■狩りの手応えは健在! パーツを剥がすのが楽しい! 選択肢の増えた戦闘についつい没頭
機械獣が跋扈するこの大地は、非常に危険です。雑魚であっても油断すれば大ダメージを受けますし、数匹に囲まれると危険度は更に跳ね上がり、逃げ出すのが最良の策になることもしばしば。
一方で、身を隠して近づけば、雑魚レベルなら一撃で倒すことも可能ですし、弱点や属性を把握すれば圧倒的な勝利を掴むこともできます。機械獣への対峙は「戦い」であると同時に、あらゆる手段を駆使する「狩り」でもあり、この醍醐味はもちろん本作にも継承されています。

アーロイの動きは、造形に見合ったリアリティを感じさせる重さがあると共に、機敏な動作で爽快感を失っておらず、軽快な立ち回りが可能。ボタンやレバーのレスポンスもよく、そのアクションに違和感やもたつきは感じません。
何よりも、機械獣の弱点に攻撃を食らわせると、その手応えが実感として伝わるほどエフェクトや振動などの演出が優れており、プレイを大いに盛り上げてくれます。的確に攻撃を加えるとパーツ単位で剥がれていき、これも爽快感を倍増。パーツ剥がしは、相手の攻撃手段の封じ込めや資材確保といったメリットもありますが、「気持ちいい!」という単純かつ絶対的な欲求を満たしてくれるので、止められずついつい狙ってしまいます。

「属性とか弱点とか、覚えるの面倒……」と警戒する方もいるかと思いますが、敵をフォーカス(R3ボタンを長押し)すると、そうした情報が一目で可視化され、しかも各部位を視覚的に光らせることも可能。後は光っている部分を狙えばいいだけなので、難しいことは何もありません。
また、本作の戦闘はTPSに近く、遠距離武器はエイムの必要があります。ですが、時間の流れが遅くなる「精神集中」を活用すれば、格段に狙いがつけやすくなるので、エイムが苦手な方もご安心を。
ちなみに、こちらも経験者向けの情報になりますが、不意をついてダメージを与える「サイレントストライク」や、倒れた敵を追撃する「クリティカルヒット」、頭上から強襲する「真上からの一撃」、隊長格の人間に不意打ちできる「リーダーストライク」など、前作にあったスキルの一部は、すでに標準の能力としてアーロイは体得済み。前回の経験は、彼女の中に蓄積されている模様です。

また、本作で獲得できるスキルの単純な数も前作を凌駕し、派生ツリーもより豊かに。各武器の新たな攻撃を獲得できたり、近接や隠密方面を強化したりと、好みのプレイに合わせた成長ができるので、より広いユーザーの希望を叶えてくれます。
ちなみに、『Horizon Forbidden West』開始時点では、武具などの装備は最低限のものしか所持していません。前作の冒険を通して強力な武具を多数手に入れたはずですが、アーロイ曰く「ここに来る途中、色々あって装備をなくした」とのこと。続編モノの定番展開とはいえ、やや残念な気持ちも拭えません。
──が、本作でアーロイが手に入れる武器や防具(衣装)は、結構な種類がある模様。様々な集落に訪れるたびに新たな武具と出会うことが多く、また冒険の最中に入手するものもあり、取捨選択に悩まされる場面もあるほど。購入にはお金や素材が必要ですが、欲しい武具のため狩りに勤しむのも、『Horizon』らしいひとときです。

しかも本作の武具には、それぞれ有用なスキル効果が付与されているのも見逃せないポイントです。さらに、前作同様に追加効果が得られる「コイル」を空きスロットにはめられますし、アーロイ自身が覚えるスキル(ポイントを消費して任意で取得)との組み合わせを考えると、戦略性は更に広がります。
あくまで一例ですが、今回のプレイで「精神集中」に偏ったスキル・装備構成にしたところ、効果時間が40秒を超えました。終盤に向けて更に強化された武具が出たらと考えると、特化のロマンに心がくすぐられます。

総じて戦闘面における感想としては、攻撃が当たった手応えは健在で、倒した時の爽快感も満点。パーツ単位の情報も見やすく、可視化されるので戦闘中に迷わず戦えます。また、戦闘に関わる武具やスキルは豊富で、どの方向に伸ばすか取捨選択も楽しく、戦略の幅広さを実感しました。
装備品に合わせて戦い方を変えるのも一興なので、前作の装備がなくなった寂しさは、あっという間に忘却の彼方。現金なプレイヤーですみません。ですが、新たな装備をあれこれと組み合わせるのが楽しいのも、間違いなく事実です。