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6月17日に配信された特別映像「ドラゴンズドグマ10周年ファンミーティング」にて、シリーズ最新作にあたる『ドラゴンズドグマ2』の開発が正式に発表されました。
1作目で虜になったファンにとっては、10年にわたって待ち続けた待望の続編。期待度が高いのはもちろんのこと、夢見ていたゲームが現実となったこの朗報に、喜びの声が多数挙がっています。
公式Twitterにて、同日の午前7時過ぎに『ドラゴンズドグマ2』の開発を告知したところ、わずか6時間ほどでリツイートは6,000件を越え、「いいね」に至っては8,000件オーバー。この数字だけでも、続編が待望されていたことが分かります。
続編に注目が集まるのは、過去作が信頼に足る作品だった証とも言えます。シリーズ1作目の『ドラゴンズドグマ』は今も愛され続けていますが、本作はどのようにして生まれたのか。特別映像「ドラゴンズドグマ10周年ファンミーティング」にて、その企画の立ち上がりや開発に関する秘話なども語られました。
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◆『モンスターハンター』と同時期に『ドラゴンズドグマ』の原案が立ち上がった
本映像には、『ドラゴンズドグマ』のディレクターを担当した伊津野英昭氏が登場。まずは、ゲームブックから始まった自身のファンタジーRPGの体験史に触れ、「戦闘がアクションで、そこにストーリーや成長要素があるRPGがずっと欲しかった」と、当時の心境を語ります。
そうした想いを抱いたままカプコンに入社し、業務用のゲームを開発する部署に配属された伊津野氏。そこでいくつもの作品に携わっている中で、コンシューマも技術的な進歩を遂げ、アーケードゲームに比類する性能を持つに至ります。そうした状況の変化を受け、伊津野氏がいる部署は、アーケードとコンシューマ、両方のゲームを制作するようになりました。
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そして2000年の始め頃に、「大ヒットゲームを作ろう」との意気込みで、大きなタイトルがいくつも立ち上がったと述べます。この時に挙がった案のひとつが、今や世界的に大ヒットを遂げた『モンスターハンター』。そして、後の『ドラゴンズドグマ』に繋がる、「一人用のRPGだけど、オンラインでみんなと一緒に戦っているようなRPG」の案を出したのもこの時期だったと、伊津野氏が明かします。
「誰かと一緒に遊んでいるような楽しさ」という擬似的なパーティプレイの着想は、この時点で既にあり、それが最終的に『ドラゴンズドグマ』のポーンシステムに昇華。ソロプレイのアクションRPGなのに、孤独ではなかった本作独自のプレイ体験は、かなり当初から練り込まれていた模様です。
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ですが、すぐにアクションRPGの開発に取り掛かったわけではなく、しばらくは別のゲームの開発に着手。そうして実績を積み重ねた後に、満を持して会社へ掛け合い、企画が動き出しました。
『ドラゴンズドグマ』のアクション面において、モンスターにしがみつける要素は、特に目立っていた独自性のひとつでした。この点について、アートディレクターの池野大悟氏は、「みんな、でっかいキャラを出したくなるでしょ。(それだけだと)キャラクターたちが足元で斬ってるだけの絵になるから、もうちょっと絵変わりしないと作る意味がないかなと思った」と、新たな刺激を追い求めた姿勢を覗かせます。
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伊津野氏も映像内で語っていましたが、今現在においても、巨大なモンスターにあれだけ自由にしがみつけるゲームはそうそうありません。それを10年も前に成し遂げるのは、ユーザーの想像を超える苦労や労力があったことでしょう。
「普通に作ったら、(これまでの作品のような)面白いアクションゲームは出来るだろうから、そうじゃないところに挑戦した」と語る池野氏の発言だけでも、『ドラゴンズドグマ』ならではの魅力を生み出し、追求したことが窺えます。
◆モンスターデザインにも、徹底的なこだわりを
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そうしたこだわりはデザイン面にも及んでおり、本作に登場する恐ろしげなひとつ目の巨人「サイクロプス」に関わるエピソードも綴られました。池野氏は最初期、『魔界村』に登場するような一本角を生やしたサイクロプスを描いたと明かしつつ、「これじゃないな」と本作のコンセプトにそぐわなかったと語ります。
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その件について伊津野氏が、「かつて象の骨を見た人が、鼻の空洞部分を見て“ここに目があるんじゃないか”“ひとつ目の大きな巨人がいたのでは”──というところから生まれた伝説なんじゃないか、という話がありまして。この話がすごく好きだったので、“この話をベースに一度(サイクロプスのデザインを)考えてみたら?”と(話しました)」と、意外な切り口を提示した当時の状況を振り返りました.
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実際、『ドラゴンズドグマ』に登場するサイクロプスは、“人間がそのまま大きくなったひとつ目の巨人”ではありません。肌質だけみても象のような表皮を持ち合わせており、牙のサイズも一般的なサイクロプスを大きく上回っています。そうしたデザインが、象モチーフゆえと言われると、納得の一言です。
こうした本作の独自性は、標準的なファンタジーゲームとはやや異なる向きもありますが、むしろファンタジーの原点そのものに立ち返るような手法とも言えます。奇を衒うデザイン重視の見た目ではなく、古典を意識したからこそ、ゲームとしては他の作品とは一線を画す味わいを生み出せたのかもしれません。
特別映像「ドラゴンズドグマ10周年ファンミーティング」では、この他にも様々な開発秘話が語られています。待望の続編に備え、記念すべき1作目『ドラゴンズドグマ』がどのように作られたのか、その断片に直接触れてみてはいかがでしょうか。
◆待望の続編発表に、熱狂するファンたち
なお、『ドラゴンズドグマ』に魅了された多くのユーザーたちが、Twitter上などで続編の発表に歓喜しています。「ずっと待ってました」「ちょーーー楽しみっす!」「思わず快哉を叫んでしまいました」「絶対に出ると信じて待っていました」など、喜びを告げる言葉の波が絶え間なく広がっています。
また、続編の発表を長らく待っていたというコメントも多く、「これを何年待ってた事か」「覚者が迎えに来るのを待っているポーンの様な気持ちでした」「マジで10年この報告を待ってました」と、首を長くしていたファンの生の声も飛び交いました。
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そして、「ポーンたちと新しい世界で冒険出来る日を楽しみにしております!!」「ポーンと共に大地を駆け巡りたい」と、本作の独自要素「ポーン」との再会を楽しみにする人もいれば、「心臓もうちょっと貸しておくから、また極上のアクションを味わわせて!」のように、完成度の高さに期待を寄せる方もおり、早くも大きな関心と注目を集めています。
『ドラゴンズドグマ』に魅了された方々を、『ドラゴンズドグマ2』がどのように受け止めるのか。詳細はまだ明かされていないので、まずは続報が気になるところです。しかし今日だけは、続編の決定をただただ喜びましょう。
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