「オンラインゲームならネクソン」のキャッチコピーでおなじみ、『メイプルストーリー』『マビノギ』『アラド戦記』などを手掛けるNEXONが、リッチアニメRPG『COUNTER:SIDE(カウンターサイド)』の事前登録を受付中です。
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『COUNTER:SIDE』はこれまでのNEXONと異なりキャラクター性の強いゲームです。それだけにプロモーションの手法も近年のNEXONではやってこなかった、ユーザーとの双方向を模索しているとのこと。
はたしてNEXON社内でどのような意識変化があったのでしょうか?
そこで『COUNTER:SIDE』のプロモーションを手がける河本清翔さんと川辺亮さんをお迎えし、リリース直前の『COUNTER:SIDE』について「今やるべきプロモーション」をうかがいます!
(取材=森元行、構成・文=気賀沢昌志)
【プロフィール】
・NEXONマーケティング室室長/河本清翔
2020年夏頃に入社。モバイル・PC作品のプロモーション全般を統括する。前職では、数々のスマホ、コンシューマ、PCタイトルのプロモーション経験を持つ。
・NEXONマーケティングチーム/川辺亮
2021年春に入社。『COUNTER:SIDE』を中心に、その他のタイトルについてもプロモーションを担当する。前職では、スマホ、コンシューマ、PCタイトルのプロモーションからPRまで様々な経験を持つ。
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■広告の基本に立ち返って顔の見えるプロモーションを!
――突然ですが、河本さんと川辺さんはもともとバンド仲間だそうですね。
河本:知り合ったきっかけがそうでしたね。共通の知り合いが誘ってくれて六本木でライブをしました(笑)。
川辺:ただ仕事のことは深く話しませんでした。「お互いに別々の会社でプロモーションを頑張ってるよね」くらいの認識で。
――それが今は『COUNTER:SIDE(カウンターサイド)』のプロモーションでタッグを組む仲です。
河本:僕がNEXONに入社したのが2020年の夏頃だったのですが、しばらく経った頃に『COUNTER:SIDE』を展開していくことが決まったんです。それで川辺にも手伝ってもらおうと思い「NEXONに来ない?」と誘いました。
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――実際にふたりで働いてみていかがですか?
河本:ふたりとも家庭用ゲーム機の頃からプロモーションをしていますからね。時代の変化とともにプロモーションの方法や扱うタイトルが変わり、それをキャリアの中で吸収しながら今やるべきものは何なのかを考えながらプロモーションを展開してきました。一緒に働いてみると、そのあたりの目線が一緒なんです。いわば戦友です。
川辺:河本に打診されて「それじゃあ!」と即答でした。思えば僕も河本も、なんやかんや言ってゲーム業界に20年です。
――『COUNTER:SIDE』では、これまでどのようなプロモーションをしてきたのですか?
川辺:まず「NEXONの新作が発表されるぞ!」というカウントダウン企画からはじまり、7月10日に発表会を行いました。
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8月はまだゲームの全貌を見せられない状況でしたから、ゲームの世界観を体感するような施策として、主人公が社長を務める会社の社内報がもらえるキャンペーンなどを実施しました。
9月は「社長インターン」として参加する先行体験会や初の配信番組。10月は事前登録のスタートに合わせて紹介動画を投稿し、11月8日に水樹奈々さんの主題歌を発表しました。
そのあたりから北海道、東京、名古屋、大阪、福岡の5大都市に街頭ビジョン広告や交通広告を出したりテレビCMを放送したりして、少しずつ話題を盛り上げる施策を展開しました。
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――プロモーションするにあたり何かテーマのようなものはあったのですか?
河本:モバイルゲームがこれだけ世に送り出されている中、新規のタイトルを知っていただくハードルが高まっている。しかも今回はNEXONがこれまでリリースしたどのタイトルとも異なるキャラクター性が際立ったゲームです。
そこで、まずは本作の際立った要素を強く印象づけることからはじめようと思いました。
川辺:『COUNTER:SIDE』は「リッチアニメRPG」を謳って展開しています。クオリティーの高いアニメを盛り込んだり、Live2Dのキャラクターをロビー画面でも動かしたりしていますから、その部分をピックアップするような見せ方です。
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河本:それで打ち立てた3本柱が「声優」「イラストレーター」「音楽」の要素でした。ただそこを売り文句にしているゲームはほかにもあります。ですから、ただ豪華な声優さんを揃えただけではないことをアピールするためにどんな見せ方をするのか、イラストレーターさんもゲーム内のイラストをただ見せるのではなくどう見せるのか、プレイしてみないと分からない音楽をどう聴かせるのか。そのあたりを掘り下げることにしました。
――具体的にはどのようなことをされたのですか?
