるの「ギザ」との相性を探りました。「ギザ」は、曲面で構成されると共にモールドが他のキットより少なく筆塗りとしても相性が悪くないところにいます。今回の作例としては上手くいきませんでしたが、Mr.カラーなど薄く塗れるラッカー系で挑むのが最適なのかもしれません。



単体価格は2178円(税込)で、リッチなディテールと稼働を持ち、サイズも小さいため取り回し易さが魅力のキットではあります。しかし、前回の「ゼニス」のように、ディテールを潰しにくいエアブラシ塗装が最適なのは否定しようがありません。如何に薄く筆ムラ無く塗るかが本キットのディテールを生かすことに繋がります。


模型界に彗星の如く現れたスクウェア・エニックスの「ストラクチャーアーツ」シリーズ。既に第1弾の再販も決まっていることから、『フロントミッション』シリーズに馴染みあるユーザーや、初めてのユーザーにもオススメできるキットです。今回の第1弾は『フロントミッション』ですが、『ゼノギアス』題材の第2弾が控えており、今後のシリーズ展開にも大きな期待が持てる仕上がりです。





総評:★★★

良い点



・パーツ裏面までディテールがある造型の隙の無さ
・幅広いポーズがとれる可動範囲
・武器に合わせられる、握り/武器持ち/平手の手パーツ


悪い点



・組み立て説明書に武器やパーツの解説、そして細かな塗装図がない
・扱いの難しい極小パーツ
・二の腕や大腿部パーツなど一部パーツの合いの悪さ

《G.Suzuki》
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