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大人気カードゲームのデジタル化によって、大きな話題を呼んでいる『遊戯王 マスターデュエル』。昔からの『遊戯王OCG』ファンだけでなく、多くの新規勢が“デュエリスト”デビューを果たしているようで、界隈が盛り上がっています。
しかし高度なゲーム性のため、初心者の中には「ルールがよく分からない」という人も少なくありません。そんな人にオススメなのが、公式マンガ『遊☆戯☆王OCGストラクチャーズ』。一体どんな作品なのか、詳しく見ていきましょう。
原作やアニメとは一味違った世界観
『遊☆戯☆王OCGストラクチャーズ』は現在、集英社の月刊誌「Vジャンプ」にて連載中。その特徴はなんといっても、現実の「遊戯王OCG」との密接なリンクにあると言えるでしょう。
同作は「遊戯王OCG」の販売を促進する一面も持っており、登場人物の使用するデッキは、新しいカードが発売されるごとに変化。個性豊かなキャラクターたちが、新発売のカードと手持ちのカードを組み合わせ、デッキの動かし方を丁寧に説明してくれます。
物語はカードゲームを中心に世界が回るような世界観ではなく、どちらかといえば現実寄り。遊戯王カードが大好きな中学1年生・遊佐尚磨が、「サテライト・ショップ」の近くに引っ越す姉に付いていったことから、運命の歯車が回り始めました。
「サテライト・ショップ」で出会ったのは、ストロング十九やダーク黒田といった、変わったあだ名を持つ元・小学生デュエル四天王の面々。尚磨は毎回、新しいデッキを築き上げ、彼らと熱いデュエルを繰り広げます。
リアル路線のデュエルに手に汗握る…!
作中には、『マスターデュエル』でもお馴染みのデッキテーマが多数登場。たとえば、若干ヤンデレなヒロイン・ライト月子が初登場時に使用していたデッキは、「宣告者(デクレアラー)」でした。
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彼女は相手カードの発動を無効にしてしまう、強力な儀式モンスター「崇光なる宣告者(アルティメット・デクレアラー)」「神光の宣告者(パーフェクト・デクレアラー)」などを展開し、尚磨のデッキを封殺しようとします。『マスターデュエル』でも、これらのカードに苦しめられたデュエリストは多いのではないでしょうか。
他にも、「エルドリッチ」vs「電脳堺」、「ベアルクティ」vs「ドライドロン」など、『マスターデュエル』プレイヤーなら思わずワクワクしてしまうマッチアップが続々登場。カードの効果やデッキレギュレーションはマンガオリジナルではなく、現実のものに準じているため、『マスターデュエル』でのデッキ構築・デュエル展開の勉強になるでしょう。
デュエル展開も非常にリアルで、「灰流うらら」が飛び交うのは当たり前。「増殖するG」を投げられた主人公が、特殊召喚を連打してこのターンに倒しに行くか、それともカードを温存して次のターンに繋ぐか考える…なんてシーンも登場します。
他にも、こちらのターンに効果の発動や特殊召喚を繰り返す「堕天使」デッキに対し、ライト月子が「今は私のターン中よぉ~っ!」とブチギレてしまう…など、プレイヤーなら誰もがニヤリとするような“あるあるネタ”も。
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コミックスの幕間では、使用カードについての詳しい解説も記されています。『遊戯王』に詳しいベテランも『マスターデュエル』から入った初心者も、両方とも楽しめる名作なので、気になった方は読んでみてはいかがでしょうか。