■街を「かんさつ」すると、モルカーたちの日常がそこに
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前述した通り、製品版ではモルタウンはまだ影も形もなく、プレイを通して街を発展させていきます。ですがこの体験版には、すでに賑やかなモルタウンが用意されており、豊かなモルカーライフを一足先に触れることができました。
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「かんさつ」を選ぶと、このモルタウンを自由に眺められます。あの世界を再現した街並みは、あらゆるところまでモルカーだらけ。
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何より嬉しいのは、街中にいるモルカーたちを眺められる点です! 移動する姿を見つめるだけでも、心が和み&緩みます。
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画像や言葉では伝え切れませんが、足をよいしょっと動かして進む姿も健在。あの、ポテポテッとした感じを、この「かんさつ」でずっと眺めることが……そうか、これを人は「幸せ」と呼ぶのか……。
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カメラ操作で見続けることもできますが、カーソルを合わせてボタンを押すと、そのモルカーを中心に自動で追いかけてくれるので、環境映像のように楽しむのも一興かもしれません。
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モルカーをロックオンしたままスイッチを手元に置き、ふとした拍子に画面を見れば、一生懸命歩いていたり、時には食事に励む姿を見ることも。なんだか、“ニンテンドースイッチの中にモルカーを飼ってる”みたいな錯覚に陥りそうです。
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しかも最初のチラシにあった通り、この街ではにんじんが取り放題。取ったにんじんをモルカーたちの目の前におけば、大好物に飛びつく姿も拝めます。
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モルカーが複数いる場所ににんじんを置くと、取り合いでもみくちゃになることもあります。なんですか、この幸せのかたまりは……あの中に入りたい……。
■アクセサリーで自分好みのモルカーに大変身!
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そのままでも可愛いモルカーですが、アクセサリーを手に入れて、可愛く着飾ってもらうのもお勧めです。制限がある体験版の範囲だけでも、かなり個性的なアイテムが揃っていました。
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「あたま」に「まぐろ」を載せるのも、なかなか味わいがあります。
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侮れないのは、「おしり」にもアクセサリーを置ける点です。「ハートステッカー」や「おしりに顔ステッカー」などを確認しました。「プイプイレーシング」ではおしりを見ている時間が多いので、アクセサリーで彩りを加えるのも悪くありません。
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アニメ第3話「ネコ救出大作戦」に登場した「チャッピー」を「あたま」に置くこともできます。こうした原作の細かいネタを拾ってくれる点も、ファン心をくすぐる憎い演出です。
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「ふとまゆ」をつけると、かなり凛々しい印象に。ちょっと雰囲気を変えたい方には、こちらもお勧め。
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今回は、さらに「ダンディヒゲブラック」も足してみました。……少々盛りすぎた気がしないでもありません。が、自分好みに彩れるのも『Let's! モルカーパーティー!』の魅力のひとつ。彩りをアレコレ楽しむだけで、時間があっという間に過ぎそうです。
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ちなみにモルカーたちとの関わりは、「かんさつ」で眺めたり、ミニゲームで直接操作するだけではなく、モルカーを撫でられる「ふれあい」もあります。
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モルカーを撫でるとゲーム内通貨などがもらえますが、それはある意味、副産物に過ぎません。同じ説明の繰り返しになってしまいますが、「モルカーを、撫でられる!」こと自体が、最大のご褒美と言ってもいいでしょう。(※感じ方には個人差があります)
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撫でられる範囲は広く、おしりだってこの通り。満足すると「★ごきげん度マックス★」と教えてくれるので、ちょっとした達成感も沸き上がります。
■体験版を通して、『Let's! モルカーパーティー!』で埋められる“モルカーロス”について考える
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ここまでの内容で、本作で味わえる魅力やモルカーたちの可愛らしさが、一端なりとも伝わったことと思います。ですが、最終的な結論として、放送終了後に味わった“モルカーロス”を、『Let's! モルカーパーティー!』で癒やすことができるのか。体験版でのプレイを経た実感から、その可能性について述べさせていただきます。
あくまで一ユーザーの視点に過ぎませんが、本作では「かんさつ」でモルカーたちの街中での様子を覗き見ることができます。動きも可愛く、ちょっとしたアクションにも心が動かされるので、この点の癒やし度は製品版でもかなり高いものと思われます。
そしてミニゲームは、“モルカーを直接操作する”という、ゲームならではの体験が楽しめます。また、アクセサリーで自分好みの恰好に変えられますし、その装いがまたミニゲームや「かんさつ」にちょっとした刺激を与えてくれるのも嬉しい点です。
こうしたポイントを踏まえると、モルカーとの関わりを様々形で実現してくれる『Let's! モルカーパーティー!』は、「彼らの日常」という癒しを与えてくれると感じました。
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と、ここまでは魅力的な癒やしポイントについて触れましたが、“モルカーロス”の全てを埋めてくれるかと問われると、完全とは言い切れない部分もあります。
TVアニメ「PUI PUI モルカー」は、彼らの日常を描いただけではなく、その性格や個性を浮き彫りにするドラマがあり、短いながらも濃密なストーリーが展開しました。
この、ドラマやストーリーといった部分は──少なくとも体験版の範囲では──『Let's! モルカーパーティー!』にあまり含まれておらず、その面では物足りなさを感じたのも否定できません。
総じてまとめると、この『Let's! モルカーパーティー!』でモルカーの日常を満喫することができ、物語を求める気持ちは癒やしきれず、というのが率直な感想です。
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そのため、万人の“モルカーロス”を癒やせる──とは断言できませんが、一方で完全に無力かと聞かれれば、それは明らかに「No」と言えます。物語も「PUI PUI モルカー」の魅力ですが、それだけではないのもまた事実。彼らの日常も同様に魅力的ですし、その要素はしっかりと詰め込まれています。
どの点に比重を置くかは人それぞれですが、「TVアニメが終わっても、彼らはこんな風に日々を送っていたのかもな……」と想像させてくれるきっかけを、この『Let's! モルカーパーティー!』で感じ取ることもでき、これも癒しのひとつかもしれません。
ちなみに、「どうしてもポテトたちの物語が見たい!」という方は、2022年1月4日から始まる再々放送をチェックするのはいかがでしょうか。「きんだーてれび」内で放送されるので、そちらをどうぞお楽しみに。もちろん、『Let's! モルカーパーティー!』を遊びつつ、再々放送を待つのもお勧めですよ!