河本:「我々はみなさんが好きなものをたくさん用意していますよ」というメッセージを強く打ち出すことが大切だと思ったので、発表会で声優さんに登壇していただいたり、KADOKAWAさんと提携し、遠坂あさぎさんら人気イラストレーターさんを起用したり、楽曲も水樹奈々さんにお願いするなどして、とにかくシンボリックな要素を用意しました。
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それで皆さんが「これは俺たち向けのゲームなんだ」と思ってもらえれば第1段階は成功かなと思っています。それを大々的に伝えたかったのが7月の発表会でした。
川辺:「リリース開始まで皆さんのワクワク感をどう高めていくか」という部分は私が入社した当時から綿密に決めていましたね。
河本:我々の考えとしてはリリースされるまでの間もゲームの一部なんです。我々もかつては同じでしたが、ゲームの情報を探しに行く時のワクワク感や、情報を手に入れて「プレイ感覚はどうなんだろう」「こんな楽しみ方ができたらいいな」と思いを馳せる時間が大切なんです。だからこそ、リリースされるまでの期間は我々マーケティングがコミュニケーションの最前線に立ち、お客さんが考察したり話し合ったりする手助けをしたいと思いました。
川辺:その取り組みのひとつとして、声優さんのお名前を五十音順に10名ずつツイッターで発表していきましたよね。
河本:役名を出さずに。
川辺:考察を促す目的なのであえてそうしたのですが、「本当に豪華な声優陣ですね」「あとは誰が来るんだろう」と反応をいただき、実施してよかったなと思いました。これは河本の案なんですけど。
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河本:街頭ビジョンや秋葉原のエキナカの広告もやってよかったと感じています。プロモーションって、ただ広告を貼り出すだけでなく、もっと情に訴えかけるような手法もあると思うんです。たとえば自分が好きなコンテンツや声優さんを街中の広告で見かけると「おっ」と思って嬉しくなりますよね。デジタル広告全盛の世の中なので、画面の中の広告はよく見かけると思うのですが。
我々はそうではなく、「みなさんに遊んでほしいんですよ!」というメッセージを打ち出すためにも、ちゃんとこちらからお出迎えするというか、我々の姿勢を見せる必要があると思い、リアルで目にする広告を意識しました。その部分は広告の基本に立ち返っている感じはありますね。
川辺:SNSを見て思うのは、例えば秋葉原の交通広告を見て「次はこういうタイトルが出るんだ」と画像投稿するなど、反応があることですね。その拡散力が交通広告の良さだと思いますし、やり続けないといけないと思いました。
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河本:秋葉原にいらっしゃる方はインプットの能力がすごく高いんです。発表会の翌日に秋葉原駅でノベルティー配布のキャンペーンをしたのですが、新規タイトルについて興味を持ってくださるのは秋葉原駅のお客さんが圧倒的に多いし、SNSにあげてくれたりもします。本当に感謝しています。
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川辺:このコロナ禍で秋葉原も色々なことがありましたよね。私たちに何かできないかと思いますし、実際、秋葉原の各お店の皆さんとも相談しながら企画を進めているところです。
河本:12月にかけてまた秋葉原でローカルイベントみたいなことをやっていければ……。私はNEXONで『COUNTER:SIDE』を展開すると決まってから隔週で秋葉原に通っているんです。それでどこにどんな広告があって、みんながどこを見ていて、何を楽しんでいるか、肌で感じられる部分のリサーチをしていたんです。すると「寂しくなってしまった秋葉原」に慣れてしまった気配を感じたり、「用事はないけど、とりあえず秋葉原に行けば何かしらイベントがある」という状況もなくなりモチベーションが落ちているように感じたりして、そこが個人的にすごく切なく思いました。
川辺:マーケティングのお話からは逸脱しますが、秋葉原好きのひとりとして何かできたらと思いますよね。コロナが明けたときに大々的なイベントをやりたいです。そういった話は秋葉原の皆さんともしています。
■次のコミケに参加します!
――NEXON全体の話として、今後のビジョンはいかがですか?
河本:プロモーションの方法として、『COUNTER:SIDE』でやっているようなことを今後のスタンダードにしたいですね。
弊社は世界的にも規模感のある会社で、開発費もかけていいものを作っているという自負があります。そのブランド力を高めることを第一として、つねに「NEXONでは今こんなことをしていますよ」と積極的に発信していきたいですね。そのためにもユーザー同士のコミュニケーションの場を作ったり、我々もユーザーさんとコミュニケーションを取ったりできるようなことをしていきたいです。
川辺:今年、『マビノギ』の16周年記念オンラインイベントを担当させていただいたのですが、オフラインと同等かそれ以上の数字が出るくらい「参加してよかった」「参加したかった」とのお声をいただきました。
その中に「できればイベントは、オン・オフのハイブリッドにしてほしい」というご意見もあり、やはりみなさんリアルイベントを望んでいるんだなと感じました。そんなこともあり、我々マーケティングがしっかりと接点を作って、ユーザーコミュニケーションを形成・維持・拡大させることが大切だと思っています。
河本:すでに発表されましたが、次のコミケでは企業ブースで参加するので、まずはそこですね。ちなみにNEXONとしてコミケに参加するのは今回が初です。
――コミケではどのようなことをされるのですか?
河本:メインは物販です。そこに『COUNTER:SIDE』ではおなじみの「すみれおじさん」をはじめ、何人かの女性コスプレイヤーさんに立っていただき写真を撮れるようにします。
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――楽しみですね。それでは最後に読者へメッセージをお願いします。
川辺:『COUNTER:SIDE』の広告を見かけたら「何かやってるな」と注目してほしいですし、いい部分でも悪い部分でもいいのでSNSなどで感想をつぶやいていただけると嬉しいです。我々はそれを糧に「次」に活かしていきたいと思います。
河本:『COUNTER:SIDE』については私も川辺と同じで色々な感想をいただけたらと思います。とてもいいゲームなので、皆さんどうか、一緒に広めるお手伝いをお願いします。
NEXON全体としても、コミュニケーションこそプロモーションの肝だと思っていますから、一方的に発信するだけでなく皆さんのご意見をうかがいながら「居心地のいい作品」や「楽しいコミュニティー」を作っていければと思います。
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【タイトル概要】
◇タイトル名:COUNTER: SIDE(カウンターサイド)
◇料金体系:基本プレイ無料(アイテム課金制)
◇開発会社:Studiobside
◇提供プラットフォーム:App Store、 Google Play、 Windows(予定)
◇推奨環境:【SP】iOS 12.0以上/Android OS 5.0.1以上(メモリ2GB以上)
【PC】Windows 10 64bit以上
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