人生にゲームをプラスするメディア

なぜ虹色!?『あつまれ どうぶつの森』で採れる「ニジイロクワガタ」ってどんな虫?【平坂寛の『あつ森』博物誌】

『あつまれ どうぶつの森』に登場する生き物を、生物ライターが解説!第57回は「ニジイロクワガタ」です。

任天堂 Nintendo Switch
なぜ虹色!?『あつまれ どうぶつの森』で採れる「ニジイロクワガタ」ってどんな虫?【平坂寛の『あつ森』博物誌】
  • なぜ虹色!?『あつまれ どうぶつの森』で採れる「ニジイロクワガタ」ってどんな虫?【平坂寛の『あつ森』博物誌】
  • なぜ虹色!?『あつまれ どうぶつの森』で採れる「ニジイロクワガタ」ってどんな虫?【平坂寛の『あつ森』博物誌】
  • なぜ虹色!?『あつまれ どうぶつの森』で採れる「ニジイロクワガタ」ってどんな虫?【平坂寛の『あつ森』博物誌】
  • なぜ虹色!?『あつまれ どうぶつの森』で採れる「ニジイロクワガタ」ってどんな虫?【平坂寛の『あつ森』博物誌】
  • なぜ虹色!?『あつまれ どうぶつの森』で採れる「ニジイロクワガタ」ってどんな虫?【平坂寛の『あつ森』博物誌】
  • なぜ虹色!?『あつまれ どうぶつの森』で採れる「ニジイロクワガタ」ってどんな虫?【平坂寛の『あつ森』博物誌】
  • なぜ虹色!?『あつまれ どうぶつの森』で採れる「ニジイロクワガタ」ってどんな虫?【平坂寛の『あつ森』博物誌】

※リアルの生物の写真が出てきます。苦手な方はご注意ください!

先日、散歩中にクワガタを見つけました。ノコギリクワガタというカッコいいやつです。
毎年、ファーストクワガタオブジイヤーに遭遇するたびに、いよいよ今年も夏が来たなあと実感してしまいます。
ところで『あつまれ どうぶつの森(以下、あつ森)』でも6月からついにファーストクワガタが登場しています。

「ニジイロクワガタ」です。
ノコギリクワガタやオオクワガタ(ともに7月から出現)などに先んじての登場となります。
ニジイロクワガタはオーストラリア北東部やパプアニューギニアに生息するクワガタムシです。
最大の特徴は、その名のとおり虹色に輝くボディー!

といっても、七色のストライプ柄やまだら模様というわけではありません。
眺める角度によってテラテラと色が変わって見える不思議な色彩なのです。
これはタマムシやカナブン、モルフォ蝶の翅と同じ「構造色」というものです。

▲実物のニジイロクワガタ

なぜ虹色なの?

ニジイロクワガタはオスもメスもともにギラッギラの虹色ボディーなのですが、なぜよりにもよってこんな体色に身を包んでいるのか、その理由に関しては諸説があります。
まず、ひとつには彼らの生息地が熱帯地方であるため、強烈な日差しを反射することで体温の上昇を避けているとも言われます。あるいは、あまりにビッカビカな鏡面仕上げの体表には周囲の景色が映り込むので、かえって外敵である鳥などに見つかりにくいのでは……なんて説も。

本当のところはニジイロクワガタのみぞ知る…のでしょうが、あれだけ派手なカラーリングなのだから何かしらの効果はあるのでしょうねえ。

▲お腹側までピカピカです。

ペットとして人気

ニジイロクワガタはそのクワガタの中でも突出して美しい容姿から、愛好家にたいへんな人気があります。
ニジイロクワガタの主産地であるオーストラリアは自然保護に力を入れており、本種を含む野生生物の輸出が厳しく制限されています。しかし、今や日本のペットショップやホームセンターでさえ数千円ほどで本種が売られているのをよく見かけます。

ニジイロクワガタは飼育と繁殖が簡単であることから日本国内で盛んに養殖が行われ、この十数年で多数の飼育下繁殖個体が流通するようになったのです。
また、ニジイロクワガタの雄には、ほかのクワガタに負けない立派なアゴが生えています。しかし、ギザギザもついていない上にはさむ力が極端に弱く、うっかり指をはさまれてもノーダメージだったりします。
こうした点からも虫を触り慣れていないビギナーでも飼育しやすいクワガタだといえます。

▲指をはさまれても全然痛くないんです!

ちなみに、オス同士でケンカする際は相手をはさむのではなく、束ねたアゴで相手を掬い投げるように戦います。……とことんユニークなクワガタですよね。

『あつ森』博物誌バックナンバー


■著者紹介:平坂寛

Webメディアや書籍、TV等で生き物の魅力を語る生物ライター。生き物を“五感で楽しむ”ことを信条に、国内・国外問わず様々な生物を捕獲・調査している。現在は「公益財団法人 黒潮生物研究所」の客員研究員として深海魚の研究にも取り組んでいる。著書に「食ったらヤバいいきもの(主婦と生活社)」「外来魚のレシピ(地人書館)」など。


Twitter
YouTubeチャンネル
《平坂寛》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

任天堂 アクセスランキング

  1. ポータブルゲーミングPC界に巨龍出現。MSI「Claw 8 AI+ A2VM」の進化した性能を徹底チェックしてお店で体感しよう

    ポータブルゲーミングPC界に巨龍出現。MSI「Claw 8 AI+ A2VM」の進化した性能を徹底チェックしてお店で体感しよう

  2. 『モンハンライズ』で手強いモンスターは?読者が選んだ投票結果ー苦しめられたハンターの生の声をお届け

    『モンハンライズ』で手強いモンスターは?読者が選んだ投票結果ー苦しめられたハンターの生の声をお届け

  3. 『モンハンライズ:サンブレイク』体験版の初見「メル・ゼナ」討伐率は、僅か14.6%!“看板モンスター”の貫禄がハンパない結果に

    『モンハンライズ:サンブレイク』体験版の初見「メル・ゼナ」討伐率は、僅か14.6%!“看板モンスター”の貫禄がハンパない結果に

  4. 「ポケモン・オブ・ザ・イヤー」上位ポケモン人気の理由を解説! なぜあのポケモンが支持を得たのか?

  5. 2006年に劇場版アニメになった『どうぶつの森』、改めて見るとかなり“奇妙”じゃない?【※ネタバレ注意】

  6. 「ポケモン・オブ・ザ・イヤー」各地方ごとの投票結果も公開!初代カントーから最新作ガラルまで、8地方別のランキングをチェック

  7. 『ポケモンレジェンズ アルセウス』シンジュ団・カイの子孫はあの主人公? ネット上で様々な説が浮上

  8. 『モンハンライズ:サンブレイク』体験版の「メル・ゼナ」をどうしても倒したい人向け!ちょっと楽になる攻略チャート解説

  9. 『ポケモンSV』新ポケモン「パモ」が約23年ぶりの快挙を達成!?「凄い発見だよ」

  10. 「ポケモンセンタートウホク」リニューアルオープン!幻のポケモン「ビクティニ」プレゼントや東北ならではのグッズも登場

アクセスランキングをもっと見る