ゲーマーと一口にいっても、色んな人がいます。僕は10年近く前から、毎週ゲームを持ち寄って遊ぶというイベントを催しています。場所を借り、Twitterなどで広く募って、みんなでデジタルゲームや、ボードゲームを持ち寄って遊びます。そのおかげで、これまで1,000人ぐらいのゲーマーの方と出会い、一緒に遊びました。
ゲームに対する考え方や遊ぶスタイルもまったく違う人たちがいる一方、傾向が似ているな、という人たちも当然います。そこで、これまで実際に出会ったゲーマーの人たちを、いくつかのパターンに分類して、具体例をあげつつご紹介してみたいと思います。あなたもこの分類のどこかに当てはまるかもしれません。
■やったことがないゲームがしてみたい 雑食ゲーマー
常に新しい体験を求めているタイプ。自分がやったことのないゲームを追い求めていくので、結果的に色んなジャンルに手をだすことになります。新しいもの好きで、インディーゲームを好む人も少なくありません。いろんなゲームが遊びたいので、いつもゲームを遊ぶ時間が足りません。好きなゲームをずっと遊んでいたい気持ちと、新しいゲームを遊びたい気持ちの板挟みで悩みがち。ちなみに、僕はこれにあてはまります。
■このゲームだけをやりつづける 一筋ゲーマー
雑食ゲーマーとは逆に、1つのゲームだけをずっとやり続ける人。以前『カルドセプト』という対戦ゲームの大会を開いたことがあります。参加者の1人に「カルドセプトに飽きたら他のゲームはやらないの?」と聞いたら、「カルドセプトの前は、前作のカルドセプトを遊んでいましたし、次は次回作のカルドセプトを遊ぶ予定です」と言っていました。自分とはあまりに違うタイプのゲーマーさんなので、その時はちょっとびっくりしました。しかしそういう人達はいるのです。
アニメ『ドラえもん』で初代ドラえもん役や、『ダンガンロンパ』シリーズのモノクマ役で有名な声優の大山 のぶ代さんが、他のゲームは全然できないのに、『アルカノイド』だけものすごくうまい、という逸話があります。彼女は一筋ゲーマーと言えそうです。
■勝ち負けにこだわって努力する ガチゲーマー
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多くは対戦ゲームで、練習してうまくなること、勝つことが楽しいタイプのゲーマー。勝つために1つのゲームをやり続けるので、前述のカルドセプト勢のように、一筋ゲーマーと重なる部分もあります。
もっとも、ガチゲーマーの中には必ずしも1つのゲームだけをやりつづけるわけではないけれど、とにかくやるからには勝てるように徹底的に研究するタイプの人もいます。勝つことがモチベーションで、負けたときの悔しさを努力のエネルギーに変えられるゲーマー。この気質がある人は、1人用のゲームでも徹底攻略を目指す傾向に。
■負けても楽しい エンジョイゲーマー
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ガチゲーマーとは逆に、対戦ゲームは好きだけど、勝っても負けてもいいタイプ。ガチゲーマーが一筋ゲーマーと重なるように、エンジョイゲーマーは雑食ゲーマーと重なる場合があります。
『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』でアイテムなし、戦場や終点などのステージで2人対戦するのがガチゲーマーなら、プレイヤーキャラクターをポケモン縛りで、アイテムもモンスターボールだけにして、ポケモンスタジアムのステージで8人対戦したら楽しそう!と考えるのがエンジョイゲーマー。勝っても負けてもいいので、必ずしも勝敗が実力と直結する必要がないんですね。ちなみに『スマブラ』シリーズの8人対戦は楽しいですけど本当にめちゃくちゃになります。
■遊べなくても買っておく 積みゲーマー
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ゲームを買う人は遊ぶために買う人がほとんどだと思いますが、遊びたいゲームが多すぎてせっかく買ったのに遊べていない、積みゲーが増えていく人がいます。さらにそれが過剰になって、そのうち遊ぶことよりも買うことそのものが目的化して、ゲームを集めている人もいます。それが積みゲーマーです。
僕の知る中では、マイナーハード持っていたら、あまりソフトがたくさんでなかったので買えそうだという理由で、全ソフトコンプリートしている人がいました。希少なソフトをコレクションしたい、という人もここに入るかもしれません。発売されるまでゲームの中身を色々想像して話すのが楽しくて、いざ買ってしまうと興味が薄れてしまう、という人もいるようです。
■とにかくゲーム要素は全部埋めたい 収集ゲーマー
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多くのゲームにある、収集要素。中には収集要素が膨大で、なかなか集めきれないものもありますよね。そういった収集要素、あるいはクエストや、地図埋めなど、とにかくゲームの要素を全部埋めたい人が、収集ゲーマー。
前述のマイナーハードのソフトを全コンプリートした積みゲーマーの人は収集ゲーマーでもありました。基本的に集めるのが好きな人なんですね。せっかくなので、収集要素がたっぷりある『あつまれ どうぶつの森』をオススメすると「そういうアイテムがめちゃくちゃたくさんあるゲームは、抜け出せなくてヤバイことになるんでやらないことにしてるんです」という意外な答えが返ってきました。自分の収集癖と折り合いをつけるのも、大変なようです。
■推しがいるゲームを遊ぶ キャラ愛ゲーマー
ゲームを遊んでいて登場するキャラクターが好きになる経験というのは誰しもあると思いますが、好きなキャラクターがいるかどうかがゲームを遊ぶ決め手になるのがキャラ愛ゲーマー。
大量にキャラクターが登場するスマホゲーなどでは、自分にピッタリの推しが見つかるかが、ゲームにハマるかどうかの分岐点になります。一度好きなった推しが別のゲームとコラボすると、推しを追いかけてどんどんゲームを渡り歩く人もいます。この傾向にある人は、声優ファンでもあるパターンが多いように思います。
■自分ではやらないけれど 動画ゲーマー
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実際にゲームをやらずに、ゲーム実況ばかり見ている人。昔はこういう人はいませんでした、というか、ゲーム実況自体がありませんでしたからね。好きな実況者さんがやるゲームを観るという人もいますし、格闘ゲームなどで、対戦自体はもうついていけないけれど、eスポーツの大会を見るのは好き、という人もいます。学生時代に部活動などで野球をしていて、大人になっても草野球をしている人と、自分でプレイこそしないけど野球中継は観る人がいると思えば、そんなに不思議な話ではなさそうです。
これまで出会った色んなゲーマーの人たちを、傾向別にまとめてご紹介してみました。あなたはどこかに当てはまったでしょうか? 複数に当てはまる人や、あるいは、どこにも属さないという人もいるでしょう。自分や周りのゲーマーを分類してみるのも、楽しいかもしれませんよ。