このところ『PUI PUI モルカー』というアニメが特に話題になっていますが、すでにご覧になりましたか? 本作はなぜか車になっているモルモット「モルカー」が主役の人形アニメで、とてもキュートなのが特徴です。
「かわいいけど、子供向けアニメなのでは?」と思う方もいるでしょうし、実際それは間違っていません。しかしながら子供向けだからといって大人が楽しめないわけでもないですし、何より『PUI PUI モルカー』はゲーマーの心に響く要素もあるのです。
『PUI PUI モルカー』のゲームっぽい要素
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たとえば第5話は「プイプイレーシング」というタイトルになっているのですが、見ればわかるようにこれはなんだか『マリオカート』のようなレースゲームっぽい気がしてなりません。
確かに車を題材にした話なのでレースがあって当然なのですが、レース会場なのになぜか工事現場があったり、ものすごいジャンプ台が置いてあったりするのです。それに翻弄されながらもレースを頑張るモルカーたちがかわいい……!
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何より最もレースゲームっぽいのは「食べると加速するニンジン」です。いかにもレースゲームのアイテムのように宙に浮いて回転しており、それを取得した茶色のモルカー「テディ」は超ダッシュ! そしてコースアウトしてしまうという、まさしく“レースゲームあるある”な展開を見せてくれます。
ダッシュしているときのエフェクトや、白いモルカー「アビー」につけられたロケットが爆発するときのシーンなども、ゲームに近いようなデフォルメ表現を綿などでうまく表現しています。
記事執筆時点では予告しか公開されていませんが、第6話ではなんとゾンビが登場します。それまでふつうの日常生活を描いていたのに、ここにきていきなりゾンビ・アポカリプス……! ゾンビはゲーマーも好きな要素ですよね。
しかも6話ではテディがトゲトゲのついた装甲とガトリングガンを装備してゾンビを追いかけるというのだから、なんて不思議な世界観。
このほかにもゲーマーの心に響きそうな要素はいろいろと存在します。第1話では、渋滞の原因が「かわいいモルモットの映像をタップしてハートを出しまくるかわいいだけのゲーム」であることが判明しますし、今後は「ビームによってヘリコプターが墜落するハードな展開」も用意されているようです。
他の映像作品へのオマージュもある
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『PUI PUI モルカー』は街中の小物にもけっこうなこだわりを感じられます。たとえばポスターを見てみると、『バンブルビー』や『AKIRA』をモルカーの世界でパロディしたものがあったりするんですよね。
また、第6話の観客席をよく見てみると『バック・トゥー・ザ・フューチャー』の「ドク」に似た人物がいたり……。監督である見里朝希氏の趣味やこだわりも作品のなかに込められているのでしょう。
とはいえ、基本的には「子供も大人も安心して見られるうえ、モルカーがキュートなキッズ向けアニメ」であることは間違いありません。完全にゲーマー向けというわけではないものの、取り扱う題材を見てみるとこれは“ゲーマーにも刺さりうるアニメ”だと感じられます。
『PUI PUI モルカー』は1話3分なので、ゲームの合間にも見やすいのが嬉しいところ。本作はテレビ東京系「きんだーてれび」で毎週火曜あさ7時30分に放送されていますが、YouTubeでは放送後の約一週間見逃し配信が行われています。さらに、Amazon Prime Video、dアニメストア、バンダイチャンネルなどの各プラットフォームで全話配信中です。
かわいいモルカーがいろいろな苦難に立ち向かい、時には泣いて時には呆然として、けれども最終的には報われるキュートなアニメが『PUI PUI モルカー』です。その中にはゲーマーも喜びそうな要素がありますし、そもそも全編がストップモーション・アニメーション(1コマずつ撮影するアニメ)で描かれていて、非常に丁寧。こりゃ確かに、多くの人に刺さるアニメなわけですよね。