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「アラレちゃんのウンチ攻撃だ!強烈な一撃が決まった!」
1989年にバンダイからファミコンで発売された『ドラゴンボール3 悟空伝』は、ボードゲーム風のフィールドとカードバトルを組み合わせたRPGです。ストーリーは原作の第1話から第23回天下一武道会(青年悟空とマジュニアの戦い)までをフォローしており、決勝戦でマジュニアを倒せばクリアです。
エンディングは裏面に悟空たちが描かれたカードが1枚ずつめくられていく演出となっており、その中には原作・鳥山明氏の前作「Dr.スランプ」の主人公・則巻アラレの姿も。ここで、アラレちゃんの絵が表示された瞬間にAボタンを押すとアラレちゃんとのバトルに突入できる隠し要素が用意されていました。
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悟空は原作コミックでも少年期にアラレちゃんと出会ったことがあり、その時のエピソードは「其之八十一 追ってペンギン村!」、「其之八十二 こわれたドラゴンレーダー」、「其之八十三 奪われたドラゴンレーダー」で描かれています。
レッドリボン軍のブルー将軍をアラレちゃんが軽々と撃退して悟空の窮地を救う姿が描かれており、それを見た悟空が「オラよりつよいやつっていっぱいいるんだな…もっともっと修行しなきゃな!」と決意を新たにする姿が描かれました。本作では、そんな悟空とアラレちゃんのドリームマッチが実現したことになります。
『悟空伝』のバトル画面は上段の行が敵側の行動やアクション、下段の行が悟空の行動やアクションを示すコマとなっており、お互いの攻撃に応じて上下交互にコマが表示されてマンガのように読み進める演出になっています。
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アラレちゃんは「キーーーーン」と走ってコマをぶち破ったり、ペンギン村名物(?)のウンチを投げて大ダメージを与えてきたり、おなじみの必殺技「んちゃ砲」を放ってきたりと大暴れ。
ゲーム本編で悟空をじっくり育成し、さまざまな効果でバトルを助ける「おたすけカード」をそろえておけば勝てるバランスにはなっていましたが、マジュニアを倒した青年悟空でもまだ苦戦するというバランスにスタッフの「Dr.スランプ」愛を感じました。
また、本作のエンディングには悟空の兄・ラディッツのカードも用意されており、ここでAボタンを押すとラディッツとも戦えました。こちらは原作で悟空1人では到底敵わなかった相手ということもあり、アラレちゃんをもしのぐ強さに。
本作を発売当時リアルタイムで遊んだ筆者はアラレちゃんにもラディッツにも勝てずじまいでしたが、「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ 週刊少年ジャンプ創刊50周年記念バージョン」に収録されたことでめでたくリベンジできました。
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